第71話 わし 廃藩置県をする

バッカス砦


わし「んじゃみんな西部開拓地区まで行くぞー」


マルクス陸軍兵「おおおおおおおおお!!」


アダム辺境伯「マルス様!!お見送りしますぞ!!」


わし「おお、アダム辺境伯よ今回は世話になったな」


アダム辺境伯「いえいえ、家臣として当然です、ところで、ロリーが何かやらかしましたか?」


わし「あ…いや…まぁ本質の価値観を教えたんだが、キツイ言い方をしたかもな」


アダム辺境伯「そうですか、早くに母親を亡くしまして、甘やかして育ててしまいましたから」


わし「まぁ…まだ若い…民に尊敬され世の中に必要とされる人物になる様に頑張れと伝えておいてくれ」


アダム辺境伯「はは!!では道中お気をつけてお帰りください」


わし「うむ…また余裕が出来たら視察に来る」


アダム辺境伯「お待ちしております」


こうして、わしの西部遠征は一旦終わる




  〜〜〜マルクス王国 王都駅〜〜〜




住民「マルクス王国万歳ーーー!!」


住民「マルス王子様!!万歳ーーー!!」


住民「お帰りなさいませーーー!!」


わし「お?大王国の大王子じゃ無くなってるな」


王都の駅には、沢山の民衆が集まってる、マルクス王国が戦線を押し上げ、レガシィ大帝国を抑え込んでると連日新聞報道されている


車に乗り込み、騎馬部隊に警備されながら民衆に手を振り、王城へと向かう


まるでピエロだな…それもまた必要か



わし 私室


わし「ふぅ〜帰ったぞー」


カレン「おかえりなさいませ、あれ?アリアどうしました?目が腫れてますわ」


アリア「巨乳には分からない悩みです…」


カレン「何かありましたの?」


わし「ほっといてやれ、全くどうでも良い事に拘るなホント」


アリア「どうでも良くありません!!どうせ幼児体型です!!」


カレン「あら?まさか?」


わし「変な想像をするな」


トテ トテ トテ


コタロウ「くぅーーん」


カレン「まぁオオカミの子供ですか?」


わし「親なしでな、拾って育てる事にした」


カレン「よく懐いてますわね」


わし「まぁ動物の習性を利用すれば、大概いける、軍用オオカミにする為の訓練もする」


カレン「可愛いですわ」


わし「おお…唸らないな、コタロウは巨乳好きの女好きか」


アリア「わ…わたしだって唸られませんでした!!」


わし「じゃあただの女好きじゃな」(笑)




わし「それで海軍の方はどうなってる?」


カレン「あ!!そうですわ…それが…ウゴン王国港10海里で、港を封鎖していたアルビア国の戦艦とマルクス王国の戦艦が交戦してマルクス王国の戦艦がアルビア国の戦艦2隻を撃破したらしいですわ」


わし「はぁ?わし…知らんぞそんな事!?」


カレン「たった今、情報局から入った情報です」


わし「被害状況等を詳しく申せ」


カレン「それが詳細な情報はまだ入ってませんわ」


わし「うーーむ…この情報は詳細が分かるまで新聞局に流すな」


カレン「御意」


政府にとって都合の良い情報はバンバン流すが、都合の悪い情報は流さない、基本中の基本だ


しかし…何があったんじゃ、船速的に交戦せず逃げれるはずじゃが…帆船が狙われて仕方なくとかか?


不味いな…レガシィ大帝国とも極東とも事を構えるとなると、二正面作戦になる、戦力の分散は戦況の膠着と長期戦化に繋がり、単純な戦術の優劣ではなく国力差が物を言う


やはり情報革命を起こすしか無いな…それには能動素子だな供給された電力で増幅整流などの能動動作を行う素子だ、増幅回路と発振回路も作って、まずは真空管を作るか


現在の直流発電から交流発電にしたいから、オルタネーターも作らないとな…2極真空管のダイオードも開発しなければならないが…わしにそんな時間は無い!!


天才エッジ君に任せるしか無い(笑)


