【episodes7】喜びの告知


娘が宿るちょうど一年前のある日、私は産婦人科にいた。


「おめでとうございます。ご懐妊です。」


ドクターの言葉に喜びが込み上げてくる。



自動ドアから出ると、仕事中だよね…そう思いながらも早く伝えたい気持ちが溢れ携帯電話を手にした。


数回のベルの後、電話口に夫の声がする。



「もしもし。」

「仕事中ごめんね。」


「大丈夫だよ。どうした?」

「うん、あのね…赤ちゃん…。」


「そうか!!今日は早く帰る。何もしなくて良いから家でゆっくりしててね。」



電話の向こうにいる夫の笑顔が伝わってくる。



今夜は何を作ろうかな?私は夕飯のメニューを考えながら車のキーを回した。

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