第107話 わし 海に行く

    

   〜〜〜聖カトレイア国〜〜〜



聖カトレイア衛兵「レガシィ大帝国から使者が来ました」


デモクリト枢機卿「何だと?うーーーむ…とりあえず会おう」


聖カトレイア衛兵「ははっ!では呼んで参ります」


     〜〜〜謁見室〜〜〜


ステファニー女王「御使者よ、要件とは?」


レガシィ大帝国使者「軍事同盟を結びたく」


デモクリト枢機卿「軍事同盟ですと?」


使者「はい…聖カトレイア国はマルクス王国の圧力外交に苦しめられてると聞きます」


デモクリト枢機卿「そ…それは…」


使者「マルクス王国の勢いは凄まじく、最新装備のラコール国の陸軍や海軍に完勝、このままでは数年で聖カトレイア国は属国か亡国になります」


デモクリト枢機卿「………。」


カスケード財務卿「同盟を組めば、圧力外交の緩和が出来るのでは?」


デモクリト枢機卿「対等な軍事同盟なのか?」


使者「もちろんでございます」


デモクリト枢機卿「いかがなさいますか?女王様、私はこの案に乗るべきかと」


ステファニー女王「良いでしょう、同盟を締結しましょう」


使者「ありがとうございます」



〜〜レガシィ大帝国 元ウゴン王国港湾〜〜



アルビア国衛兵「パテロン様、レガシィ大帝国の大臣から手紙が届いてます」


パテロン「ん?まさかもう出て行けと言うのでは無いだろうな?」


アルビア衛兵「さぁ?とりあえず、手紙を読んで見ては?」


パテロン「国交樹立に来たのだが、先読みされたかな?どれどれ…」


ガサガサ…


アルビア衛兵「しかし、レガシィ大帝国は国土も広く、陸軍の歩兵も多いので、侵攻は難しいですね」


パテロン「な!!??」わなわな…


アルビア衛兵「よしんば占領出来ても、治安維持は難しいでしょうね」


パテロン「おのれ…」ふるふるふる…


ドン!!


アルビア衛兵「どうされました?」


パテロン「やっぱりか!!海賊の仕業と言ってたが、やはり正規軍だったか!!」


アルビア衛兵「な!!まさか!?」


パテロン「レガシィ大帝国が同盟を打診して来た、マルクス王国包囲網を築くとな」


アルビア衛兵「しかし、あんな小国どうでも良く無いですか?」


パテロン「最近、近隣国と戦争したみたいだ、侵攻した国は我々の1世代前の戦艦や装備だが、マルクス王国は寡兵だが陸も海も完勝だったと」


アルビア衛兵「本当ですか!!??それは脅威ですね」


パテロン「とりあえず、国交樹立の良い理由が出来た、同盟を条件に国交樹立して、アガラス連邦にも報告しよう、くくくくく…マルクス王国め」


   〜〜〜マルクス王国〜〜〜


     ブロロロロロロ〜


わし「さて、リバティ港湾都市までドライブじゃな」


アリア「最近は自動車が増えましたね?」


カレン「私も買おうか悩んでますわ」


わし「まぁ便利じゃしな、そろそろちゃんとした免許制度を作るか」


ジアンビ「免許制度ですか?」


わし「今は交通量が少ないから簡単な講習にしてるが、このまま交通量が増えれば事故で万単位で人が死ぬ」


日本もピーク時に17000人は死んでたがな、今は3000人ほどか


アリア「そんなにですか?戦争並みですね」


わし「それに免許を更新制にすれば、国民をある程度管理出来るしな」


ジアンビ「管理ですか」


わし「どうじゃ?めちゃくちゃ管理されるか自由かどっちが良い?」


ジアンビ「やっぱりある程度の自由が良いですね」


カレン「私も」


アリア「マルス様になら、めちゃくちゃ管理されたいです」


わし「………。」


わし「管理と聞くとアレだが、悪い事も出来ないバリバリの監視社会はどうだ、至る所に監視する装置を置いて、犯罪を取り締まる感じじゃ」


ジアンビ「それは…ありかなと思いますね」


カレン「やはり為政者次第ですわね」


アリア「マルス様にならバリバリ監視されたいです」


わし「………。」


わし「ある程度の管理と監視社会は必要じゃ、スパイや今後テロリスト等も増えるかも知れんからな」


ジアンビ「てろりすと?ですか」


わし「わしがレガシィ大帝国で行ってる事じゃな、ペストをばら撒く作戦だったり、民主主義解放軍を組織したり、まぁ政治的目的を達成する為に、暴力等を使う事じゃ」


ジアンビ「な…なるほど」


わし「もちろん逆もあり得ると言う事じゃな」


ジアンビ「確かに…」


わし「余談じゃが、資本の企業経営手法としての「正の相互監視システム」と言うのがある」


ジアンビ「正の相互監視システムですか?」


わし「例えば社内各部門のプロジェクト・課題・進捗状況などをあえて公開・発表させ、更にお互いのチェック・意見交換で、部門間の競争を引き出し、迅速・多大・確実な業績を上げる手法じゃな」


ジアンビ「色々と使えそうですね、軍事や教育などにも」


わし「負の相互監視システムもある」


ジアンビ「負もあるんですか?」


わし「社内のヒト・モノ・カネの流れをあえてオープンにし、一個人に任せない手法じゃな横領等のヒューマンリスクが常にあるからな」


ジアンビ「なるほど…」


わし「経営者側は労働者に対して常に互いに「見られていること」を意識させ、組織内の不正・不利を抑止することが出来る」


ジアンビ「例えば?」


わし「労働者のタイムカード・勤務表・スケジュールの公開(各人のそれを互いに見られる状態にする)資材・備品を共有スペースに置く、外回りや出張を2人1組で行わせる、二列縦隊による行動とかじゃな」


ジアンビ「それも応用が効きそうですね」


わし「まぁ管理と監視は国防上重要じゃ、管理や監視社会を本能的に皆んな嫌がるが、何て事は無い、真面目に普通に生きとけば問題無いからな、管理も監視もされない社会で喜ぶのは悪人くらいじゃ」


カレン「なるほどですわ」


アリア「確かに…」


ジアンビ「勉強になります」


カレン「そろそろ、小都市に着きますよ、今回も地方創生ですか?」


わし「まぁそうじゃな…とにかくインフレを何とかしたい!!長期デフレの100倍マシじゃが」


ジアンビ「でも供給力を高めると、デフレになりますよね?」


わし「デフレは楽勝で解決出来るが、インフレを抑制するには、生産性向上やイノベーションや輸送の効率化や増税(市場の資金回収)とかだから、まぁ面倒くさい」


ジアンビ「地方創生には、噂のググレカス神の降臨ですね?」


わし「プ…プレッシャーを感じるぜ」



次回に続く…

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