第135話 わし 人間の限界を語る
〜〜〜エッジ軍事都市〜〜〜
エッジ私兵「何者だ?国民証を見せろ」
タクト「俺はタクト侯爵だ、エッジ子爵はいるか?面会申請は昨日してある」
エッジ私兵「こ!!これは失礼しました、どうぞお通りください、敷地内の右奥の研究所にいます」
ツキノ「厳重な警備ですね、これで検問所3つ目ですよ」
タクト「国家機密中の機密があるからな」
ツキノ「ピリピリしてますね」
タクト「有事だからな」
〜〜〜エッジ工房〜〜〜
エッジ「な…何を考えてんだ兄さん…ウランの濃縮とか」
ウラン238の中に含まれてる0.1%以下の確率で含まれてるウラン235を遠心力で取り出す方法と、精密な爆縮レンズを作る設計図と濃縮によって残ったウランをウラン弾として活用する指示も盛り込まれてる…兄さんは本気だ…
タキ「師匠?どうしたんすか?またまたまたまた無茶な注文すか?」
エッジ「あ…いやさ…タキさ、もし一瞬で焼け野原にして何十万人も殺す兵器があったらどうする?」
タキ「え?それはちょっと、引くってレベルじゃ無いっすね、もし存在するなら全世界が平伏するっすね」
エッジ「君はそれを実行出来る?」
タキ「状況によりますけど、出来れば使いたく無いっす、え…マジでそんな兵器が作れるんすか?」
エッジ「理論上はね…」
タキ「凄いっすね」(キラキラ
目をキラキラさせてる(汗)この兵器がどんな悲劇をもたらすか想像も出来ないんだろう…
タキ「そうだ師匠、タクト侯爵が面会に来てますよ」
エッジ「ああ…そうでした、呼んでください」
タキ「どうぞ、お入りください」
コンコン
ガチャ…
タクト「邪魔するよ」
ツキノ「失礼します」
エッジ「どうしました?タクト侯爵」
タクト「首脳会談の帰りの途中で寄ったのさ」
エッジ「マルス様が何かやらかしましたか?」
タクト「いや…概ね我々の要求も通った、気になったのは、この資料にあるテラ温暖化について知りたい」
エッジ「あ〜なるほど、これは本当の話しですね、テラの気候システムはミランコビッチサイクルの恒星とテラの関係、大陸と海洋の配置、海流などいろいろのシステムが相互に関係して変動している繊細なシステムなので、となると現在の気温の上昇は二酸化炭素の排出でしか説明出来ませんから」
タクト「やっぱりブラフじゃ無いのか、では海水面の上昇は?」
エッジ「それはほぼ起きないですね」
タクト「どう言う事だ?」
エッジ「南極大陸にある氷は冷たい海流に閉ざされて溶けませんから、北極は大陸では無いので溶けても問題ありません、例えばビールジョッキに氷をいっぱい入れて水を注いで、氷が溶けてもジョッキから水は溢れませんから」
タクト「なるほどね…」
エッジ「でも、考え様によれば、二酸化炭素の排出を減らすだけですので、恒星の位置を変えろとか、テラの地軸の傾きを変えろとか、プレートテクトニクスを止めろとか、人間の限界を超える事をしないと温暖化が止まらない訳じゃ無いので」
タクト「確かに…しかし何でまたこのタイミングで規制とか」
兄は確か地球温暖化は信じて無かったハズだけど、政治利用か何かかな…
ツキノ「そうですね…」
タクト「排ガス規制の研究なんて、やってられんぜ、こっちは後進国なんだし」
エッジ「排ガス規制を無視して大気汚染で少々の犠牲には目を瞑り国民全体の利益を考えるか、難しい判断ですね」
タクト「ただの足枷だ、水質にも規制とか」
ツキノ「国民の安全保障は国がするしか無いでしょう」
エッジ「安全保障は儲からないので、国がするしか無いですね、排ガスや水質の基礎研究くらいなら、協力出来ますよ」
ツキノ「ありがとうございます」
エッジ「いえいえ」
転生前にSDGsとかあったけど、安全保障が全く無いのが問題なんだよね、国が安全保障をしないと四日市ぜんそくや、イタイイタイ病や水俣病とか、この世界でも後々問題になったりするだろう
それより核兵器の開発だ…ついにと言うか…兄の意図を知りたい
〜〜〜マルクス王城〜〜〜
わし「聖カトレイア沖の艦隊は引いて行ったか」
ホウトク「そうみたいだね、聖カトレイア国に引き上げたね、我が国の艦隊も順次引き上げてます」
わし「お互いに未知数過ぎて雌雄は決さずか」
ホウトク「旦那にしては慎重だね?勝算はあったんでしょう?」
わし「いや…兵器と練度と運次第じゃ」
ホウトク「運とか旦那に似合わない言葉だね」
わし「それだけ自信が無いって事じゃな」
ホウトク「レガシイ大帝国とアルビア国も、何やら動きがあるとか」
わし「完全に囲まれてるな」(笑)
ホウトク「どうすんの?」
わし「人間の限界を知ってるか?」
ホウトク「限界ですか?」
わし「3の法則がある」
ホウトク「3の法則??」
わし「人間は3分間、酸素の供給が止まれば活動停止して死ぬ、人間は3日間、水を飲まなければ死ぬ、人間は30日間、ご飯を食べなければ死ぬ」
ホウトク「まさか…酸素を止める方法があるとか?」
わし「燃焼爆弾を使えば可能じゃが、局地的な効果しかない、最も効果的なのは水じゃな」
ホウトク「ほう…水ですか…」
わし「レガシイ大帝国の北100キロ地点に4000m級の大きな山々がある、ここを押さえる、ここはアトラス大陸全土に流れる一級河川が4つもある、聖カトレイアやレガシイ大帝国に旧ウゴン王国にも流れてる」
ホウトク「まさか毒でも流すんです?」
わし「そんな過激な事はせんよ、そこを押さえてダムをガンガン建設する」
ホウトク「な…なるほど…武装蜂起した瞬間に水を止めるという事ですか…」
わし「3日で武装解除じゃ」(笑)
覇権国家の中国が、なーんもないチベット自治区を占領している理由、それはエベレストからの雪解けの水が貯まるチベットは世界の貯水塔と言われてる、ここから流れる水を押さえるのはめちゃくちゃ重要
わし「レガシイ大帝国の山脈の麓を占領しよう、ぱっと見は戦略的価値も無いし、向こうも意図が分からんじゃろ、動くなら今じゃ」
ホウトク「分かりました、しかし刺激しませんかね?」
わし「ダム建設の水力発電で電力を供給すると言う案をレガシイ大帝国に打診じゃな、無視したら、侵攻じゃ」
ホウトク「ついに侵略国家の仲間入りだね」
わし「安全保障上、仕方ねー」
ホウトク「早速手配します、時が惜しいですからね」
わし「うむ…」
次回に続く…
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