第68話 わし 今後の思慮を巡らせる

ウゴン王国


ツッキーノ王「もう…何も信じれん!!」


ウツワー大臣「内乱は激化の一途…港は極東国に封鎖され、レガシィ大帝国の侵攻…このままでは滅びますぞ」


ツッキーノ王「しかし…どうすれば良いんじゃ!!」


ウツワー大臣「そ…それは…」


ウゴン王国衛兵「申し上げます、マルクス王国が出兵、我が国の国境付近でレガシィ大帝国を牽制してます、レガシィ大帝国軍はウゴン王国への南下が止まりました」


ツッキーノ王「そ…それは誠か!!」


ウゴン王国衛兵「はい」


ウツワー大臣「食料品も支援して頂いたし、マルクス王国を信じて見ますか?」


ツッキーノ王「うううむ…」


ウゴン王国衛兵「申し上げます、港を封鎖していた、アルビア国の戦艦とマルクス王国の戦艦が港沖10海里で交戦しマルクス王国の戦艦がアルビア国の戦艦2隻を撃破沈没させた模様、その後にマルクス王国戦艦は自国に帰港した模様です」


ツッキーノ王「おおおお!!それも誠か!!」


ウゴン王国衛兵「はい、アルビア国の支援を得ていた極維党の士気は下がってます」


ウツワー大臣「マルクス王国は侵攻目的では無いですね、やはり信じてみるしか無いかと」


ツッキーノ「よ…よし…とりあえず極維党率いるハザンから、叩き潰してやる」



   〜〜〜マルクス本陣〜〜〜



わし「くちゃくちゃ ぺっ!!」


虎太狼「………。」じーーーー


ヨチ…ヨチ…ヨチ


わし「おお…わしの前で食べる様になったか」


アリア「唸らなくなりましたね」


わし「まぁ警戒心が消えて来たんじゃろう、次は柵の中に入って、座って同じ事をする」


アリア「座るんですか?」


わし「お尻の匂いを嗅ぐのが挨拶じゃからな、後は目が合ったら目線を切らない事じゃ」


アリア「マルス様も、お尻の匂いを嗅ぐ挨拶にしましょう、どうぞ…」


わし「………。」


アリア「では私から!!」


わし「やめい!!近づくな!!」


アリア「良いではないか〜良いではないか〜」


わし「お前!!完全に変態だぞ」




アベル「コホン!!イチャイチャしてる所、悪いんですけど、良いですか?」


わし「イチャイチャして無い!!どうした?」


アベル「レガシィ大帝国の分隊を20kmほど押し込んで森を抜けた先のウゴン王国の国境沿を移動してる本隊と合流して行軍が止まったよ…とホウトク様からの伝言です」


わし「よしよし、なら森に潜んで様子見だな、向かって来たらゲリラ戦と行こうじゃ無いか、進軍を開始したら、騎馬部隊で牽制して足止めだな、敵軍の動きには注視せよ」



アベル「了解しました、伝えておきます」



今後は通信機も開発せんとな、後はパルスレーダーと航空機用のパラボラアンテナと八木・宇田アンテナだな、コレは超画期的なアンテナで日本人が発明してる、家の屋根に付いてるアンテナも八木・宇田アンテナだ


悲しい事例だが、アメリカ軍はレーダーと八木アンテナの技術を改良発展させながら戦争に活用して日本軍に大損害を与えた、その後もアメリカ軍が広島市と長崎市に原子爆弾を日本に投下した際に、最も爆発の領域の広がる場所を爆撃機から投下した原子爆弾の核爆発高度を特定するために、八木アンテナの技術を用いた受信、レーダー機能が使われた事例がある


ちなみに大日本帝国の学界や日本軍では、敵を前にして電波を出すなど「暗闇にちょうちんを灯して、自分の位置を知らせるも同然」だと考えられ、重要な発明と見做されていなかった


ま…情報は超重要だ


後は銃器を弾倉式にしたいから研究開発じゃな、後はエッジに依頼してる小型軽量化のエンジンが、どこまで技術革新を起こすかだが…ここは未知数



わし「さて…飯にするか、缶詰めばっかりだが」


アリア「美味しいですよね、缶詰め」


わし「わしはイタリア人より食に煩いからな」


アリア「いたりあじん?」


わし「戦争中に弾薬よりワインの備蓄が多かったり、砂漠で貴重な水を使ってパスタを茹でたりするイカれた集団だ、逆に尊敬出来る」(たぶん逸話で史実じゃ無いと思うけど)


アリア「凄い国民ですね」


わし「まぁ食はストレス発散にもなるからな、不味かったら余計にストレスじゃ、ただ缶詰めだと嵩張るから、フリーズドライ食品を開発したいけどな」


よく散見する、フリーズドライ製法が始まったきっかけはイタリア人が戦場でもおいしい食事をしたかったからは嘘


フリーズドライは欧州へ血漿を送る必要性から、1920年代にアメリカで開発されて、レーションのフリーズドライもアメリカが1936年〜開発を始めてます



アリア「ふりーずどらい?ですか?」


わし「冷凍して減圧して水分を気体化させて乾燥させた食品だな、凄く軽くなる、お湯かければ食えるし栄養素も失われない、熱風乾燥や加熱濃縮だと、元の風味や栄養素を非常に損なうからな」


アリア「凄く良いですね!!作りましょう!!」


わし「マイナス30度にする必要があるから、それを開発せんとな…」


アリア「出来ないのに知ってるって不思議です」


か…賢くなったね


わし「あ…いや文献でな高野豆腐と言うのがあって、日陰で夜間の寒気に数日間晒し、脱水後に火力乾燥させて仕上げるって奴からヒントを得たのじゃ」


アリア「ふーーん、でも、マイナス30度って具体的過ぎませんか?」


す…鋭い!!


わし「…あ……いや…。」


アリア「隠さず教えて下さい!!」


まいったな…



わし「実は…わしは神なのじゃ」


アリア「知ってます」


知ってるんかーい


わし「神の叡智が詰まってるのじゃ」


アリア「納得です」


納得したんかーい


わし「え?…納得出来たの?」


アリア「出会った時に、あ…やっぱり神様っているんだって思いましたから」


なるほど、だからあの時に目の奥から希望の光を感じたのか


わし「でも…わし超軟弱だから、守ってね」


アリア「もちろんでございます!!でも貞操は破壊しますけど!!」


わし「…………。」


性行為は破壊行為なのか?


わし「んじゃ…報告書でもまとめるか…」



グイッ


アリアに袖を掴まれる


アリア「働き過ぎですよ、お昼寝でもしませんか?」


わし「うーーーむ…まぁ確かに寝るには気温も風も心地よいな、よし少し寝るか」


アリア「そうしましょう♪」


戦時中なのに昼寝が出来る…非日常の中の日常これが本当の幸せなのかも知れん



次回に続く…



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る