第121話 わし 100倍返しを考える

   

   〜〜〜リバティ港湾都市〜〜〜


   ワーーーーーーー!!


     ワーーーーーーー!!


「マルス様ーーー!!おかえりなさい」


「あれ?少し戦艦が傾いてる?」


「本当だ…何かあったのかな?」


   ワーーーーーーー!!


    ざわざわ…ざわざわ…



ふう…やっと着いたか、肝を冷やしたわ、あと2発ほど魚雷を喰らってたら沈没コースじゃったな、全艦無事に帰投出来てとりあえずは一安心じゃ


100倍返ししてやる…


ヴィクトリア「マルス様!!見て下さい零戦が10機ほどありますよ!!」


整然と並ぶ零戦が倉庫に移動する為に並んでる


わし「おお…んんん??」


バブルキャノピーに、遠くてハッキリとは分からんが層流翼か?…ちょっと前衛的過ぎるぞ…


わし「零戦のカタログスペックはあるか?」


アルバート「手元にはありませんが、マルス自由都市にあるエッジ重工か王都に戻れば分かると思います、港にいる航空技術者を探して来ましょうか?」


わし「いや…まぁ良い…」


わしの要求したスペックは零戦の性能の半分ほどじゃが…それでも技術力から考えれば無茶な要求だ…野生の設計技師のシュミュードでもいるのか?


ドイツ系ユダヤ人のシュミュードがアメリカの傑作機のP-51Dを作った男じゃ…驚くべきは、シュミュードは、航空力学や航空エンジンを、ほぼ独学で勉強したと言う…いつの時代も変態っている


アリア「マ…マルス様…」ガクガクガク…


わし「なんじゃ?」


アリア「股が痛くて歩けません」


わし「はぁ…アルバート、ヴィクトリア!!肩を貸してやれ」


ヴィクトリア「はは!!アリア大尉、大丈夫ですか?」


アリア「すっごい痛いし!!想像と全然違ってた…」


ヴィクトリア「//////////」(赤面)



カザハヤ「帰るうち、ホームがあるという事実は幸せにつながる、よいことだよ」


アリー「笑えばいいと思うよ」


まだ…やってるよ…


わし「おおアリーにカザハヤ、囮役ご苦労だった、助かったぞ」


カザハヤ「英雄カザハヤ、また勲章が増えちゃったな、しかし船が潜るとはね、どうすんの?これから?」


わし「そうじゃな、新しいソナーを開発する旗艦マルクスⅢ世にはQCソナーはある、とりあえずコレを全艦標準装備にする、現在の性能は速度5ノットで3324メートル、速度15ノットで1760メートル探知可能だが、このソナーの性能を大幅に上げる」


カザハヤ「空母の訓練はどうすんの?あんなの来たら沈められちゃうよ」


わし「東部に大きな湖がある、そこで空母を実際に浮かべて航空機の離陸と着艦の練習をする」


実際に第二次世界大戦の時にアメリカ軍がやってたしな


カザハヤ「どうやって戦うんだい?今のところ逃げるしか無いけど」


わし「ヘッジホッグと言う兵器を開発する、爆雷って兵器もな、ソナーで場所や深度を探知して零戦や駆逐艦で絨毯爆撃じゃな」


カザハヤ「なるほどね…攻撃されて思い付いたのかい?」


わし「ま…まぁな…」


本当は歴史を知ってるだけじゃが…


カザハヤ「時が来たね… 生きていくためには、新しいことを始める変化も大切だ」


わし「………。」


多重人格かよ…


アリー「でも、この国までは遠くて航行出来ないんじゃ無いですか?永遠に航行出来る訳じゃないですよね」


わし「まぁそうじゃな、補給艦とかあれば別じゃがな」


アリー「しかし脅威には変わり無いですね」


わし「そう言えば、奴隷解放されたじゃろ、どうなった?」


アリー「花形の海軍に殺到してるみたいですよ、給料が良いって理由が多いですが」


わし「そうか、これが訓練指示書じゃ、とりあえず空軍は海軍と統合しとく」


ペラ…ペラ…ペラ…


アリー「え?パイロット育成に3ヵ月ですか??ちょと無茶過ぎませんか?」


わし「初等練習機も基本練習機も高等練習機も零戦で統一してる、総飛行時間が120時間で訓練終了し哨戒任務に従事させ実戦経験を積ませる」


アリー「めちゃくちゃ…合理的ですね」


わし「計器類やコックピットも基本的に変えず統一する、新型が出来ても、すぐ乗り換え出来るじゃろ、あとは爆撃手、無線手、射手、航法手の育成方法も書いてる」


アリー「了解です」


わし「飛行場兼訓練施設を4つは作る、もう着工しとるしな」


アリー「本気ですね」(笑)


わし「ボッコボコにする、と言うか、敵側に潜水艦が揃えば、輸出も輸入も出来なくなるからな、経済が停滞する」


アリア「マルス様…立ってるのもシンドイです」


わし「ヴィクトリア…このバカを車椅子に乗せろ」


ヴィクトリア「了解です」


カザハヤ「アリアの嬢ちゃんどうしたの?潜水艦の攻撃で腰でも強打した?」


アリア「でっへへへへへへへへ!!」


カザハヤ「???」


わし「もう行くぞ」


アルバート「はは!!」


アリア「ま…待ってくださ〜い」



 〜〜〜サンアンドムーン軍駐屯地〜〜〜



ホウトク「しっかしヒマだね〜」


カイン「軍人がヒマって事は平和って事です」


ホウトク「サンアンドムーン国の軍人育成はどんな感じ?」


カイン「まぁボチボチですね、海が無いので陸軍主体で1万人ほどです」


ホウトク「奴隷解放されて、5万人も兵が増えたから、これから忙しくなるね」


カイン「貴族出身の上官が多いので、奴隷達との確執が起こらない様に注意が必要ですがね」


ホウトク「大丈夫でしょ、王子の側近中の側近がアリアちゃんだし」


カイン「元奴隷と言う言葉が誇らしくなるくらい地位向上してますからね」


通信兵「報告します!!マルス様乗艦の旗艦マルクスⅢ世が国籍不明艦に攻撃された模様です」


カイン「な!!」


ホウトク「それで!?」


通信兵「マルクスⅢ世は小破した模様で先程、全艦リバティ港湾都市に帰港したと報告がありました」


カイン「そうか…」


ホウトク「あの艦隊に攻撃出来るって、またキナ臭い感じかな」


カイン「極西にある噂のアガラス連邦ですかね?」


ホウトク「マルクス王国包囲網もあるし、一時の平和かもね〜」


カイン「軍人が忙しくなるのも、因果なもんです」


ホウトク「軍人が歴史に名を残す時は、人知れず民が苦しんでるって事ですな」


カイン「そうならない様に国防に努めましょう」


次回に続く…


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