シナリオ2


 突如、アグリの視界が暗闇に包まれた。

 これまで見えていた村のゲートどころか、身を潜めていた雑木林さえ見えなくなった。


「暗闇攻撃か? クエもろくに始まっていないのに、どういうことだ!」


 アグリは、自身に内蔵されたAI(ピコピコ)に呼びかける。

 クエスト開始直後、それも敵の姿さえも見ることなく暗闇攻撃など許されるのか。


『これは敵の攻撃ではありません。あなたはGM様の定めるルールに違反しました』

(*GM様=ゲームマスター、ゲームの管理者)


「GM様だと? そんなこと知ったことか! 俺はいつも通りにシナリオを進めただけだ! 好き勝手やれるからゲームは楽しいんだろ!」


『それではあなたは全ての装備を解除して、つまりで、このゲーム世界に挑みますか? ステータスパラメーターを違法に改ざんしてモンスター無双を楽しみますか? それこそ、あなたが嫌うヘンタイやチートと同じではないでしょうか?』

(*マッパ=真っ裸。公序良俗に反する行為、反社会的行動。略語)


「確かに……」


『ここはVRMMORPGの世界です。ゲームを楽しむにはルールがあります』


「つまりこのままだとクエスト失敗に終わるということか……」


  ☁


ピコピコ:ゲームルールに従いますか?


 ノー

「こんなクソゲー付き合ってられるか!」

【GAME OVER】


 イエス

「もう少しゲームに付き合うか……」

【シナリオ3へ】

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