第85話 わし 人類の無限について考える

   

   〜〜〜聖カトレイア国〜〜〜



デモクリト枢機卿「やはり無駄だったか…」


カスケード財務卿「禁輸に踏み切りましょう!!聖カトレイアの基本政策は鎖国ですし」


デモクリト「そうする様に仕向けてると思わないのか?」


カスケード「それは…しかしジリ貧ですよ?」


デモクリト「……この数年で立場が逆転したな」


ステファニー女王「如何しましたか?」


デモクリト「これはステファニー女王様…いや…マルクス王国との外交政策が暗礁に乗り上げてしまいまして…このまま行けば我が国は衰退して行く一方で、どうすれば良いか…」


カスケード「我々も紙幣を作れば良いのでは?」


ステファニー女王「紙より神を信仰するべきです」


カスケード「神を信仰しても腹は膨れませぬぞ!!」


デモクリト「控えろ!!カスケード大臣!!」


カスケード「うぐぅぅぅ…」


ステファニー女王「国民の信仰心には無限の可能性があります」


デモクリト「確かに、死をも恐れぬ信仰心は強いですが…」


ステファニー女王「では禁輸に踏み切りましょう」


デモクリト「し…しかし!!」


ステファニー女王「座して死を待つより良いでしょう」


デモクリト「ははっ…」


本当にこれで良いのか…



   〜〜〜東部軍事基地予定地〜〜〜



タクト「ミッフィーからの情報だとこの辺りだな」


ミストリカ「ちょっとちょっと!!さっさと進まないでよね?」


タクト「黙れバカ、見つかるだろ、何かやってるな…」


ミストリカ「バカって何よ!!バカって!!」


タクト「ツキノ…このバカを黙らせろ」


ツキノ「静かにミストリカ」


ミストリカ「キィィィィイイ!!」


タクト「何だアレは?何をやってるんだ?…エッジ…重工…」


ミストリカ「私にも見せなさいよ!!その双眼鏡を貸しなさい!!」


タクト「本当にうるさいなお前は…ほら」


ミストリカ「何あれ?トンボみたい、あとゴキブリみたいな奴もあるね」


タクト「表現の仕方で相手の知能が分かるな」


ミストリカ「ま…またバカにしたな!!」


タクト「ふーーん、エッジ重工業か…確か最近、平民から子爵に授爵した奴だな…調べてみるか」


ミストリカ「無視しないでよね!!あっ!!あっちの街道で荷馬車隊にいっぱい人が乗ってる、何やってんだろ?」


タクト「双眼鏡を返しな…えーーーと…あれは…ウゴン王国の難民達だな…新しく出来たサンアンドムーン国に強制送還されてるな」


ツキノ「………。」


ミストリカ「………。」


タクト「さて帰るか、とりあえず、この辺りの土地を買い占めるか」


ツキノ「私はやはりウゴン王国を再興したら良いのでしょうか?」


タクト「どれだけ背負えるかの覚悟の問題だろ」


ミストリカ「偉そうに!!ツキノ様がどんな思いかアンタには分からないでしょうね!!」


タクト「分かる必要無いだろ、ただの範囲だ、覚悟がミクロからマクロになるだけだ自分、家族、会社と範囲が広がればそれだけ問題は起きる、国民となると、数多くの問題が起きるだけだ、それを背負える覚悟があるかどうかの問題だ」


ミストリカ「か…簡単に言うわね!!」


ツキノ「ふふふふふふふ…」


タクト「じゃあ帰るぞ」


ミストリカ「労働基準法の違反よ!!休憩が無い」


タクト「置いてくぞ…じゃあな」


ミストリカ「ま…待ちなさいよ!!労働局に通報してやる!!」


タクト「勝手にしろ、また生活保護が待ってるだけだ」(笑)


