第125話 わし 暗躍を看破されてる

    

    〜〜〜タクト州〜〜〜


    投票日まであと1週間


ミストリカ「ツキノ様、大人気ですよ!!飛ぶ鳥を落とす勢いとはこの事です」


ツキノ「少し順調すぎますね」


タクト「ペスト蔓延作戦で郵便投票で思っ切り不正選挙しそうだけどな」


ツキノ「ペスト蔓延作戦?どう言う事ですか?」


タクト「どうやら、他国のペスト騒ぎは、あの王子が仕掛けてるみたいだぞ」


ミストリカ「え?嘘でしょ…そんな事出来る訳ないじゃ無い」


タクト「物凄く緻密に練られてるな、ユリやマスクや簡易検査薬や薬とかな」


ミストリカ「証拠見せなさいよ!!」


タクト「お前いつ飯食った?」


ミストリカ「さっきだけど」


タクト「ほれ、この検査薬を舐めてみろ」


ミストリカ「ん……青から赤に変わったけど」


タクト「はい!!お前は新型ペストな、隔離施設へ行け!!病気がうつる」(笑)


ミストリカ「そんな訳無いでしょ!!バカじゃないの!!」


タクト「それが証拠だ…簡易テストとか言って、どうやら酸性かどうかで変わる」


ミストリカ「こ…この検査は嘘だとしても、実際に有名な人とか亡くなってるじゃない」


タクト「たぶん2種類用意してる、有名人と一般人の死亡率や重症率が大きく剥離してるからな」


ミストリカ「この前も昨日もレガシィ大帝国で有名な人が感染して苦しかったって記事がでてたけど」


タクト「レガシィ大帝国は有名人だらけか、マルクス王国が金を握らせてるか、嘘の記事だな、少し調べれば分かる」


ミストリカ「そ…そう言われれば不自然ね…でもペストって悪魔の呪いなんでしょ?」


タクト「最近の著しい科学の進歩で明らかになって来てるが、新型ペストは、どうやら目に見えない生物かもな」


ミストリカ「なにそれ怖い…」


ツキノ「なるほど…それを使って巧みに恐怖を煽ってると」


タクト「まぁな、儲けた金でさらに恐怖を煽りボロクソ儲けてる、他国は軍事行動を起こせないしな、人から人に感染るかもしれないから」


ミストリカ「マジで悪魔じゃない…」


タクト「民衆は、恐慌状態で思考停止だな、マルクス王国の言いなりだ」(笑)


パサ…


ツキノ「コレは?」


タクト「薬だ、たぶん2種類の病気に効く」


ミストリカ「あんたって何でもアリね」


タクト「これを考えた奴はマジで天才だ、戦争の10倍儲かる、実際にそれだけマルクス王国は儲かってる」


ミストリカ「そんなに?」


タクト「仕掛けた方がめちゃくちゃ儲かって仕掛けられた方の経済は衰退するからな」


ツキノ「この選挙でも何か仕掛けてくると…」


タクト「さぁな?ただ国の場合はどんなに儲けても、インフレしてたら支出を増やせ無いのと、なんだかんだで新自民党に政権は取らせたい思惑はあるだろう、ただボロ勝ちは嫌なんだろうな」


