記憶の中にあり続ける言葉
なんというか、曲っていいなとまた思う。
中学生の頃から幾度となく思ってきてはいたが、大人になった今でさえそう思う。
聞き終わったあとの余韻がこんな想いを思い出させていた。
今の僕にはあの歌詞が響いてしまう。
僕そのもののようだからだ。
死んでしまいたいって思うこともあるけれど、生きていたいって強く思うこともある。
でもそれでいいやって諦めている。
でも諦めたくないと思ってる。
矛盾しているなと自分自身を嘲る。
曲を創っている僕が、僕は嫌いだ。
名声ばかり求めて純粋な創作をすることを忘れているからだ。
前にそれを瞬に言ったら
「それの何がいけないんだ?」
と言われた。
でも僕にとっては大問題なのだ。
僕の脳裏には憧れの人の言葉がこびりついている。
だから自分のための創作とか、創りたいものを創るっていうのが僕にとって純粋な創作だ。
僕の理想はそこなんだ。
でもそんな風にいくはずなくて悩んでいる。
もういっそ辞めてしまうのもいいのかもしれない。
曲を創ることを辞めるんじゃなくて、
発表することを辞める。
機械で音を作るのは楽しいけれど、自分だけで演奏して、下手ではあるけれど自分で歌うのもありかもしれない。
それはそれで、、、楽しかったりするかもしれない。
一旦やめてみようかな。
辞めれば純粋な創作が出来るかもしれない。
でも、やめても変わらないような気も確かにしている。
変わってしまった僕がそう簡単になおるものか。
そういう風に斜に構えて見ている自分がいる。
それが怖い。
やめてしまえばもう戻ることはできない。
今ある名声が消えることが怖い。
怖いことだらけだ。
それでも。
それでも、、、、、、。
僕は僕の理想に近づきたい。
窓に映った雨がいつかの情景をしのばせた。
空の曇天は僕の心の中のようでもあった。
雨の匂いが、苦しくもあった。
息がしづらい。
辛い。
辛くて辛くて痛い。
嗚呼、、、もう辞めてしまおう。
もういいよ。
もういいんだよ。
言い聞かせるように僕は思った。
それでも未練たらしく思う気持ちが聞こえている。
僕はその言葉に耳を塞いで、踵を返して無視をした。
もういい、と何度も言い聞かせながら。
創るために諦めるからこの決断は許される。
許されないはずがない。
創作のためならなんでもしていい。
それで職を失っても、何とか仕事を探して食いつないでいけば生きることは何とかなる。
知らないうちに涙がこぼれ落ちていた。
哀しくもない、寂しくもないのに。
不思議だと妙に俯瞰して自分を眺めていた。
記憶とはときに残酷だと何となしに思った。
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