もうアイツは飛び級で子爵に叙勲しよう、その方が警備もしやすいし、技術者が脚光を浴びれば、技術者を目指す若者も増える


我が国は公爵 侯爵=辺境伯 伯爵 子爵 男爵 騎士爵の順だ



コンコン


カシム「カシムとアキナです」


わし「はいれ」


カシム「おかえりなさいませ」


アキナ「おかえりなさいませ」


わし「経済状況はどうだ?」


カシム「はい、東部開拓は順調です、関門建設も測量が終わり、順次建設開始されて行くでしょう、しかし西部は遅々と進んで無いですね」


わし「あれ?なんで?」


カシム「有力商人は何人か移住したのですが、有力貴族は所領を持ってるので、移動が難しいのかと」


わし「ふーーむ廃藩置県をするか…」


カシム「何ですかそれは?」


わし「いや所領を取り上げて、爵位のみにしようかなと」


カシム「そ…それは…流石に無理でしょう」


わし「いや統治権は与えるし給料も払う、統治に必要な経費(地方交付税交付金)も与える」


カシム「なんかややこしい感じですね」


わし「借金を抱えてる領主とか分かるか?」


アキナ「あ…それ調べています、まず地方貴族の殆どは負債を多く抱えてますね、王族系列の公爵家とヨミ侯爵一派の貴族は割と裕福です」


わし「ふむ…なら地方貴族や負債を抱えてる貴族に借金チャラにしてやるから所領を寄越せと言え、統治権に給与は爵位によってだが最大で年600万マルクス、(マルクス王国の平均年収110万)統治に必要な経費を毎年予算提出させ、国が精査して支給するよう伝えよ、西部に移住したら200万マルクス増額してやる、累進課税も低いから、流石に移り住むだろう、ぶっちゃけどこに住んでも政務何て出来るからな」


国会議員とか選挙の時しか地元に帰らんし


カシム「なるほど…それなら行けそうですね」


わし「ま…金は無限にあるからな、ただインフレ率が高いと、国の支出がきびちー」



実際に当時の日本は各藩が莫大な借金を抱えて経済的に行き詰まっていた、廃藩置県が行われる前に鳥取藩、名古屋藩、熊本藩、南部藩などは、既に、明治新政府に廃藩を願い出ていた


廃藩置県により各藩から新政府が肩代わりした借金は、総額で7413万両あり、当時の歳入の倍にも及び、しかも、この額は天保年間以前の借金は含んでいなので、実際の各藩の借金はそれ以上あった、廃藩置県により各藩の大名は借金地獄から逃れられるし、華族に列せられて年金などを支給されるので喜んで応じたのだ



わし「それでインフレ率はどうだ?」


カシム「それが…高いですね…工場の民間投資も活発になりましたが食料品以外は8%まで上がってます、食料品の物価は安定してるので、住民の不満は余り感じれません」


わし「ふーーーむ…アキナの試算通りか、補正予算を計上して国営工場も作るか…失業対策や教育に国の支出が多いからな、とりあえず増税とイノベーションだな」


カシム「具体的には?」


わし「まず累進課税を今までの300万以上からを100万以上から徴収する様にする、住民税も追加してこれも累進制だな、健康保険料金も引き上げる、タバコ税と酒税を16歳以上にして税率を3%引き上げる、電気料金の徴収も始めよう、だが所得が100万以下はタダ同然の税で良い、イノベーションは電気を使った機械化を進めて行く」


カシム「なるほど…」


わし「今後の機械設計図と電子部品の設計図をエッジに渡しといてくれ、分からん事があれば、説明するともな、後は理工学科を各地の学校で追加だな、さらに理工科大学校をマルス自由都市に新たに建設してくれ、仔細は追って沙汰する」


理学部は数学科、物理学科、化学科、生物学科、生命科学科、地球科学科など


工学部は電子工学科、電気工学科、機械工学科、建築学科、土木学科、情報工学科など


カシム「分かりました」


わし「アキナよ、西部開拓のリゾート開発を一任する、女性のおもてなしの心を生かして客を喜ばせる様に作るのじゃ、超金持ち用と金持ち用と平民用と3種類作るのじゃ、行動経済学的にこの作りが良い」


アキナ「分かりました!!頑張ります」


1000円の弁当と2000円の弁当の2種類があると、1000円の弁当が売れる、ここで倍以上の売り上げを叩き出す方法がある


3000円の弁当を作るのだ


松竹梅とメニューが3種類あると、5割以上の客が竹を選ぶのだ、「極端回避性」と呼ばれる人間心理だ、さらには、最初に3000円の松が目についたため、ふだんなら予算オーバーの竹を安く感じてしまう「アンカリング効果」も働く、安易な値下げとか阿保がする事だ、人間とは非合理な生き物だからな


カシム「あ…あと…」


わし「あと何じゃ?」


カシム「加工食品や医薬品に綿製品の輸出が順調で物凄い量の金や銀が余ってるんですが…」


わし「それな…うーん…、一回やって見たい金貨のプールに飛び込むくらいしか今の所は価値ないな」(笑)


カシム「確かに…何か価値観が変わってきますね」


わし「人間なんて資源が手に入りゃ何でも良いのよ結局」


カシム「ははははは確かに…アレ?今気づきましたがアリアさん目が腫れてますよ」


アリア「美しさはお金で買えません!!」


わし「まったく…アリアは可愛いぞ」


アリア「………。」


わし「女性として魅力的な気がする…かも」


アリア「本当ですか?」


わし「うむ…風呂の時とか実はグッと来た…かも」


アリア「本当に本当ですか?」


わし「美しいとさえ思えた…かも」


アリア「嬉しいです!!なんか自分に自信が付きました!!」


わし「自分の価値は自分が決めるんじゃなく周りが決めるもんじゃ」


カシム「かもかも詐欺じゃ無いですか」


わし「しーーーーーー!!」


アリア「しーーーて何ですか?詐欺って!?嘘ですか?」


わし「いやホントだって」


アリア「信じますよ!!」


わし「はいはい」


アリア「やっぱり信じれません!!」(泣)



次回に続く…



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