ミストリカ「なんか微妙な立ち位置ね」


タクト「ツキノはマルス王子に会っただろ、俺はチラっとマルス自由都市で見ただけだ、喋った感じは、どんな印象だった?」


ツキノ「パッと見は優男です、目の奥からギラギラした強い野心…いや…強い好奇心ですか…超合理主義者で現実主義者って印象でしたね、とても年下に見えませんでした」


タクト「へぇ…気が合いそうだ」


ミストリカ「やってる事は似た様なもんね、完全に悪魔よ悪魔」


タクト「わははははは最高の褒め言葉だな」


ツキノ「超合理的で現実主義だと一般の人から見れば冷たく感じるでしょうね」


タクト「真面目で誠実な奴ほど搾取されるが、真面目で誠実な奴が報われる政治はしてるな」


ミストリカ「あんたと違って国民に大人気だもんね」


タクト「あの王子は国民の人気なんて糞だと思ってるぞ、ただ生存に有利だから仕方なくだろうな」


ミストリカ「どう言う事よ」


タクト「国民が経済的に強く無いと滅亡するからだ、貧しかったら、武装蜂起するし他国の侵略にも弱くなる、ウゴンなんちゃらがそれで滅亡したろ」


ミストリカ「ムキーーーー!!」


ツキノ「国民を経済的に豊かにしますが国民を賢くするのは間違ってますか?」


タクト「やめとけ、俺なら国際情勢とか関係無いなら国民に文字すら教えたく無い」


ツキノ「そうですか…」


タクト「反乱に繋がらず、技術に繋がる物理や科学や数学でも教えとけ、ま…マルクス王国を丸パクリすれば良い」


ミストリカ「あんた何でも丸パクリじゃない」


タクト「合理的に現実的に考えて最速だからだよ」


パッ


ミストリカ「ちょっと薬を返せ!!」


タクト「一つ良い事を教えてやろう、お前の年齢なら新型ペストにかかって死ぬ確率は、物を喉に詰まらせて死ぬ確率と一緒くらいだ」


ミストリカ「え?そうなの??全身が真っ赤になって、呼吸困難になって死ぬって聞いたけど」


タクト「年寄りとか元々体の弱い奴はな」(笑)


ミストリカ「え…でも怖いし…薬があるなら薬が欲しいし…」


ツキノ「うふふふ…恐怖とは根深いですね、合理的で現実的に考えられなくなる」


タクト「だろ…このビジネスの凄いところだ新しい戦争の形とも言える」


ツキノ「わたくしは物が喉に詰まって死ぬ確率ですので、薬はミストリカにあげます」


パサ


ミストリカ「要りません!!」


タクト「わははははははは」


ミストリカ「お前に笑われると本当に腹立つ」



   〜〜〜マルクス王国〜〜〜



ユウスイ「マルス様すいません、選挙は思ったより苦戦してます」


わし「まぁ良い…苦戦は予想してた通りじゃ、最大野党になれれば問題ない議席の1/3を取れれば良いしな」


ユウスイ「それを聞いて安心しましたが…まさか、あそこまで聡明だと困りますよ」


わし「はははははは…わしもびっくりじゃ」


日本の様に凄まじい高度経済成長されると困るがな、コントロール不能になればバブルを人為的に起こして低迷させる裏技もある…本音を言えば完全にコントロールしたいが…不思議と期待してしまう部分もある


わし「そう言えば、ユウスイはタクト侯爵と知り合いじゃったな」


ユウスイ「はい…1年ほどマルクス大学校で一緒に政治経済を学んでました、私は途中で人間工学と機械工学に興味が出て工科大学校に編入しましたが」


わし「どんな奴じゃ?」


ユウスイ「ギラギラした目で超合理主義者で現実主義者って印象でしたね、とても同じ歳に見えませんでした」


わし「へぇ…気が合いそうじゃ」


ユウスイ「いやいや…マルス様と違って粗暴で何考えてるか分からない奴です」


わし「へぇ…」


わしも似た様なもんじゃけど…


わし「ところでユウスイ、選挙で負けたら、副代表のガリアに愛国党を任せてこの国に帰って来い、パワーアシストスーツを作る」


ユウスイ「パワーアシストスーツですか?」


わし「そうじゃ、軽くて丈夫な素材で電導率もトップクラスに良い新素材が出来るかもしれん」


ユウスイ「それは凄いですね、駆動部分はどうするんですか?」


わし「カーボンナノチューブに電圧を掛けて伸縮させる人工筋肉を作る」


ユウスイ「カーボンナノチューブ?」


わし「それが新素材じゃ」


ユウスイ「なるほど、動力源はどうするんですか?二次電池と言っても大型バッテリーになりますよ」


わし「リチウムイオン電池を開発してそれを動力源とする」


ユウスイ「リチウムですか?イオン化は最大ですが不安定なので発火したりしますよ」


わし「コバルトと酸素とリチウムの化合物でコバルト酸リチウムを作れば安定する」


ユウスイ「本当ですか!!そんな研究論文は見た事無いですが…」


わし「とりあえずは、女性が建設現場で活躍出来るレベルの物を開発する」


ユウスイ「分かりました」


わし「後は空軍大将のポストが空いてる、どうじゃ」


ユウスイ「あ…ありがたい話しですが、良いのですか?何も実績を残してませんが」


わし「わははははは、選挙で十分健闘しておるわ」


ユウスイ「はは!!とりあえずは一つでも議席数を伸ばして見せます!!」


わし「うむうむ…」


くくくくく…機動戦士マンダムをリアルで作ってやる…


次回に続く…

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