第15話 判明
「終わったわよ」
あれから3時間も経っていないというのにもう解読が終わったらしい。
こっちは一切手がかりがないので、進展するといいのだが。
そうして七草から解読の内容を聞かせられた。
「なんという・・・」
まとめてみると
1、人類はかつて神またはそれと同等の何かに滅ぼされそうになったという事
2、それを阻止するために戦うための何かを作った事
3。今こうして人類が生きているのはそれを回避出来た可能性が高いという事
4、その何かが今もこの世のどこかにあるという事
最初のに関しては神話に出てくるラグナロクのような状況があったという事なのか、またはその事実をラグナロクとして歴史に残したのか。
何かを作ってそれがまだこの世にあるというのも兵器のような物なのだろうか?
いずれにせよ根拠のある物は何もないように思う。
「ざっと見るとただの神話好きな人の創作とも取れると思うけど、例の設計図はその「何か」の物のようよ。おそらく1枚ではなくもっと枚数があるんだと思うわ」
となると、設計図という予想は大体当たっていたという訳だ。
しかし・・・そんな大事が本当に起きていたのだとしたらもっと何かしらの形で残り続けてもいいとも思うのだが。
「仮にそうだとして・・・そんな大事があったのに歴史に大きく残っていないというのも気になるんだが」
思わず口に出してしまった言葉に対して七草は
「何を言っているの?残っているじゃない。神話っていう誰でも知っている位の超有名な物が。あくまでもそれの存在を私達人類が証明できないから認めていないというだけでしょう?現に宗教だってある訳だし」
その通りだとしか言えない。
実際に人類は証明出来ないものは全て仮説または認めない等の対応を取り続けてきたのだ。
それらが突然証明されたとしても何も不思議ではないだろう。
いいかげんに認めた上での思考をしなければこれ以上先には進まない。
「分かった・・・認めよう。そうするともしかしたら今ある遺跡やナスカの地上絵みたいなのも実は全てそうした戦いの名残りの可能性もー」
「それよ!解読していて私も思ったのよそれ!。現に解明出来ていないじゃない?もちろん全てを繋げて考えるのには無理があると思うけれど、全てが無関係だとは思えないのよ」
食い気味に来られるとは思わなかったが、全ての可能性を否定出来ない以上そういう事になる。
教授が言っていた事はそういう事なのだろうか・・・?見えてる見えていないとよく言っていたがこうした何かを知っていたからなのだろうか?
だとしても周りくどすぎると思うんだが。
だが現に行き詰まっていた研究を別の視点で見た途端に進展し完成まで一気に進んでしまうという例もあるからな。
「あくまでも仮説という形で進めはするけれど、否定ばかりじゃ進まないでしょう?それに歴史なんてあくまでも書物が残っていたものを都合よく今の人間が解釈して伝えてる訳だし」
まぁ、定期的に歴史の内容も少し変わる位だからな・・・。
自分でも納得しつつ今までの知識を総動員していると
「私たちで探しましょう。本当の歴史を」
この一言で思考が吹き飛ぶ程のショックを俺は受けた。
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