りんはいく

りんはおもいっきし男の股間をけりあげた

「しつけーんだよもう」

新聞記者だろう男は気をうしなっている

りんも年齢ぐらいまでは大人しく聞いていたが

「彼氏がいるのか」

「きものなのは何故か」とかまで聞かれているうちに

面倒になったので蹴り上げた

しかし着物で蹴り上げたので型が崩れてしまった

会場にいったら直さなくてはと走り出した

風を切るのがきもちいい

あー汗かくのも厳禁だったかなー

とおもいつつ会場にはいった

だれがめぼしいものをみつける

みつけた「ママン!」

「てか凄い汗じゃない最初から着なおしよ」

「やっぱり?」

「途中まではしなりしなりと歩いてたのだけどさ

新聞記者に捕まってねほりはほり聞かれると嫌になって

たぶん気がついたらこの会場に来るんじゃないかな」

「気がついたらって?」

「こかんおもいっきし蹴り上げたから気失った」

「はーっ。りんちゃんにはこんなコンテストより

元気一番コンテストがいいわね」

「なになにそんなのもあるの?」

「ほらタオルで全身拭いて」

「あー風が気持ちいい」

急いでタオルで吹き上げていく

真っ裸なのだ部屋を覗く人がいればぎょっとするだろう

ままんに着付けをしてもらう

ままんは飲み屋での呼び名正確には静香だったと思う

そしてわたしもりんじゃなく燐が正確

難しい字なので正式書類いがいはひらがなで通してる

ままん着付けはやいあっというまに羽織まできて終わり

「ままん、ありがとうね」

「どういたしまして」

「もうやんちゃはだめよ」

「OK今度は拳でいく」

「それもだめ」

「あくまでおしとやかに」


かくして着物美人コンテストが始まった

幾つかの門等と特技

なんと日本舞踊ができるのだ!

