第72話 わし 策謀をめぐらす

ウゴン王国


ツッキーノ王「極維党とはどうだ?」


ウツワー大臣「各地域で善戦しております!!」


ツッキーノ王「よしよしよし!!」


    ワーーーーー!!


      ワーーーーーーー!!


ツッキーノ王「ん?外が騒がしいな」


ウゴン王国衛兵「たた大変です!!王都北にレガシィ大帝国部隊が現れ、王都に雪崩れ込んでます!!数は不明ですが!!万は優に超えます!!」


ガタッ!!


ツッキーノ王「な…何だと!!」


ウツワー大臣「王様!!お逃げ下され!!」



バン!!


     ザッザザザザザ!!



融新会ラコール「これはこれは…民を捨てて夜逃げの相談ですか?」


ツッキーノ王「まさか…これはお前の仕業か!!」


ラコール「あなたは…古くて臆病な人間です、あなたに代わって私が国を治めますゆえ、安心して死んで下さい」


ツッキーノ王「う…裏切り者め!!」


ラコール「国や民を裏切ったあなたに言われたくは無い、捕縛しろ」


融新会兵「ははっ!!」


ウツワー大臣「ひぃぃぃいいいい!!」


ツッキーノ王「王族を皆殺しにしたら国の正統性は保てんぞ!!」


ラコール「正統性?国民に見放された王族の正統性など必要ありますかね?」


ツッキーノ王「じ…地獄に堕ちろ!!」


ラコール「わははははははははは!!」



   〜〜〜マルクス王国〜〜〜



わし 私室


コンコン


カシム「カシムです」


わし「入れ」


カシム「今日はどう言った要件でしょうか?」


わし「城の巨大金庫にある5000億マルクス紙幣を再生紙にしてトイレ紙とかにしてくれ」


カシム「わかりました、しかし何故です?」


わし「銀行口座が随分と出回ったからな、もう銀行口座に数字を書くだけでお金を発行出来る、それに新札を作ろうかと思う、そろそろ、偽札とか出回るだろう、偽造防止策を取り入れる、紙の製造技術も上がったので、すき入れ(白黒すかし)技術に番号記号に印刷技術も上がったので精巧な肖像画も入れる、1万マルクス紙幣の肖像は父上で良いだろう、5000マルクス紙幣は初代マルクス王で、わしは1000マルクス紙幣で」


カシム「なるほど、マルス様は1000マルクス紙幣で良いのですか?


わし「1000マルクス紙幣の方がより多くの国民の目に触れるだろう」


カシム「あ…たしかに」


日本と違いアメリカの紙幣は小額になるほど有名な偉人になる


1ドル札 ジョージ・ワシントン

100ドル札 ベンジャミン・フランクリン (誰やねん)


わし「1枚辺りの製造原価が倍になるだろうが、まぁ仕方ないな、旧紙幣と交換していってくれ」


カシム「了解しました」


日本で一番重い刑は、殺人ではない

重い刑の順に

①国家転覆罪、国家反逆罪

②偽札あるいは法定通貨を脅かすもの


国家の権力に立ち向かおうとすると、法律以外のところで、全力で潰されるのである



わし「あと国交を樹立したヤマト国から、このアトラス大陸には無いユリと言う花の球根や種を何種類か大量にゲットした、コレは白色の花を咲かすんだが、これを聖カトレイアやレガシィ大帝国に売れ」


カシム「ユリですか?」


わし「うむ…食料品や衣類は他国に比べて、めちゃ安く高品質に生産出来るからな、他国の製品と同じ値段かちょい安く売ってボロ儲けしてたが、高品質なのが問題で、自国生産品が売れないからレガシィ大帝国は我が国の生産品に高い関税率をかけてる、レガシィ大帝国には武力外交は出来ないから、その分安く売って関税上げるのイタチごっこじゃ」


カシム「確かに…それで花ですか?」


わし「花は高い関税率は無いからな…前に教えたチューリップバブルを起こして、経済的に弱体化させる」


カシム「なるほど、花で国を弱体化とか想像もつきませんが…」


わし「まずパドロ駅都市の広大な土地を使ってユリを栽培しろ、そしてアブラムシ(モザイクウィルス)が付くと稀に変異種が生まれる、花びらが縮んだ奴とかはダメだ、花びらにすじ状の斑が入ったり濃淡や、まだら模様が現れた奴とかは更に育てて増やすのじゃ」


カシム「珍しいユリを作るのですね」


わし「そうじゃ、まず普通の白いユリを売れ、珍しいってだけで売れる、そして新たに出来た改良種や買った色付きのユリを、皇帝中の皇帝とか、ゴッド オブ ゴッドとか大層な名前付けて売れ」


