#1

人の世と魔のむ世が混在していたいつかの時代。

 


 


人の世には、人間が集まって集落を作り、


 


 人々は田畑をたがやし種を植え


 


 川へ行っては魚を獲り、


 


草木の実りをかてとして


 


日々の暮らしを営んでいた。


 


 


 


 


 


そして、その人間の中には


 


少し特殊とくしゅな力を持った人間もいた。


 


 



 


 


その特殊とくしゅな人間とは、


 


魔をふうじ はらう力を、


 


神より授かった者の事。


 


 


 


 


 


 


人でありながら、


 


人の世を、


 


人を護る力を


 


神から授かった彼らは、


 


特殊な白い波動を身体にまとい、


 


その力の大きさにより身体に数字が現れる。


 


 


その等級とうきゅうは赤子の"じゅう″から始まり、


 


鍛錬たんれんによる力の向上にて


 


"いち″を最高等級として


 


最前線にて魔と対峙たいじする。


 


 


 


身体に現れるその数字は、


 


生まれてすぐに現れる者もいれば、


 


ある程度成長したのち、突然現れることもある。


 


それは突如とつじょとしてあざのような形で現れ、


 


数字が現れた本人と、


 


同じく数字を持った者にしか、


 


はっきりとした文字には見えない。


 


それゆえに周りからの偏見へんけんや差別も多くあった。


 


 


 


この内、"壱″の数字を持つものは、


 


人の世の平穏を守るため、


 


魔の世との境界きょうかいきょを構え、


 


魔の物とたたかう事を役割とされていた。


 


 


 


彼らの居住地きょじゅうちより一番近い三方さんぽう


 


二里にり先には、彼らに次いで力を持つ


 


"″の数字を持つ者、


 


 


そしてさらに四方しほうに二里ごと、


 


高い等級を持つ者が居を構え、


 


魔の進出に備えて鍛錬を重ねる。


 

 


 


 


しかし、その存在は


 


人の住む里より


 


あまりに距離を置かれている為、


 


詳しく知る者はいない。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 続・・・

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