第136話 わし と各国の陰謀
〜〜〜レガシイ大帝国〜〜〜
ジホン・ロン「工業化と紙幣流通は、ある程度達成出来たが、電力不足か」
ゴクフ大臣「アルビア国から輸入している工作機械等は電気を使用する機械が殆どなので」
ジホン・ロン「火力発電所を増やして行くか、しかし石炭も不足してるしな」
ゴクフ大臣「それが…」
ジホン・ロン「ん?なんだ?申してみよ」
ゴクフ大臣「マルクス王国から、共同開発で水力発電のダムを建設しないかとの打診がありまして」
ジホン・ロン「水力発電だと?」
ゴクフ大臣「安心安全なクリーンエネルギー、SDGs持続可能な開発目標を一緒にやって行きませんか、との事です」
ジホン・ロン「えすでぃーじーず?あの王子の事だ、何かあるが…意図が分からんな」
ゴクフ大臣「水力発電ダムを4基作る計画で、電力供給も7:3でレガシイ大帝国に7ほど供給するとの事です」
ジホン・ロン「話しが美味すぎるな」
ゴクフ大臣「どうしますか?このままでは一方的に国力に差を付けられてしまいますが」
ジホン・ロン「う…む…山脈は帝都からも遠い場所だしな、この話しを利用して、国力差を縮める事も可能だが」
ゴクフ大臣「如何致しましょう?」
ジホン・ロン「あえて話しに乗って、向こうの出方を見るのもアリだな」
ゴクフ大臣「では…この話しに乗ると…」
ジホン・ロン「うむ…」
100%何かしらの罠と考えた方が良い、後手に回るのは癪だが相手の出方が分かれば対策しようがある…考え様によれば圧倒的な兵力で叩くチャンスでもあるしな…
〜〜〜聖カトレイア国〜〜〜
デモクリト枢機卿「アガラス連邦より…マルクス王国からの輸入品の方が圧倒的に安いでは無いか…」
カスケード財務卿「アガラス連邦は、遠路はるばる海路で、マルクス王国は陸路や海路ですぐですからね、工業生産能力も人件費も同等となると…輸送費に圧倒的なアドバンテージがマルクス王国にあります」
デモクリト枢機卿「め…綿製品の輸入だけでもストップさせるか」
カスケード財務卿「違う製品に病原菌を混入させてくるやも」
デモクリト枢機卿「うぬぬぬぬ…」
コンコン…
カスケード財務卿「だれですか?」
ネルソン提督「ネルソンとオリバーです」
………
カスケード財務卿「デモクリト枢機卿どうします?国政会議に同盟国とは言え、国外のネルソン提督ですが」
デモクリト枢機卿「わしが呼んだ、入ってもらえ…」
カスケード財務卿「そうなんですね、どうぞ、お入りください」
ネルソン提督「失礼します、良いのですか?国政会議のようですが」
デモクリト枢機卿「マルクス王国からの禁輸の件ですが、貴国から輸入すると、ほとんどの製品が倍以上の値上がりになります」
ネルソン提督「な!?…そんなに値上がりするのですか?」
マルクス王国はアガラス連邦並みの工業レベルなのか…兵器を見て薄々気付いていたが…未開地は工業レベルが低いので、我が国の大量生産製品は飛ぶように売れるハズなのに…
カスケード財務卿「物価の大高騰で民衆の混乱と財政逼迫は間違い無いです」
ネルソン提督「では…我が国の機械を輸入して自国生産するのはどうですか?輸入に頼らず自国生産してしまえば問題解決です、聖カトレイア国は人件費も安いので、逆にマルクス王国に輸入して苦しめてやりましょう」
デモクリト枢機卿「それは願っても無い!!良いのですか?」
ネルソン提督「ええ…火力発電所の建設も手伝わせて頂きます」
カスケード財務卿「おお!!我が国もマルクス王国に肩を並べる時がきますな」
ネルソン提督「では、予定通り航空母艦の演習も終わりましたので、貴官は帰国します、オリバーは武官として海賊対策として残りますので、ご安心を」
デモクリト枢機卿「何から何までありがとうございます!!」
ネルソン提督「では失礼します」
バタン…
オリバー「良いのですか?機械提供などと、あんな約束をして?」
ネルソン提督「エリザベート女王陛下からの許可は貰ってる、マルクス王国は我が国と同等かそれ以上の兵器があり最大の難敵だと、マルクス王国の国力を削って行くのが上策です…とね」
オリバー「マルクス王国は未知数ですからね、しかしアガラス連邦は属国や植民地も含め、今や世界の半分を版図としてますが、マルクス王国は極小国家なのに、あの経済力と工業力は不思議ですね」
ネルソン提督「私も不思議に思ってる、オリバーよ在聖カトレイア武官として色々とマルクス王国の経済や兵器の秘密を探れ!!女王陛下の御命令でもある」
オリバー「はは!!」
しかし…エリザベート女王陛下に報告した時に困惑していた紙幣や銀行とは…マルクス王国の国力の秘密はコレだろう…そしてエリザベート女王陛下は紙幣や銀行を知ってる?
次回に続く…
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