第29話 ピーチル令嬢のその後…
もう!今日もいい人いない!
なんなの?なんでこんな男ばっかりなのよ!
これじゃあいつまでたっても高位貴族の妻になんてなれないじゃない!
私は間違って生まれた子なの。
こんなに可愛いのに男爵の家なんかに生まれてしまったせいで綺麗なドレスも買ってもらえない、好きな宝石も買ってもらえない。
だからここからは自分で道を切り開こうとしたのに。
いろんなパーティーにいって、男の人に声をかけたわ。
なのに、なぜか誰も相手にしてくれない。目立つように真っ赤なドレスを着ていったのにそれでもだめ。腕に胸を押し当ててみたのにそれでもだめ。
なによ!なんなのよ!!
そっか………私が可愛すぎるせいね!それでみんな引け目を感じちゃうのね!
それでも私はパーティーに行って、見つけた!
なんだか下を向いてもじもじとしてる人。来ているものはかなり高級品。絶対高位貴族ね。
そうして話しかけるとこっちを見ずになにか言ってた。
こっちを見て喋りなさいよね!
でも腕に胸を当てて話したらなんだか嬉しそうな顔をしていたわ。
よし!これならいける!!
よく聞けば侯爵嫡男って言うじゃない!
よし!これでいこう!!
そう思って一緒にいろいろなパーティーにも参加して顔を売ったわ。
でもこの人小さい声で喋るからなに言ってるのか半分くらいわかんないのよね。
こっちも見ないからうんうんと頷いて、たまにこっちをみるタイミングで「ロディ様ってすごいですわ」と褒めてやれば嬉しそうな顔をする。なんか単純な人ね。
そうしていたら婚約者がいるっているじゃない。でも伯爵家の女でなんだか気に食わない女なんですって。だったら婚約破棄して早く私と婚約しなさいよ!
だから今度婚約者がいるパーティーに一緒に参加することにした。ちょうどロディ様の家でするということでちょうどいい。そのままお披露目すればいいわと思ってた。
思ってたのに、婚約者のサリー・ナシェルカが帰ったらロディ様と一緒に屋敷の中に連れていかれて、その場でロディ様はお父様に殴られてた。そして、婚約者と婚約破棄なんかしたら借金しか残らないって言ってた。
え?聞いてた話しと違うじゃない。そんな貧乏侯爵家は嫌よ。そう思って帰ろうとしたら私の方を向いて、おまえにも慰謝料を請求するって言われた。さっきナシェルカ伯爵って人も慰謝料を請求するって言ってたけど、馬鹿ね!うちにそんなお金あるわけないじゃない。そんなお金あるなら宝石の一つでも買ってるわ。
そう思って帰ったらお父様に怒鳴られた。今まで小言は言われても怒鳴られたことなんてなかった。それなのに………
そしたらお父様が身支度を始めたの。どこへ行くのかと思ったら慰謝料を払ったら爵位を返上してどこか別の場所で暮らすと言うの。仕方ないから私も身支度しようとしたらおまえの面倒は見ないと言われたわ。父親なのにひどいと思わない?慰謝料払うくらいなら私にくれればいいのよ!
そこから本当にお父様はお母様だけ連れて家を出ていった。
私は着の身着のまま。なにを持って行っていいかもわからずに家をでた。
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