第17話

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「てめぇが…彼女の事をこの俺より…良く知ってるだと!!」

 僕のコンプリートに男は咆哮を上げて、腰を屈めて中腰になった。そこで絞るような声で話し出す。

「いいか、聞けよ!!」

 

 やれやれ、

 命令口調の多い奴だ。


 僕は片膝立ちから起き上がる。僕は男が何か言うのだと思って注意深く耳を立てた。

「俺はなぁ、本当は石の様に静かに引きこもって生きたかったんだ。唯、それだけが俺の強い意志だったんだ。だが、次第に俺の意識はいつの頃か段々段々とはっきりと頭のなかで沈殿して具体化しようと蠢いてゆくのを感じないではいられなかった。そしてある時はっとして、突如部屋の中で喚いたんだ。バケモノと謂われて落ち込み仕事を辞め社会から脱落し始めた自分が怖くなり、精神が破壊されそうで喚いたんだ。そしたらその時突如部屋の中で閃光が閃き、石が落ちて来た」


 落ちて来た…石がねぇ

 僕はこの時『魔香石(ラビリンストーン)』について中津の古風堂の店主が言ったことを思い出した。


 ――こいつには人間の思想や思念に自らの『意思』で寄生して、それを具現化するという力がある。

 成程…

 石のように生きたい。

 その意志に『魔香石(ラビリンストーン)』が寄生。

 つまり、

 そしての結果としての『惑星落下(メティオ・ストライク)』


 比嘉鉄夫、

 お前の『魔力』への理解

 俺様、コンプリート。

 

 男は僕の理解など気にせず、話を続ける。

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