第2話

2話


風景が完全に切り替わると、そこは森の中。


なぜ森なのか、いや何よりも、その色。


森の緑は今やその面影もなく、全てを包み込んでいるかのような柔らかい雪が、森のいっさいの色を奪って白銀の世界を作っていた。


時折吹く風が、雪を連れて肌に触れる。

思わず身震いしてしまいそうになる程の寒さ。


そんな白銀の森の中で2人の小さな少年が遊んでいた。

2人の少年の顔は瓜二つで、片方が雪を丸めて投げるともう片方が投げ返す。


それはこの少年らに馴染みない人が見れば1人の少年が鏡と雪合戦しているかのような光景。


だけど、僕は本人だからそんな風に間違えることはないよね笑

自分たちが余りにも似ていて驚いたけど自分がどちらかくらいは分かる。


片方は僕、もう片方は弟。


なるほど走馬灯か、そう思ったのは見覚えがあるから。


この日は今でもはっきりと覚えている。初めて見る雪に興奮した僕たちは両親に遊んでいいと許可を貰って2人で雪合戦していたんだ。


だけどこれがなんだと言うのか、いや特に意味はないのかもしれない。

ここは少し経てば次の風景に変わったりとか、見てるだけでいいのかもな。


そんな考えは頭に響いた声によってかき消される。


「いいえ、これから説明するのでよくお聞きください。

挨拶が遅れましたね、

こんにちは、私はあなたたちが言うところの三途の川です。」


うわあ!びっくりした。

え、あ、はい。僕の心の声聞こえてるみたいなので喋らなくてもいいですか?

あとあなたたちが言うところの三途の川って何ですか?三途の川って意識あるんですね。

質問攻め。


「はい、大丈夫ですよ。

理解して貰えるように1番分かりやすい言葉で私を紹介しました。」


(おおう、意味の無い質問には返答しない当たり、効率厨なんですね?)


分かりました、それで三途の川さんはどうされたんですか。率直な疑問。


「はい、単刀直入に言うとあなたの肉体は今、危険な状態にあります。」


(触れて貰えない悲しみ…)


僕は確か事故で頭を打って、それから…覚えてないけど、

そうなのか。このまま行けばもしかしたら…


「はい、このまま行けばあなたは間違いなく死にます。」


うぅ…今どうしようか考えてたのにオブラートに包まずに言っちゃうんですね…


(でも、僕には帰らなくちゃ行けない理由があるんだ。どんな状態でも諦めずに頑張り続ければ…)


心の声の独り言に対して三途の川さんが終わりを待たずに答え始めた。


「いいえ、諦める諦めないの問題ではなく、このままでは間違いなくあなたは死にます。


死の恐怖を乗り越え、肉体の元へ帰ろうとしている魂は応援したくなります。


ですが死に行く者を生に留めることなんて出来るのか、あなたは疑問に思っていますね。


その疑問にお答えするのにで1番早くて分かりやすいのは、

…そうですね。


なぜなら私は三途の川、

その方法を知っているからです。」


うん、やっぱり効率厨だ。

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