芸者育ちの母親の意向で記憶にない頃からやっている

2.3歳ってとこだな後2級で師範代なんだが

これがなかなかどうして通らない

なんでも積むものを積めば通るらしいのだが

そんなことまでして師範代なる気ねぇ

うちは裕福とはいえないんだ

なんせ作るわ作るわ兄一人に妹2人の4人兄弟

月謝だけでも馬鹿にならない

踊りの好きだった兄も踊りを止めて

塾に通いだした合格したら近くで練習できるとこを探すと

言っていたが…大学だもんな遊びたおして終わりかも

そんなわけで成績についてはそんなにうるさくない両親だが

下にまだ2人いるいじょう目指せ市立だろう

成績も別に悪くないこうして門等していても

しゃなりしゃなりな声がでるだけ化けている

「じゃあ最後の質問です」

「男の股間を蹴って気を失わせるのは特技のうちなのかな?」

ピク

きたよ最後に大人しくしていればいいものを

「危険を感じたとき自分の身を自分で守るのも

昨今では必要な技術かと思います。

名詞ひとつでしつこくつきまとわれてはやはり身の危険を

感じてもおかしくは無いかとおもわれますが?」

「そこ会場以外での談話は禁止してあったはずだが

今のは事実かね。」

ちっ「例えばの話ですよ。じっさい身を守るすべが

必要だと感じてらっしゃる」

べーだ。現実にやり返すくらいじゃないと痴漢も撃退できない

黙って立ってれば日本人形なのだ私って

で、結果銅賞をもらった

お茶にお花にお琴にの3大習い事をやってなかったのが敗因

やはりコンテスト最終日になるとこれを習ってないのは

私くらいなものだった

まぁ踊りと見た目だけでここまできたのだたいしたものだろう


ママンが近づいてくる「残念だったわね」

「なんの上出来上出来最低年齢で銅賞だもん

これ以上望むなら花や茶習わなきゃね」



帰りの際、さっそく痴漢。手をつねってやる引っ込もうとする手を

ぐいっと握ると反対からもお尻に手が手をはなさず

やはり手をつねくってにぎりしめる両手をあげて

「この2名!!痴漢です。私のお尻をなでまわしました!」

そしてぐいぐい混んでるところを運転席まで連れてくる

「派出所の一番近いところてどこだかわかりますか?」

「次の次だな目の前に派出所がある」

「じゃあそこで降ろしてください」


そこで状況説明男たちは留置所行き。どうやらふたりぐる

だったらしい。大抵の子は2人目が来ると諦めるのだと

悪かったな。大抵の子じゃなくって。こっちもトラウマがあるんだ

うちは姉もいた5人兄弟だった一人友達の家にいった姉は

夜になっても帰ってこなかった家族で探した夜が開けて

お姉ちゃんの第一発見者は私だった

日本人形がばらばらになったそんな感じだった

ばさついた髪、あらぬ方向の腕、半裸にみだれた体。液体は

男のそれだろう電話をかける「お姉ちゃん壊れちゃった」

「とんでくる家族。子供は途中で止められる

私も引き離されたかすかな息は病院までもたなかった

「死んだ方がましだったのよ」母はそういって自分を慰めた

実際両腕骨折股関節にひびなにより優しい姉の精神は

もたなかったろう体が壊れるほど抵抗したんだ

姉の死がおちつくと私は柔道と合気道を習いだした

基礎だけでやめてしまったが月謝がもたない

それから日本舞踊ひとつにしぼって喧嘩屋といわれた

いわゆるストリート・ファイターの弟子につき習った

ママンの店がそれらのひとが出入りする店だ



今日は胴メダルをとった私のお祝いをしてくれる

集まったのはビー・ファイブが仲間の名前

Tシャツとジャケットには5匹の蜂が刺繍されている

姉御さんリーダーの奥さんの手作りだ

私なら一生かけてもミシンで刺繍なんてできないだろう

ビール1杯開けたリーダは酒を飲めと勧めてくる

酒に弱いやつは喧嘩も弱いんだぞと

1杯ででろんでろんでよく言う。リーダは酒に弱いのだ

だから本番前は景気づけも口をつけるだけだ

ママンが止めに入ってくれて席をうつる

今日起きた一日の顛末を話すとそりゃいいやと笑う

がその後鼻をはじかれる結構痛い

報復に気をつけろよと言われた

報復かぁ来るかなぁやっぱり…


学校の帰りそれは来た。5人に増えて…大人ってろくでもねぇ

「お譲ちゃん。大人をなめたまねするとどんな目にあうか

教えてあげるよ」

私はぴっぽっぱと携帯

「どこにかけやがった」

私は「奪ってみてみたら?」

今日は防御主体つかまったら意味がない

「いくら積んで留置所でたのさ」

「うるさい痴漢された人間はべそかいて逃げてきゃいいんだよ」

「ほとんどが泣き寝入りするからあんたらがのさばるんだ」

「それよこせ!」「やだね」

本気でいく肋骨蹴りひびはいってもしらね

これで一人脱落、次お得意の股間蹴りジャストヒット

これで二人脱落、次…げ…ナイフもってら

「りんちゃん!!大丈夫?」「体力的に不利かも」

一人クラスメイトを追おうとする石を拾って

首のすね狙ってジャスト。その分ナイフの対応に遅れた

傷は浅いならばいっそ横に切り裂く

「痛」だが向こうの方がひるんだ

まさか自分から肉を割きに来るとは思わないだろう

次は血しぶきのあがる右手であごにヒット

決まったが浅い3人までか

私も体力の限界が来てる逃げる余力はのこしとかないと

ぴーいきなり笛「そこまで、警察です。婦女暴行容疑で逮捕します」

はーあーやっと来たよへなへなと座り込む

どっと疲れた「貴方大丈夫じゃないわねすぐ救急車呼ぶわね」

「あまり無理するもんじゃなくてよ」

「すいませーん」

病院にて30針も縫ったよ痛いはずだ半分は自分で切り裂いたしな

しっかしおっかなー

世の中なめると命いくつあっても足りない



でもねりんの痴漢退治は続くのよ

一番末っ子が姉様ゆずりの超美人

そんな子が安心してあるけるようになるなら

命かけたっていい私は撒き餌なのだ

なまじ綺麗だからよくひっかかる

それを退治してなんぼだなぁ



でも

りんは今日も元気です


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