ツキノ「ふふふふふふふ」


ミストリカ「ツ…ツキノ様まで!!バカにして…ひどい!!」



わし私室



カシム「不法入国が絶えませんね」


わし「まぁな…サンアンドムーン国も安定してないしな、分かりやすい目的目標が無ければ人は漠然とした不安を抱く、なかなか思い通りにはならんな、レガシィ大帝国は圧政だろうから戻りたくは無いだろうし、そろそろラコール国も難民問題で圧政を始めるぞ」


カシム「そうなのです?」


わし「社会主義なら、みんな平等に助けるんだぞ?供給が足りてれば良いが、足りないだろうから、全員平等に貧しくなる、不平不満が増えるからな、だから最近難民がこっちに増えたんだろ、サンアンドムーンなら食い物は粗末だが我が国の援助で供給が足りてるからな」


カシム「どうすれば良いんでしょうかね?」


わし「めちゃくちゃ簡単だが、難しいな」


カシム「どう言う事ですか?」


わし「限りなく無限を作るのよ」


カシム「はぁ…」


わし「例えば空気に金払うか?太陽の光を争って戦争が起きるか?」


カシム「た…確かに…」


わし「限りなく無限に近づくと、タダになるから争いが起こらない、それを目指すのじゃ、むちゃくちゃ簡単だけど難しいって事じゃな」


カシム「可能なのですか?」


わし「我々は地球の資源を利用し始めたばかりじゃな、それに60年くらいすれば宇宙に行くし」


カシム「そんなバカな…そこまで進みますか?」


わし「まぁデカい戦争すればな、戦争すればバカみたいに各国が金を突っ込んで切磋琢磨して技術革新が起こりまくる」


原子炉、電子レンジ、インターネット、コンピュータ、補償光学、ロケットと…あげたらキリがない


転生前だと月にあるヘリウム3で、核融合炉を作れば、ほぼ無限に近いエネルギーが手に入る、マイクロ波で供給するかな、変換効率が微妙だが無限だから問題ない、わしが独裁者なら国家総動員で核融合炉の開発と月を目指すがな


カシム「まだ空すら飛んで無いのに…不思議な感覚ですね」


わし「ま…大規模な戦争とかは、実にくだらんからな、大規模な戦争をしなければ、人類の宇宙への挑戦は100年後とかになるかもな」


カシム「戦争は嫌ですが宇宙とか魅力的ですね」



バン!!



「マルスさまぁん♡」


わし「うお!!何じゃお主!!何故ここに!?」


ロリー「お久しぶりですわ、ウフフフフフ…わたくし目覚めましたの!!真実の愛に!!」


め…面倒臭いぞこのパターン


わし「なぜ王都に居るんじゃ?」


ロリー「私14歳になりましてマルクス工科大学校に入りましたの、マルス様にとって超有用な人になる為にはどうすれば良いか考えたら科学者や技術者が良いと思いまして、如何かしら?」


上から?


わし「まぁ正解に近いかな…」


ロリー「エッジ様にもゴリ押しで弟子入りもしましたわ」


断れや…


わし「そうか、じゃあ技術や知識を高めろ」


ロリー「つれませんの…一つ質問してもよろしいかしら?」


上から?


わし「何じゃ?」


ロリー「もし、わたくしがエッジ様くらいの高い技術や能力を持って結婚を迫ったらどうしますの?」


わし「うーーーーーーーーーーむ……」


ロリー「悩む時点で、やっぱり脈ありですね、ではその技術を持ってレガシィ大帝国に亡命するって言ったらどうしますの?」


わし「殺す」


ロリー「ああぁぁぁああん♡ゾクゾクします、その冷たい目といい即答といい…」

ゾクゾク…


あ…やっぱ変態だ…コイツ


ロリー「では殺せない前提なら結婚しますか?」


わし「う……超考えるな…」


ロリー「ウフフフフ…それが答えですね、では勉強に励みます、失礼しますわ」



バン!!



カシム「超パワフルですね」


わし「無限のエネルギーを感じた…」


カシム「あははははは、愛は無限のエネルギーですか、確かに面白いですね」


わし「笑い事か、ま…無限の情熱とやらで、人類は戦争せずとも技術革新が出来るのかもな」



次回に続く…

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