第108話 わし 繊維革命と死生観
〜〜〜クラレ小都市〜〜〜
カレン「見えて来ましたわ」
ジアンビ「クラレ小都市です、クラレ男爵様が治めてる小都市ですね」
「ようこそマルス様ーーーー!!」
「マジ卍!!マジ卍!!マジ卍!!マジ卍!!マジ卍!!マジ卍!!マジ卍!!マジ卍!!マジ卍!!」
クラレ小都市長官「マルス様…この度は良く来てくれましたね…」
わし「どうした?何かあったか?暗いぞお主?」
クラレ「いえ…そうですか、すいません」
わし「ふ〜〜む…よくある小都市って感じだな、主な産業は何か無いのか?」
クラレ「いえ…特に…パドロ駅都市に経済依存してますね…隣の小都市も似たような感じです…小さな繊維工場や小規模の小麦の加工工場や、米の輸送業とかですね…」
根暗かコイツは
ジアンビ「何かありますか?」
わし「あるにはある、タール池の油田や輸入した石油の石油精製場も近くにあるからな、石油を使った人工の皮革(ひかく)や化学繊維の工場じゃな」
ジアンビ「え?石油からそんなのが作れるんですか?」
わし「うむ…人工皮革は海島型と呼ばれる異種ポリマーの組合せでマイクロファイバーを作る製法があって非常に細いマイクロファイバーを安定的に生産できるようになる、まず人工皮革からじゃな」
ジアンビ「売れますか?」
わし「人工皮革は天然皮革に比べて軽量性、耐久性、手入れしやすい、染色がしやすいなどのメリットがある、まずはサッカーシューズとサッカーボールを生産しよう」
ジアンビ「良いですね!!国技に使用するなら売れ行き間違い無い」
わし「後は隣の小都市ではジーンズを作るか」
ジアンビ「じーんず?」
わし「超丈夫な作業着じゃな、炭鉱夫に人気が出るが、若者にも親しまれる様になる」
ジアンビ「そうなんですね」
わし「逆にするがな、若者人気から作業着へ、作業着から若者となると、とっつきにくいからな」
大工の作業着を街で若者が全員着てる感覚だからな…払拭するには、色々とプロパガンダが必要じゃ、キムタクが大工の格好した映画とかか…
キムタク「ちょ…待てよ!!」
両手にノコギリとカナヅチ……売れんな…
アメリカなら1953年の映画『乱暴者』マーロン・ブランドがLevi's 501XXを、1955年の映画『理由なき反抗』でジェームズ・ディーンがLee RIDERS 101を着用してたのを見た若者が影響を受けたのがきっかけじゃ
ジアンビ「では、科学繊維や繊維の街として計画書を作りますね」
わし「うむ…エッジ電子機械にも、化学繊維を作れる機械の研究開発の依頼じゃな」
繊維の街…まんま、わしの故郷の岡山じゃな
クラレ「あ…ありがとうございます…」
わし「よし、今日はここで泊まりじゃ」
〜〜〜小都市 屋敷〜〜〜
アリア「マルス様、そろそろ寝た方が」
わし「先に寝ろ、ラコール国との属国同盟が複雑でな、国家構想をもう少し練ってから寝る」
アリア「ラコール国?どう言う事ですか?」
わし「マルクス王国はサンアンドムーン国もラコール国とも同盟を結んでる状態じゃ、この先この2国は必ずモメる」
アリア「確かに…」
わし「同盟=国として認めたも同然だからな、有利な条件だったから、つい同盟を結んでしまったが、国内も世界情勢もずいぶんと変わって来たから、国家構想を一から練り直さないとな」
コンコン
アリア「誰ですか?こんな夜更けに」
クラレ「クラレです」
わし「入れ」
クラレ「夜更けにすいません、どうしても話さないと行けない事がありまして…」
わし「なんじゃ?」
クラレ「すいません…すいません…」
その場で泣き崩れるクラレ、事態が飲み込めない
わし「全然話しが見えん」
クラレ「マルカス様を裏切ったのは私です、マルス様がずいぶんと慕ってた兄の事です」
わし「過去は変えれん、気に病むな」
クラレ「しかし…」
わし「その様子じゃと、裏切りたくて裏切った訳じゃないだろう、わしも詳しくは知らんがな、興味ねーし」
クラレ「ヨミ様が私の娘を人質に取りマルカス様を呼べと脅されまして、私がマルカス様をこの街に呼びました」
わし「ほう…のこのこ行くとはマヌケじゃな」
クラレ「マルカス様は、全て知っててこの街に来ました」
わし「なら良いではないか、読みが浅かっただけじゃろ」
クラレ「私をお許しくださるのですか?」
わし「許すも何もマルカスとやらがマヌケだった話しじゃないか」
クラレ「まるで他人事ですね…」
マルカスとか知らんし
わし「それでお主の娘はどうなった?」
クラレ「娘のセレナは、この件で心を痛めて自殺しました…」
わし「救えん話しじゃな」
アリア「悲しい話しです」
クラレ「こちらがマルカス様が私に宛てた手紙になります」
ガサガサ…
わし「ふむ、やはり怨みなど無いでは無いか、気にするな、娘の事は気の毒だったな」
クラレ「よろしいのですか?」
わし「わしの死生観はじゃな、死んだ奴はそこら中にいるじゃ」
クラレ「どう言う事ですか?」
わし「死体を燃やせば科学反応で分解され、そこら中にいる質量保存の法則でな」
ラボアジェは燃焼とは物質が酸素と結びつくことであり、化学反応の前後で全体の質量は変化しないことを証明した、これが「質量保存の法則」である、化学反応の前後で全体の質量が変化しないということは、反応に関わった物が消えてしまったり、別の物が急に現れたりしないということである
クラレ「はぁ…」
わし「質量があると言う事は確実に物質として存在してる、目には見えないがな、だから気にするな」
アリア「なんか分かんないけど、存在してるとなると安心しますね」
わし「土葬の場合だと微生物の代謝による化学反応でウ○コになるがな」(笑)
アリア「いやぁぁぁぁ!!私は火葬でお願いします!!」
わし「わしは生物界に寄与するため、水葬か鳥葬もアリかなと思ってるがな」
アリア「えええぇぇぇマルス様はウ○コでも良いんですか?」
わし「どーでも良いじゃろ死んだ後なんて」
クラレ「ははははははは…何か元気が出て来ました、ありがとうございます」
わし「過去は変えれん、未来に生きろ、分かったな」
クラレ「はは!!」
バタン…
アリア「亡くなったお兄様もセレナ様も現在も存在してるって事ですね」
わし「まぁそうなるな」
アリア「目に見える方法で確認出来ないですかね?」
わし「だから子供を作り育てるんじゃろ、遺伝子レベルで考えれば永遠に生きれるからな」
アリア「いでんし?」
わし「自分の分身みたいなもんじゃろ子供は」
アリア「そうですね」
わし「その子供がさらに子供を産めば、自分は死んでも、自分の存在した証は永遠に生きてるだろ」
アリア「なるほど…では!!さっそく永遠を手に入れましょう!!」
わし「絶対そう言う話になると思った、もう寝るぞ」
アリア「そんなぁ…」
アリア「…18歳まで…あと少し…」
ぶつぶつぶつ…
うるせー…
次回に続く…
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