第8話 設計図

「なるほど・・・多分設計図だな」


あれから色々と試行錯誤を繰り返している内に一つの仮説にたどり着いた。

一見メモにも見えるが、文字を書いて上から横線で消して何かを付け足して書いていたり、長芋みたいなものが図面だとすれば設計図の可能性が高い。

ただの子供の落書きの可能性もあるが・・・。

それから色々な仮説を立てては消していたが、長芋、円、棒くらいの区別がつく程度しかわからなかった。

これ以上今ある、情報では分からないし進めないだろう。


「しかし、設計図だと仮設しても何のパーツなんだろうか・・・」


全部が一緒の物を指しているのか・・・それとも全部バラバラなのか分からないしな・・・。

それから3日間もあれこれ考え続けていたのだが、何も進展がなかったので息抜きに秋葉原へ出かけることにした。


「ほう、また新作のガンプラが出てるのか」


いつも見るたびに新しいプラモデルが出ているのに関心しながらも適当に散策しようとしたのだが、気になるプラモデルがあったので手に取って見た。

それは懐かしい機体の復刻改修版で、結構出来がいいものだった。


「懐かしいな、息抜きに丁度いいか」


そう思いながら思わず購入してしまった。

30を超えてプラモデルって・・・なんていう時代はもうとうの昔に過ぎているので何も恥ずかしさを覚えることも無かった。

10年前なんてまだスマホなんて無くて、パカパカするガラケーが主流だったというのにたった10年でよくここまで進んだなといつも思う。

適当に昼食を済ませて、家に帰りプラモデルを作ろうと机に広げた。


「パーツが多いな・・・今はこんなに増えているのか・・・」


昔作った記憶のある頃に比べてパーツの量が2倍近くあるような気がしたが、手を加えることなくデティール等もしっかりしているので文句はない。

そこである事に気がついた。

パーツを見ていると何かに似ている気がしたのだ・・・


「これ・・・どこかで・・・あれ?」


そう思いながら例の設計図と見比べて見る。


「似ている・・・長芋の形は腕の内部パーツ・・・?骨?・・・だとすると」


その他の図面も照らし合わせていく・・・円は頭か中心部、棒は腕?か何か先端に付くものか?・・・。

ということはロボットか何かか?という仮設まで思考が巡った所で、一つの発想が浮かんだ。


「まさか、人・・・?人を作ろうとしたとか・・・?いや、まさかな」


この発想が一つの転機となった。

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