第10話 始動

これからどうするか・・・そんな事ばかり考えていた。

チャンスは誰にでも平等にあるという言葉があるが、その通りだと思う。

その時に思い切れるかどうか・・・決断が下せる人間は失敗もするが成功もする。

自分には出来ないから、自分には不相応だからと諦めるよりもいっその事傲慢になったほうが意外とチャンスは掴めたりするものだ。


人は2択をしつづける生き物である


そんな言葉が思い浮かんだ。

誰の言葉だったかは覚えていないが、朝に起きるか起きないか歩くか歩かないか等の選択をし続けているのが人間なのだそうだ。

そう考えると全てのことは50%で起こり得る・・・と言う事らしいのだがなんともこじつけ感が凄いと思う。

しかし、成功も失敗も全ての事は必ず起こるのだからあながち間違えているわけでもないのだろうが・・・。


「やるか・・・やらないかって事なんだよな」


今回のシグの本の件、そして七草の遺品の件・・・本気で調べて見るかそれともいつもの下らない妄想のアイテムとして処理してしまうかで悩んでいた。

気がついたら仕事の合間にまで考えてしまうようになっていた程である。

しかし、それらを調査するにしてもある程度の覚悟が必要だ、それも特に経済力の面で問題が多すぎる。

そんな事を考えながら昼食を取っていた時である。


「Hello、アンタの事だからまた悩んでるんだと思うけれど経済面の心配は要らないわ。私が全面的にバックアップするから」


そんなメッセージが飛び込んで来た。

この連絡を機に俺は、今回の不思議な件を調べることに決めた。

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