第119話 わし クラーケンに襲われる?
〜〜〜首脳会談〜〜〜
道中何事も無く首脳会談の場所に到着した
ヤマト国が治めてる版図は南はフィリピンから台湾、日本、あと香港から中国大陸の東側と超大国だった…レガシィ大帝国より広大じゃ無いか…
首脳会談の場所はフィリピンだ
アッサーダ王「ご足労頂きありがとうございます…ゴホッ」
ヤマト国の王か…額が大きく体格も良く金髪で碧眼だ、ネアンデルタール人の特徴を有してる
わし「いえいえ、同盟国として当然です」
アッサーダ王「マルクス王国は海軍も陸軍も強いと聞く、心強い限りです…ゴホゴホ!!わしが引退したらサマルがヤマト国を継ぐので末長く仲良くしたいものですな」
わし「長子が継がないのですか?」
アッサーダ王「我が国は末っ子が継ぐのが慣わしです」
モンゴル帝国みたいだな…
わし「そうですか、サマル王子は聡明で良き主君になると思います、友人として同盟国としても嬉しい限りです」
アッサーダ王「でだ…ゴホッゴホ…地図を持ってまいれ…ゴホ…」
「ははっ!!」
病気か?…気になるな…肺結核か?
現在でも日本は肺結核で死亡する確率が先進国中でも高い水準にある、これは日本が、諸外国と比べて湿気が多く、結核になりやすい気候条件であることが最大の理由だ
抗菌剤のストレプトマイシンはあるが単体で投与すると結核菌が薬剤耐性獲得の可能性があるからな…悩む所だ…
アッサーダ王「ここにある九龍島にアガラス連邦がアヘンを売り付けててな、アヘンを禁輸にしたら…ゴホ…ここら一帯を海上封鎖してきた」
香港島が九龍島になってる
まんまアヘン戦争の香港じゃ無いか…
わし「戦争ですか?」
アッサーダ王「陸は何とかなるが、海軍はまだまだ脆弱でな…」
わし「同盟条約通り、この海域に艦隊を派遣しますよ」
アッサーダ王「おお!!まことか!!有難い」
わし「駆逐艦や戦艦の技術提供もします、その代わり石油や鉄鉱石などの輸出を今まで通りお願いします、それにガスや油田も共同開発したいくらいです」
アッサーダ王「おお…もちろんじゃ」
どこに油田があるか知ってるしな…それに海上封鎖され石油の輸入量が減れば我が国も困る
その後は色々と細かい取り決めや条約を少し修正し、首脳会談は終わる
どうやらヤマト国の人間は遠い昔、遥か西から来たとの事、人種的な特徴からしてネアンデルタール人で間違い無いだろう、転生前の世界ではネアンデルタール人は中東からアジアに進出したと言う歴史的証拠は無いが、並行世界で無ければ、今後見つかるやも知れんな…
♢
わし「すいません、国内の事がまだ片付いて無いので、マルクス王国に帰ります、あと肺を患っておいでの様で我が国の薬を渡しておきます」
アッサーダ王「何から何までありがとうございます…ところで最近この海域や九龍島にクラーケンが出ると噂されてましてな注意して帰国してください…ゴホッ…」
わし「はははははは…クラーケンですか、生捕にして刺身にしますよ」
アッサーダ王「うっしししししし」
わし「では失礼します」
ネアンデルタール人の声帯は子音の発音が苦手と…メモメモ…
〜〜〜フィリピン沖海域〜〜〜
アリア「どうでした会談は?」
わし「まぁ…予想通りだ、お互いの国益になる良い会談じゃったな」
アリア「ヴィクトリア、マルス様にお茶を淹れて差し上げなさい」
ヴィクトリア「ははっ!!」
わし「おお…上官ぽいじゃ無いか」
アリア「えへへへ」
ヴィクトリア「お持ちしました」
わし「うむうむ…さて…今後の政策は」
ドオオォォォォォォオオオン!!!!
大きく船体が揺れる
アリア「きゃああ!!」
わし「あっつ!茶が溢れたぞ!何事だ!?」
ヴィクトリア「大丈夫ですか!マルス様!」
わし「軽い火傷だ…弾薬庫か?確認の為に艦橋にある戦闘指揮所(CIC)に行く!!」
アリア「ははっ!!ついて行きます」
ヴィクトリア「ははっ!!」
アリア「大きく揺れましたね…なにごとでしょうか?」
わし「分からんから、艦橋に行くのじゃ、ただ…氷山や環礁の可能性は無いな」
ドオオォォォオオオン!!
