第146話 わし 次なる一手

    〜〜〜エッジ軍事都市〜〜〜


わし「エッジよ、また悪巧みをしに来るわ」


エッジ「ええ…今後は原油やレアメタルやレアアースの安定供給が課題ですね」


わし「ほとんどがヤマト国に依存してるからな、それを解消する」


エッジ「え?どうするんですか?㊙︎濃縮計画書にあった、ウランからエネルギーを取り出す原子炉の建造ですか?」


わし「原発か…もちろんその建設にも着手する、安全保障で言えばエネルギー問題は最急務だが時間がまだ掛かる、それとは別にレアアースやレアメタルじゃな、例えばリチウムがあるじゃろ」


エッジ「リチウムイオン電池に使ってますからね」


わし「リチウムは、ほかの資源とは事情がやや違っていて、鉱石から採るのは全体の3割ほどじゃ、残り7割は塩分を多く含む「かん水」を干して集めておる、我が国の東湖からも採取出来るのは知ってるだろう」


南米アンデス山脈の盆地は数千万年前までは海だったからな、湖の水のリチウム濃度が高い、これを天日で干せば、安価に採取できるのが理由じゃ


エッジ「そうですね、リチウムイオン電池の開発に熱心な理由は安価に手に入るからですから」


わし「湖のリチウム濃度が高いのは、この大陸はフィリピン海プレートと太平洋プレートがぶつかって隆起して出来たと推測している、その山から流れて来た川が我が国の東湖になってるからな」


エッジ「最新の論文に出てたプレートテクトニクスって奴ですか?」


わし「よく勉強してるな、ここからは推測だが、レガシイ大帝国にはレアアースやレアメタルが大量に眠ってる可能性がある」


中国が内モンゴル自治区を占領している理由はコレじゃ、レアアースの埋蔵量をみると中国は3割ほどで、中央アジアや米国、豪州などにもたくさん眠っている、しかしレアアースを含む鉱石は放射性元素を一緒に含んでいることが多く、先進国では鉱山開発により環境が破壊されるとして規制が厳しくなった一方で、中国は規制が緩いうえに労働力も安い、採掘コストの安さを武器に、ここ10年ほどで生産量を大きく伸ばした


その中でも2000年中国全体で60万t弱であった鉱石生産量は2016年には180万tに達している、江西省、雲南省、安徽省と殆どの省で増産しているが、内モンゴルが1万tから37万tと最も増加しているのが証拠だ


エッジ「レガシイ大帝国と戦争ですか?」


わし「いや…色々な国と揉めてるからな、GDPをぶち抜いたとは言え、人口や国土では大きく劣ってるからな、国土が大きく人口も多いと占領政策の難易度がバチクソ高い」


エッジ「ではどうするんですか?」


わし「盗む」


エッジ「え?」(笑)


わし「これからダム建設でレガシイ大帝国に行く、地質調査も兼ねてな、風化花崗岩も多く産出してるし、レアアース(重希土類や軽希土類)もあると推測してる、ダム建設しながらガンガン採掘してやる」(笑)


ちなみに日本の最東端にある南鳥島周辺の海底下にあるレアアース(希土類)の資源量が世界の消費量の数百年分に相当する1600万トン超もある、わしならガッツリ予算を組んで開発するがな


エッジ「ほうしゃ…」


わし「ん?」


エッジ「いえいえ、お気を付けてくださいね」


放射性元素はどうするんだろう…中国では内モンゴル自治区の人を奴隷の様に使ってたけど


わし「うむ…ではアルバートとビクトリア行くぞ!!」


バン!!


アリア「ちょっと…置いて行かないでください…」


ゲッソリ…


わし「お前…ぜったい妊娠してるだろ、王都に帰れ」


アリア「いえ!!絶好調であります!!うっぷ…」


わし「足手まといじゃ」


アリア「絶対大丈夫です、秒で治します」


秒で治すとかアホか…


わし「………。アルバートにビクトリアはどう思う?」


アルバート「妊娠してるのであれば、王都に戻るべきだと」


ビクトリア「私も同意見です、マルス様は命に替えても守りますから」


アリア「私なら2人同時に相手をしても勝てるのに、マルス様を守れるとか、どの口が言ってるの?」


アルバート「………。」


ビクトリア「………。」


ロリー「マルス様ーーーーー!!」


わし「………。」


ロリー「ひどいですわ!!軍事都市に寄るなら言ってくださいよ」


わし「え?嫌じゃし」


ロリー「あら照れちゃって、でね…こちらの資料を見てください」


人の話し聞いてねぇ…


わし「なんじゃこれは?」


ロリー「電気自動車の開発に成功しましたわ」


わし「ほう…」


ロリー「試乗してみますか?」


わし「乗らんな」


ロリー「静音に排ガスも無いんですよ」


わし「安全性がまだまだ未知数じゃからな」


ロリー「………。」


わし「まぁ安心しろ商売しやすい様に規制緩和もするし、爆発事故とか起きても国が補償してやる」


ロリー「流石マルス様ですわ!!」


わし「自国産業は育てないとな」


ロリー「ところで?雌奴隷のアリアさんは元気無いですわね?」


アリア「げ…元気だし…」


フラフラじゃねーか…


わし「アリアよ、とりあえず体調が治るまでエッジ軍事都市にいろ、厳命じゃ!!」


アリア「そんなぁ…」(泣)


ロリー「あら可哀想!!私が替わりについて行きますわ、エッジ様!!有給申請します」


エッジ「ええ…分かりました」


わし「オイ!!ついて来んな!!」


ロリー「絶対について行きますから、それに移転移住の権利がありますし」


わし「残念じゃったな、移転移住の権利の無いレガシイ大帝国に行くからな」(笑)


ロリー「ええええええ!!何しに行くんですの??」


わし「秘密じゃ、国家機密だしな、では行くぞアルバートとビクトリア」


「はは!!」


    ブロロロロロロローーー!!


エッジ「アリアさん、妊娠してるって本当ですか?」


ロリー「え??けっ!!穢らわしい!!」


アリアは首を横に振る


ロリー「なんだ驚かさないでよね!!」


エッジ「まぁ体調が良くなるまで居て下さい」


セリーナ「おい!!エッジ!!いつまで、くちゃべってんだよ!!」


エッジ「あ〜はいはい、とりあえず中に入りましょうか」



とぼとぼ…


次回に続く…

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