第6話 後輩と同級生

後輩のシグは、大学に通いながらも図書館で司書のバイトをしている。

それから本人はあまり興味が無いらしいが、これがまたモテる。

以前少しからかった事があったのだが、その際には自分の時間を大事にしたいし正直鬱陶しいと言われた。

若いのにちゃんと考えているんだなぁと感心したのを覚えている。

教授と会ってから1週間が経つ、季節は夏真っ盛りの7月だ。

あの本の事を考えていて、色々と当たってみたのだが何もヒントは得られなかった。


「出来れば、こいつにだけは連絡をしたくは無いのだが・・・・しかし背に腹は代えられないか」


連絡しようか迷っている相手は名前を七草真理亜という同級生だ。

彼女は頭がかなり良く、IQも150を超える程らしく色々と事業を手がけては成功を繰り返している・・・俺とは真反対な存在でもある。

あまり俺は合わないのだが、的確な意見をいつも出してくれるので何かと悩んだ際には聞いたりもしているのだが・・・その度にバカにされる。

シグとも仲があまり良く無いので、相談したりしている事は内緒にしている位である。


「これでいいか」


一先ず長文にはなってしまったが、事情と流れを送った。

正直、こいつ何言ってるんだ?と思われても仕方がない内容ではあるのだがもう今更だ・・・もう既に3回も言われたし。

それから思考を仕事に切り替える為に大学へ戻った。


「Hello、その話なら教授からもう聞いてるわ。私の方でも見せたい物があるのよ、来週日本に行くからその時に話しましょうー」


なんともじれったい内容ではあったが見せたいもの?あいつが?・・・。

そう思いながらも記載されている日本への到着予定の日時をスマホの予定機能に登録した。

いつもなら長ったらしい説明文に、余計な一言が入るのだが・・・こんな簡潔な返信は初めてかもしれない。

それに教授からもう聞いているっていう事は七草も何かを知っているのか?・・・それとも同じような謎かけみたいなことを言われたのか?

まぁいずれにせよ来週にはわかる事ではあるが。


「それにしてもHelloって・・・ついに洋風かぶれになったのか」


本当はそう返信してやりたいのだが、10倍返しを食らうのが目に見えているので口に出すだけにしておく。

丁度いい事に、予定の日までは仕事もかなり忙しいので余計なことを考えている暇はなさそうなのですぐに過ぎるだろう。

そう思いながら仕事の段取りを組み立て始めた。

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