お昼休憩っ!
時刻は12時半、待ちに待ったお昼休憩の時間がやってきた。
午前から潜水艦操作シミュレーションをしたり、テレビショッピングの電話受付をしたり、ガット無しバトミントンをしたり......みんなもうクタクタである。
「あぁ~疲れたぁ......この学校おかしいよ......」
「そう? 他の高校もこんな事やってない?」
「やってないよ!! 他の高校は普通に数学とか英語とか勉強するはずなのに、何でウチは潜水艦操作シミュレーションとかテレビショッピングの電話受付をやらなきゃいけないんだよ!!」
「だってここ、雑科じゃん......」
そう。いちごの言う通り、ここの高校は
主な内容は......いや、やることが多すぎて具体的な例を挙げるのが難しい。そんな科なのだ。
「まあまあ、今に始まったことじゃないんだしさ。カキナ、一緒にお昼食べよう」
そう言って、いちごは僕の机に次々と物を置き始めた。パンが入った紙袋、ス〇バのコーヒー、ポテトサラダ......。
「......いちごってさ、ここまで女子アピールしてるけどさ、あまりイ〇スタのフォロワーいないよね......」
「な、何となくだよ! 別に意識してないし、フォロワーに捉えられる人間の方が愚かだもん!!」
言い訳が苦しいなぁ......自分で自分の首を絞めてるだけなのに......。
「お二人とも、私も輪に混ぜてもらってもいいですか?」
「あ、びわ! いいよ一緒に食べよ!」
びわも俺の机に、お弁当と急須を置いた。お弁当の蓋を開けると......。
「フナ!? 丸々フナ一匹!?」
「あら、これが何かおかしかったですか? あ、そう言えば卵も持って来たんでしたわ。フナも冷めてしまいましたし、食堂の電子レンジで卵と一緒にチンしましょう」
「ダメダメダメダメ!! 電子レンジ爆破してフナも食べられなくなるから!!」
「そ、そうですか......」
全く、更に疲れが溜まるよ......。
「ねぇびわちゃん、午後は何をやるんだっけ?」
「えーっと、確か、ラムネ菓子の袋詰め、求人サイトで求人広告作り、ソシャゲイベント周回ですわね」
「......退学しよっかな、ここの学校......」
※
「ごちそう様ぁ......トイレに行ってくるね」
「こら! 男の娘がお下品な言葉を使ってはいけませんわ! お花摘みと言いなさい!」
「僕は男だよ! まあいいや、行ってきます......」
──はぁ、僕は何で男の娘男の娘って言われるんだろう......無意識に女の子っぽい物を持っているから? この髪の毛のせいか? ......これだから、人間は馬鹿なんだ......。
「あれれ? ここは男子トイレですよぉ?」
「そうだそうだ! 男の娘は女子トイレにでも行ってな!」
男子トイレには、チンピラが溜まっていた。そして、僕を女とみる目でこっちを見てきた。
「おいおい、何とか言えよ、カキナちゃん??」
僕の怒りは、限界まで到達した。手に今まで経験したことのない程の力が込み上げてくる。そして、異様なオーラを漂わす......。
「な、なんだこいつ!?」
「......あまり僕を怒らせると、痛い目に合うんだからっ!! くらえぇぇぇ!!!」
漆黒に染まる手から、光さえ飲み込んでしまいそうな程のダークパワーを放ち、チンピラ共へと被弾させた。
「ぐわあぁぁぁ!!!」
チンピラ共は、窓から吹っ飛んで、どこかへと消えていった......。用を済ませて、早く出よう。
※
「あ、お帰りカキナ! いつもより32秒も遅かったじゃん?」
「数えてたの!? やめてよ恥ずかしい......」
「あら、とても可愛らしいですわよ?」
「やめろってびわ!!」
──まあ、まだ男の娘でもいいかな。だって、僕がこの見た目じゃなかったら、二人とも仲良く出来なかっただろうしね。
「さあ、カキナも来たところだし、王様ゲームやろ! 王様はカキナを自由に出来る権利を」
「やっぱりやだぁ!!!」
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