隠された学問について(魔術について) 抄訳

エリファス1810

第一部 第一章 魔術師が三重の世界から力を集める方法が本書には記されている事

 四大元素の世界(である「この世」)、知的世界、天界という三重の世界が存在するし、

全ての下のものは、上のものによって統治されていて、上のものの力から感化を与えられている。

 だから、天使、天、星々、四大元素、動物、植物、金属、石による全ての作用の、真の源の無上の作用者である神は、神の全能の力を神から人へ伝えているし、

神は、神の全能の力を神から人へ伝えるのに役立つように、人以外の全てのものを創造している。


 人は、神から人への下降の階段によって、

三重の世界を通過して、源の世界である天界へ、全てのものの創造主である神へ、第一原因である神へ、全てのものの源である場所へ、全てのものが生じる場所へ、上昇する事が可能であるし、

人以外の優れているものに十分に含まれている力を楽しむ事が可能であるし、

上のものから新しい力を引き寄せる事が可能である、

と賢者は考えている。


 そのため、賢者は、

医学の助けによって、自然物による色々な混合物についての自然学の助けによって、四大元素の世界(である「この世」)の力を探求するし、

占星術によって、数学によって、天の力を四大元素の世界(である「この世」)の力に加えて、天界の光線と感化力によって、天界の力を探求する。


 さらに、賢者は、宗教の神聖な儀式によって、色々な知的存在である善良な霊的存在の力によって、四大元素の世界(である「この世」)の力と天の力の全てを確認した。


 私、コルネリウス アグリッパは、その全ての順序と過程を本書で述べようと試みるつもりである。

 第一部は自然の魔術についてである。

 第二部は天の魔術についてである。

 第三部は儀式による魔術についてである。

 しかし、私、コルネリウス アグリッパには、この試みが許され難い傲慢ごうまんであるかどうか分からない。

 ほとんど学が無い、未熟な、私、コルネリウス アグリッパには、とても大胆な、この試みは、とても困難であろう。


 そのため、既に話した全ての物も、これから話す全ての物も、普遍のカトリック教会が認めている物を越えない。

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