カシム「なるほど付加価値を創造するのですね」


わし「そうじゃ、北にも鉄道を開設して行こう、まだ色々とバブルの仕掛けをするが、とりあえずユリで純粋に経済停滞大作戦だ」


カシム「楽しみであります」(笑)


実際に明治時代の末、ヤマユリやテッポウユリを海外に輸出し1937年にピークを迎え、全種類で4千万球以上を輸出し、世界のユリ需要の90%を日本のユリが占めたほど、ユリは生糸に迫る外貨獲得の花形になり、“ユリで軍艦を造った” といわれるほど日本の経済力、国力に影響を及ぼす存在だった


ビニール栽培もしたいが…石油製品の開発が中々出来ないな…



コンコン



カゼハヤ「カゼハヤです」


わし「入れ」


カゼハヤ「失礼します、ウゴン沖海戦の詳細が分かりました」


カゼハヤは情報局の局長に就任させた


わし「報告よろしく」


カゼハヤ「ウゴン王国港沖を封鎖していたアルビア国の戦艦2隻が停戦命令と射撃予告をしました、それに対してヤマトが警告も無しに艦砲射撃を敢行」


ガタッ!!


わし「はぁ!?アリーとお前の兄は何をやってるんだ!!戦闘行為は一切禁止と厳命したぞ!!これは大問題だぞ!!」


カゼハヤ「それが…同艦に乗船していたマルクスⅨ世王とキュリア王女が艦砲射撃をした模様です」


わし「ななななな!!!なぜいるんだ!!?」


カゼハヤ「暇潰しに戦艦に乗り込み、お…鬼ごっこしてたみたいです」


わし「鬼ごっこ…ってバカなのか!!………それで?」


カゼハヤ「一隻沈めて、気分良くしたマルクスⅨ世王が敵艦殲滅命令を出し、アルビア国戦艦のもう一隻も破壊沈没させた模様です」


そうか…階級的には親父は大元帥になるな…


わし「……それで、人命救助はしたのか?」


カゼハヤ「いえ…そのまま回頭しリバティ港湾都市に帰投したみたいです」


わし「完全に蛮族じゃ無いか!!」


カゼハヤ「早くお茶とケーキが食べたかったみたいです」


わし「ば……蛮族以下じゃ無いか…ケーキとか…」


ガクッ


カゼハヤ「どうしますか?」


わし「待て…考える…」


あのクソ親父とバカ妹は何やってんだ…しかし訓練も無しに艦砲射撃を当てるとか天才かよ…なんか勉強してるとは言ってたが…


さて完全にこっちが悪いぞ、確実に遺憾の意とか言う使者が来る


か…海賊のせいにしちゃおう…知らぬ存ぜぬで有耶無耶にするしかない


わし「よし!!新聞局にウゴン沖海戦は海賊の仕業と書かせろ、我が軍は一切関係無いとな」


カゼハヤ「通用しますでしょうか?」


わし「国内は通用する、国民は愚民化政策で新聞発表をマジで信じるからな、極東の抗議の使者はアリーに対応させる、わしが画を描く(陰謀や策略)」


カゼハヤ「分かりました…兄が迷惑をかけてすいません」


わし「いや…あの脳筋王に理屈は通じない気がする、アリーやカザハヤ海軍大将はお咎め無しだ、今後は混乱を招かぬ様に、わしを大元帥にして、父王は少将とかに降格させる、兵権はわしに譲ってるからな、従うとは思う」


カゼハヤ「分かりました」



わし「カシムよ」


カシム「ははっ!!」


わし「聖カトレイアの港建設はどうなってる?」


聖カトレイアは異国とは鎖国してるので、大きな船が入港出来る港湾施設が無い


カシム「南側は完成しました、北側もそろそろ完成するかと思います」


わし「よしゲオルグ海賊船は交易と地図作成に従事させろ、極東国から巧みに隠したり小出しにする、リバティ港湾都市の近くにあとドッグをさらに2つ増設だな、偽装工作も忘れずに」


カシム「ははっ!!」


わし「とりあえず、ヤマト級(ドレッドノート級)の2番艦の建造と駆逐艦ってのも作る」


カシム「くちくかん?」


わし「高速小型戦艦みたいなもんじゃ、戦艦を護衛させる小型戦艦かな今後開発する機雷や魚雷を搭載する、設計図は海軍局に送っておく」


カシム「ははっ!!」


巡洋艦より、駆逐艦の方がバランス良い、対空対地対艦対潜と汎用性の高い駆逐艦を作ろう…対空対地にはミサイルがいるけど…とりあえず、魚雷と砲積んで海軍強化だな


苦しい言い訳だが、ウゴン王国領海での争いだし、最悪…余ってる金貨を渡せば、そんな文句も言わんだろう…たぶん



次回に続く…


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