第133話 わし お互いに警戒する

  〜〜〜聖カトレイア国 港〜〜〜


デモクリト枢機卿「ようこそおいで下さいました、助かります」


ネルソン海軍提督「いえいえ、同盟国として当然です」


デモクリト「感染症の調査はどうでした?」


ネルソン「直ちにマルクス王国からの輸入を止めた方が良いですね」


デモクリト「と…言いますと?」


ネルソン「感染症対策班が調べた所、マルクス王国から入ってくる綿製品に病原菌が混入されてますね」


デモクリト「ななな…なんと…やはりおかしいと思ってました」


ネルソン「この簡易検査薬も嘘ですね、普通の検査だと感度と特異度とCT値と言うのがありまして、この検査薬はアルカリ性か酸性かを調べるだけの嘘検査薬です」


CT値をイジれば、いくらでも感染者を増やせますが…


デモクリト「では薬も嘘ですか!!」


ネルソン「いえ…効く薬もあれば効果の薄い薬もあると報告がありますね」


デモクリト「で…では…ユリの根は…」


ネルソン「それは完全に迷信です」


これを考えたマルスとやらは天才ですね…


デモクリト「もう許せん!!アガラス連邦の大艦隊をもってマルクス王国を直ちに叩き潰しましょう」


ネルソン「そうですね、マルクス王国は全人類の敵です、エイジア地方にある野蛮人の国とも協力してますし、野蛮人には我がアガラス連邦も手を焼いてます」


デモクリト「我々もレガシィ大帝国と連携を取り陸でも叩き潰してくれます」


ネルソン「しかし今回は最新兵器の空母の演習で来てますから、もう少し先になりますね、とりあえずは、ちゃんと効く薬をアガラス連邦から輸出します」


デモクリト「そうですか…分かりました、あの糞悪魔王子が死ねば、世界は平和になります、金銀の流出が止まらず聖カトレイア国の国庫も後2年持つかどうかだったので助かります」


ネルソン「必ずやマルクス王国を屈服させアトラス大陸に平和を約束します」


しかし不思議ですね、マルクス王国は科学技術や工業力も高いのに植民地や属国を増やさないとは…



   ウウウゥゥゥウウウウーーー!!



ネルソン「何事ですか?」


デモクリト「どうしましたか?」


ネルソン「戦艦や空母の早期警戒レーダーに何か引っ掛かったと思いますが、きっと誤報だと思います」


       ザザッ!!


オリバー大佐「報告します!!ネルソン海軍提督!!戦艦からの早期警戒レーダー網でマルクス王国方面から航空部隊が接近して来てます」


ネルソン「え?ほんとですか、マルクス王国には航空機があるんですか?誤報では?」


オリバー「いえ…戦艦も空母も同じレーダー反応を示してます、おそらく10機ほど」


ネルソン「では、今すぐ空母から艦上戦闘機を発艦させなさい、良いですか!!これは演習ではありません!!」


オリバー「はは!!」


デモクリト「し…失礼ですが何が起こってるんですか?」


ネルソン「我が国の最新兵器をマルクス王国も持ってるみたいです」


デモクリト「最新兵器ですか?噂の沈む船ではなくて?」


ネルソン「空を飛ぶ兵器ですね」


デモクリト「そ!!空ですか!!」


まさか航空機を開発してるとは…今後は戦艦や重巡洋艦に対空兵器が必要ですね



  ブォォォォォォオオォォォォン…



ネルソン「あちらが新兵器です」


デモクリト「おお!!素晴らしい!!物凄い数ですね」


しかし…空を飛ぶ兵器とは…あの糞悪魔王子も危険だが、このアガラス連邦も危険なのかもしれん


スチャ…


ネルソン「マルクス王国の航空部隊が雲の合間から微かに見えますね…3…6…10機ほどですか」


デモクリト「我々も逃げた方がよろしいのでは?」


ネルソン「いえ…敵兵器の性能の確認は必要です、デモクリト枢機卿は、どうぞお逃げ下さい…」


デモクリト「いや…しかし…」


ネルソン「むむ…素晴らしい運動性能と加速ですね…逃げて行きますが…偵察が主任務?うーーーん…」


デモクリト「マルクス王国は逃げて行きましたか?」


ネルソン「その様ですね…」


オリバー「報告します!!今度はレーダーに聖カトレイア国とマルクス王国の国境海域にマルクス王国の艦隊が現れました」


ネルソン「それで?」


オリバー「マルクス王国艦隊は同海域に停泊してます、どうしますか?全艦出撃させて実戦演習でもしますか?」


ネルソン「……いや…止めとこう、嫌な予感がする、第二種戦闘配置のまま、戦艦と重巡洋艦は聖カトレイア沖に展開して下さい」


オリバー「分かりました、確かに不気味ですね…まさか航空部隊もあるとは意外です」


ネルソン「という事で、デモクリト枢機卿、マルクス王国からの輸入は禁止にした方が良いでしょう、足りない物資は我が国から買うと良いでしょう、海賊も来れない様に巡洋艦や潜水艦を配置しておきます」


デモクリト「分かりました、感謝致します」


結局…マルクス王国からアガラス連邦に変わっただけなのか?病気を撒かれるよりはマシだが


ネルソン「とりあえず旗艦に戻り、作戦会議をしましょう」


オリバー「はは!!」



次回に続く…

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