第69話 わし 超油断する


睡眠は三大欲求の中で最強だ


人類の睡眠は超無防備な状態なのに進化の過程でなぜ淘汰されなかったんだろう


ふと思った事がある


ちなみにマウスの実験で眠らせない実験を行ったが2週間で免疫が低下し感染症になって全滅した、そこで抗生剤を打って実験しても3週間持たず全滅した、唯一救う方法は寝かせる事だった


つまり寝なきゃ問答無用で死ぬ


転生前の論文では覚醒中は認知症と密接な関係があるアミロイドβとか有害な老廃物が脳にどんどん溜まって行く、すると脳機能は著しく低下する、そこで睡眠を取ると脳脂肪が縮み脳脊髄液が循環して老廃物を洗い流し、元通りピッカピカになる


入眠直後〜120分は脳脊髄液が循環するノンレム睡眠中(深い睡眠)なので、昼寝は最強かもしれない




ぶちゅぅぅぅぅぅ!!



わし「うーーーーん…息苦しい…」


パチリ


シュバッ!!


凄まじいスピードで身を翻すアリア


わし「アリア…何した?」


アリア「いえ…辺りを警戒してます!!…大丈夫です賊は居ませんマルス様」


わし「味方陣地に賊とか、いないでしょ普通」


アリア「ままま…万が一があります!!」


わし「なぜ顔を見せない?」


アリア「//////////////」(赤面)


昼寝はシルビアの入れ知恵だな


わし「はぁ…まぁ良い、頭がスッキリした、昼寝はボケ防止になるかもな」


アリア「良かったです///////」


ちなみに、免疫チェックポイント阻害因子のモノクローナル抗体で作られた特効薬級で認知症に効く薬が転生直前くらいに開発された、たぶん5年後くらいに日本でも使用可能になるだろう


わし「さて各地方からの報告書を読むか」



        ススッ!!



影の者「マルス様!!」


アリア「曲者!!」 チャキ


わし「よい!!カゼハヤの影部隊の隊長だ、戦功十字章の授与の時に見た、確かタオだな」


タオ「はい、ご報告があります」


わし「なんじゃ?」


タオ「レガシィ大帝国で囚われてるヨミですが、レガシィ大帝国の出兵で手薄になってるのと、さいきん急に監視が緩くなってます、救出可能ですが如何致しましょう」


わし「うーーーん…最近あいつの部下共が色々と問題起こしてるからな…必要悪なのかもしれんなぁ…無理なく救えそうか?」


ヤクザが減ると反グレが増える


タオ「問題ありません」


わし「んじゃ、まぁ救ってあげてくれ」


タオ「分かりました」



      スーーーーーッ



アリア「気配を掴み切れないですね、どんな訓練してるんでしょうか?身に付けたいですね」


わし「お前は絶対良からぬ事に使いそうだ…わしの寝室とかに、スーーーーーーッて入って来るだろう」


アリア「…チッ……!!」


なぜ強めの舌打ち?




  〜〜〜レガシィ大帝国 本陣〜〜〜



ジホン・ロン「ランドよ、おめおめと逃げて来た言い訳は?」


ランド将軍「い…言い訳はありません」


ジホン・ロン「そうか…では死ね」


ランド将軍「はは……」


ジホン・ロン「…………。」


レガシィ大帝国兵「ランド将軍…こちらへ」


ランド将軍「ああ……」


ジホン・ロン「待て!!ひとつ質問がある」


ランド将軍「………。」


ジホン・ロン「お前は逃げ帰っても我に殺されると分かっていただろう、ならば死を覚悟して敵と戦おうとは思わなかったのか?」


ランド将軍「分かりません…兵を失いたく無いのと、少しでも生き長らえたかったのか…怖かったとかですか…」


ジホン・ロン「ふん…牙を抜かれおって…さっさと処刑しろ」


レガシィ大帝国兵「はは!!」


あの猪武者のランドがここまで怯えるとは…



ウゴン王国密使ガト「失礼します」


ジホン・ロン「ガトか…どうだ?」


ガト「はい、この丘の先は崖になっておりますが、実は抜け道がございます、7日休まず南に進めばウゴン王都の裏に出れます」


ジホン・ロン「ほう…」


不思議なのが、マルクス王国はあれだけの軍事力を誇りながら侵攻や積極的な交戦は避ける、今までの常識が通じない相手だ、全く違う価値観と考えた方が良いだろう


ジホン・ロン「よし!!旗を多く立てろ、陣地も敵に見えにくく構築しろ!!3万はここに残り、残り5万は昼夜を駆けウゴン王国に侵攻する!!」


レガシィ大帝国兵「ははっ!!」



   〜〜〜マルクス軍 本陣〜〜〜



わし「ヒマじゃ…」


戦争中が1番ヒマとか何なんだ…


わし「くっちゃくっちゃ ぺっ」


ヨチ…ヨチ…ヨチ


コタロウ「はふはふはふ」


か…可愛い過ぎる!!


アリア「だいぶ懐きましたね」


わし「うむ…それに元気になったしな」



      ドドドドドド!!!


アベル「マルス様!!ホウトク様からの報告です」


わし「なんじゃ?」


アベル「敵は陣地を構築し持久戦模様、マルクス軍も森でゲリラ陣地の構築ほぼ完了、マルス様は王都に帰ってもいんじゃね?…との事です」


わし「まぁなぁ…兵站は蒸気機関車で高速輸送出来るし、じゃあ2000残して、残り2000を連れて帰るわ、兵の交代要員は欠かさずにな、長期戦は厭戦気分が蔓延するからの…まぁホウトクならその点も安心して任せられるか」


アベル「ははっ!!」


わし「んじゃ帰るか帰還兵集めて」


アリア「はーーい」



    〜〜〜1時間後〜〜〜



わし「お前ら!!よく働いた!!故郷に帰って羽を伸ばすが良い!!またすぐ戦の召集があるかもしれんが、今回みたいに小規模な物だろう!!なぜなら我々は無敵だ!!」


マルクス陸軍兵「おおおおおおおおおおおおおおお!!大王子様!!!」


わし「今回は行軍で注意がある!!わしと、この大神ことコタロウを追い抜いた者は厳罰に処す!!」


マルクス陸軍兵「おおおお……おお???」


わし「んじゃ…しゅっぱーーーーつ!!」





わし「うぉぉぉぉぉおおおおおおお!!!」


  キコキコキコキコキコキコキコキコ!!


   ハッハッハッハッ……くぅ〜ん…


わし「オラァ!!へこたれんじゃねぇ!!!コタロウ気合いだ気合いだ気合いだーーーーーーー!!」


アリア「マ…マルス様…コタロウを引きずってますって!!」


わし「オオカミは群れで狩りをする、先頭をずっと走れる者がリーダーとして尊敬されるのじゃ!!」


アリア「そうなのですか?」


わし「そうじゃ、メシは先に食うわ、走れば2000人の先頭を走ってるわで、コタロウは、わしの事を超尊敬するだろう」



   ハッハッハッ……くぅぅぅん…



くっ…可愛いじゃねーかこんちくしょう!!


わし「…アリア…馬に乗せてやれ」


アリア「なんてお優しい…」キラキラ(目)



こうして色々な問題に気付かないまま、わしは帰るのであった



次回に続く…


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