わし「うお!!」
また大きく船体が揺れ、手すりの部分に頭を強く打ちつけてしまう
わし「これは…ただごとでは無いぞ」
アリア「マ…マルス様!!額から血が出てます!!大丈夫ですか!!」
わし「はぁはぁ…擦り傷じゃ、お主らこそ大丈夫か?」
アリア「大丈夫です!!ヴィクトリア、マルス様の手当てを!!」
わし「かまわん!!時が惜しい」
〜〜〜艦橋司令室〜〜〜
わし「何事だ!!」
マルクス通信兵「はい!!今のところ原因不明であります!!レーダーに敵影もありません!!原因究明を急ぎます」
アリア「まさか…クラーケン?」
わし「それは無い、まさかとは思うがアクティブソナーの反応はどうじゃ?」
マルクス通信兵「あ!!今反応がありました!!しかしソナーだと敵は水中って事になります!!そんな事ありますか??」
アリア「やっぱりクラーケンですよ!!」
わし「違う潜水艦じゃ、我が国も開発してる丙種じゃ!!最大船速で離脱だ、敵潜水艦の位置情報を他の艦艇にも通信しろ」
マルクス通信兵「はは!!」
まさか潜水艦があるとはな…対潜兵器など無いから、これでは、ただの的じゃ…頭を打ったせいかクラクラして来たぞ…
アリア「まずい感じですか?」
わし「そうとうマズイな、今後の事を考えてアクティブソナーを搭載してて良かったわ」
アリア「水中の敵とかどうやって倒すんですか?」
わし「爆雷やヘッジホッグや対潜ミサイルじゃが、そんな兵器は無い!!だから逃げるぞ」
〜〜〜駆逐艦〜〜〜
カザハヤ「マルクスⅢ世が少し傾いてる…何が起こってる?」
アリー「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ…」
カザハヤ「エヴァゲリウムごっこは終わりだ、最大船速で離脱だってさ、南西に敵艦だってよ」
アリー「え?そうなんですか?レーダーには反応ありませんけど」
カザハヤ「しかし旗艦マルクスⅢ世から煙出てるし、攻撃を受けたのは間違い無いだろう」
アリー「水中からの攻撃って事ですかね?」
カザハヤ「考えにくいが普通に考えればそうだろう、マルクスⅢ世が離脱するまで囮になるか…敵艦の位置情報を常に通信してくれとマルクスⅢ世に通信してくれ」
アリー「了解です」
〜〜〜旗艦マルクスⅢ世〜〜〜
マルクス通信兵「カザハヤ大将から通信です、旗艦は同海域から離脱されたし、囮になるので敵艦の位置情報を逐次たのむ、との事です」
わし「敵は水中から攻撃してくる、魚雷の航跡が見えるから、上手いこと避けろと言っておけ!!あと…無理はするなともな」
マルクス通信兵「はは!!」
航跡が見えない酸素魚雷じゃ無い事を祈るがな…
アルバート「マルス様!!ここに居ましたか!!け…怪我をしてるではありませんか」
わし「大事無い、アクティブソナーから敵影は消えたか!?」
マルクス通信兵「いえ…しかし遠ざかっております」
わし「ふう…わしは労災認定確定じゃな」(笑)
アリア「ささ!!手当をしましょう!!」
わし「うむ…夜間航行で最速でリバティ港湾都市に帰投する、これも伝えておけ」
マルクス通信兵「はは!!」
まさか…潜水艦があるとはな…潜水艦の歴史は蒸気船より古い1614年大坂冬の陣において、徳川方の九鬼水軍が盲船を使ったと言う記述が最古だったりする
たぶんアガラス連邦の潜水艦じゃろう…科学技術はずいぶんと進んでるやも知れん…レーダーやソナーが無ければ、クラーケンの仕業と思うじゃろうな…
む?…意識が遠のく…わし…運動不足?
ガク…
アリア「いや!!マルス様!マルス様!!」
アルバート「今すぐ医務室にお運びしろ!!」
次回に続く…
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