第130話 わし 首脳会談


    〜〜〜応接室〜〜〜


タクト「初めましてマルス王子」


わし「お主がタクト侯爵か噂はよく聞く、まぁ座れ」


タクト「いえ…このままで大丈夫です」


わし「そうか」


見た目は完全にチンピラじゃな…


ツキノ「お久しぶりです」


わし「2年振りくらいか、どうだ?国政には慣れたか?」


ツキノ「まだまだでございますが、順調に都市開発や行政サービスの拡充は出来ております」


わし「それは良い事じゃな、最近は都市部や工業地帯で大気汚染が進んでおる、お互いに国境を接してるので有害な物質が大気に流れない様に注意しないとな」


ツキノ「はい、ちゃんと大気中の成分を調べて、都市開発をしております」


わし「そうか、これからはテラ温暖化に注意じゃな」


ツキノ「テラ温暖化ですか?」


わし「車や工場から排出される二酸化炭素が増えると、温室効果で地球が温暖化するのじゃ」


ツキノ「そうなのですか?」


わし「そうじゃ、森は砂漠になり、生物の環境に取って良くない、わしは環境に優しいからな、それに極地の氷が溶けて海水面が上昇する、二酸化炭素は温室効果ガスとも言われてる、最近の研究資料を渡す」


ツキノ「分かりました、二酸化炭素の排出量を減らす研究や開発をします」


わし「うむ、あと車に関してだが、超高級車は、マルクス王国の専売で一般大衆車は、お互いの国で切磋琢磨させて行こうと思うがどうじゃ?」


ツキノ「技術的に超高級車は作れませんから、問題ありません」


わし「ふむふむ、そうか…」


後ろに控えてるタクトは何も言わないのか…


ツキノ「ところでレガシィ大帝国がウゴン王国に侵攻した際にマルクス王国が接収した南側の土地をサンアンドムーン国に売ってくれませんか?」


わし「それは、何故じゃ?」


ツキノ「南の森を切り拓いて鉄道を敷設しておりまして、ゆくゆくは自動車を他国に輸出したいのですが、サンアンドムーン国には港がありませんので」


わし「うーむ…しかし国防的にその話しは保留じゃな、前向きに考えるが、レガシィ大帝国はどうじゃ?」


ツキノ「新型ペストで経済にも大ダメージが出ていて、しばらくは軍事行動は無理かと」


わし「そうか、今のうちに国力を高めるべきじゃな」


ツキノ「分かりました、ところで新型ペスト騒ぎはいつ終息するのでしょう?」


わし「感染症は3年かかると言われてるからな、あと1〜2年くらいだろう、被害が出てるのか?」


ツキノ「いえ…ほとんど出ていません」


わし「まぁ、まだ感染症対策は必要じゃな」


ツキノ「そうですね」


ま…コクシジオイデスは人から人へ感染しないがな


わし「ところで大型輸送機や大型爆撃機は完成したか?」


ツキノ「はい完成しました」


わし「では発注しとく、空港を作りお互いに発展して行こうでは無いか」


ツキノ「はい」


わし「ではこれで首脳会談は終わる」


ツキノ「分かりました、それでは失礼します」


タクト「失礼します」


バタン…


わし「ユウスイよ、タクトは人見知りなのか?」


ユウスイ「さぁ、でも人と関わらないタイプですね、何考えてるかよく分かりません」


わし「そうか…」


ユウスイ「ところで、テラ温暖化とは本当ですか?」


わし「嘘じゃな」


ユウスイ「え?」


わし「各地域の気温を調べてみたが、テラの平均気温は15度くらいじゃな、生物にとって理想的な惑星の環境で言えば、もう5度ほど気温が高い方が良い」


実際に入植する惑星の選定では地球の平均気温より5度ほど高く設定されている


ユウスイ「そうなのですか?」


わし「気温が上がれば、海水が蒸発し空気中の水分量が増えて、雨が多くなり、亜熱帯が増える、生物にとって理想的な環境じゃな、テラは寒いくらいじゃ」


恐竜の時代は、今より二酸化炭素量が倍だったからな、平均気温も6〜7度ほど高かった、しかし二酸化炭素も水も多ければ、森の成長も早く、被子植物も裸子植物も大繁栄しバランスが取れていた


ユウスイ「海水面が上昇するとかは?」


わし「多少はある50mは上昇するかもな」


恐竜の時代と違って南極大陸が出来た、南極大陸は冷たい海流で守られてるので氷河は溶けないだろう


ユウスイ「では何故嘘を?」


わし「ま…エコエコ詐欺で経済発展に歯止めをかけたり、利権を作ったり色々じゃな」


ユウスイ「エコエコ詐欺ですか」


わし「車や工場の排出ガスを規制して、無駄な開発をさせるとか、お前の所の車は環境に悪いとか色々と出来るだろ、我が国は完全スルーだが」


ユウスイ「なるほど!!」


わし「地球環境に良くないとか言えば、多くの人間は分からないから協力するじゃろ、有名な学者に適当な嘘統計を作らせて何度も発表させれば信じる」


ユウスイ「確かに…すぐ洗脳できますもんね」


わし「次はオゾン層の破壊が深刻だ!!詐欺をする」(笑)


ユウスイ「色々と考えますね」


わし「テラの気温を99.99%決定させてるのは恒星からのエネルギーじゃ、人間なぞゴミみたいなもんじゃな」


ユウスイ「確かに…そう言われればそうですね」


現在この星はミランコビッチサイクルからして間氷期かな、となると、これから氷河期が来るだろう、もしテラが過去の地球であれば地質調査して正しい年代を測定したいがな



  ウウウウウウーーーーーー!!!



けたたましく鳴り響くサイレン


わし「む?演習か?」


ユウスイ「いえ…今日は演習予定ありません、早期警戒網に何か引っかかったのでしょうか?」


マルクス衛兵「報告します!!我が国が保有してる聖カトレイア国港沖に軍艦が多数現れました」


ユウスイ「何?」


わし「噂のアガラス連邦か、海軍に連絡して艦隊を出せ、ユウスイ直ちに哨戒機や偵察機を飛ばせ」


ユウスイ「はは!!」


マルクス衛兵「はは!!」


そろそろと思ってたが、ボッコボコに叩いてくれるわwww



次回に続く…




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