第65話 わし わんわお



バッカス砦で休憩後にチャリンコでアリアに引っ張てもらい20km地点


関所兼関門予定地の野営所に到着


わし「いや〜テクノロジー万歳だな王都から1日もかからず着いたぞ」


ホウトク「よう旦那!!早かったね、もう暗いから野営テントに入りなよ」


わし「ホウトク、首尾はどうじゃ?」


ホウトク「斥候を出して情報収集したが、北東60kmくらいの所にレガシィ大帝国の本隊があって2軍に分けてるね、おそらく3/4はウゴン王国に向かってる本隊で1/4はこっちに向かってるね、牽制なのか分かんねーけど」


わし「別働隊は2万ほどか…やっぱり本隊の足止めにならんか」


ホウトク「どうする?2万の軍勢を撃破しちゃえば、背後を突かれるので、流石に本隊も止まるよ」


わし「うーーん、悩むね…秘策はあるけどな」


ホウトク「へぇ〜俺知らない感じ?」


わし「まぁ100名ほどの特殊部隊だな」


ホウトク「それは楽しみですな、お手並み拝見」


わし「あれ?シリュウとやらとユリウスは?」


ホウトク「ああ…シリュウはおっかさんと久々に再会出来たからね、休暇取ってマルス自由都市に遊びに行ってるよ、ユリウスは寝返った事がバレて息子に害あったらアレだから、後方待機にしてる」


わし「そうか、そうじゃったな、良い良い」


ホウトク「んで攻撃が第一目標ならどうすんの?特殊部隊をぶつける感じ?」


わし「いや…うーん、まぁどっちにしろ、明日カインが到着するから、そこで軍議だな」


ホウトク「了解です、とりあえず国境守備隊と関門建設業者もいたんでサクッと野戦用にカストラ(野営兼陣地)は構築したよ」


わし「ご苦労さん、わしは、もう寝るわ、近いっても移動ばっかだから、疲れた」


現代人にはツライ!!わしは…300m先でもタクシー乗るタイプだし


ホウトク「ほいほい、寝屋は用意してるよ、アリアちゃん頑張んな!!」


アリア「お任せ下さい!!ハッスル♡ハッスル♡」


わし「おい!!焚き付けるな!!アリアもやる気出すな!!てかいつも言ってるハッスルって何だよ!!」



わしの感覚は現代人だが、現代人の基本性能は狩猟採取時代から、ちっとも進化してない、環境が変化して数万年と続けば進化するが、現代は短い期間で環境が激変しまくってる、飽食、車社会、ネット社会、テレビ 上げれば枚挙に暇がない


飽食時代になり歳とって糖尿病になった場合も、もう次世代を産んでたりするので、永遠にインシュリンβとか出来ないだろう、ちなみに人類史は飢餓との闘いだったので血糖値を上げるホルモンは4種類、血糖値を下げるホルモンはインシュリンの1種類しかない


寿命が長いのも実は欠点でもある、太古の昔に環境が激変して恐竜が滅んだが、恐竜の寿命は長く、我々はネズミだったので、恐竜が1世代進んだ時には我々ネズミは30世代進んでる、環境に適応出来る進化スピードが段違いだ


変化するとしたら、例えば、人間の手をグーにすると手首の下に腱が浮き出て来る、コレは猿の時代に木を登る時に必要だったのだが、現在ではコレが消失して行ってる、これから確実に変化するとしたら動物としての退化だろう、どんどん楽な方向に進んでるからな、それを進化と呼ぶかは謎だが



      シト…シト…シト…



アリア「マルス様…起きて下さい」


わし「うむ…起きとる」


アリア「何者かが近づいて来ます、ん〜〜でも…気配が人では無いですね」


すげぇ超感覚だな、この時代の人は基本的に備わってんのか?現代人が忘れてんのか?



    バサ……



わし「おお…ワンコだ、可愛い…ガリガリだけど…」


アリア「オオカミの子供ですね」


わし「オオカミ!!マジCooLじゃ無いか!!」


アリア「親とはぐれる事は無いので、親が死んだか、親が人間の罠にかかったとかですかね?」


わし「分からんが、腹減りすぎて、とりあえず肉の臭いに釣られて来たんだろう、ほれ」


ビクッ!!


オオカミ子供「………。」 ジーーーー


わし「おお!!警戒心強い!!CooL過ぎる、確かに耳が尖ってるし尾っぽ太いしオオカミの特徴だな、ん?体毛が白いけど、コレ普通?」


アリア「白い個体は珍しいですが、いるのはいますよ」


ホッキョク狼?温和な性格で懐く事もあると聞いたが、多分ホッキョク狼とは別種だな、それにない事も無いか、レガシィ大帝国の北は年中雪に覆われる地域もあるから、白い毛並みの方が生存に有利だしな


人生初オオカミに大興奮する


アリア「物凄く嬉しそうですね」


わし「イッヌは好きだな」


アリア「ところで、ワンコとかイッヌってオオカミの事ですか?」


わし「んんん?そう言えば、犬とか見た事無いな」


アリア「何ですか?いぬって」


わし「ああ…オオカミを飼い慣らして、人間に懐く様に改良されたオオカミだな、牧羊犬とか居ないのか」


アリア「ぼくようけん?聞いた事ありませんね」


わし「お…肉を持ってどっか行ったな」


て事は軍用犬とか無いのか、確か組織的に使ったのは日露戦争のロシアが初だったかな、まぁ当たり前か、しかし品種改良された犬が居ないってのにはビビるな


わし「よしあのオオカミを軍用オオカミ第一号にしよう」


アリア「オオカミを軍用に使うんですか?」


わし「訓練すれば色々と使える、警備、哨戒、探知、伝令、輸送とかかな、そもそも夜行性だから夜とか無敵じゃ」


アリア「懐きますかね?子供と言っても野生のオオカミですよ」


わし「秘策がある、よし寝るぞ!!起きたらイッヌを探すぞ」


アリア「寝る前にハッスルしましょうか?」


わし「嫌な予感しかしないから遠慮しとく」


アリア「…チッ……。」


なぜ舌打ち…



     〜〜〜翌朝〜〜〜



ホウトク「よう!!旦那どうだった?」


わし「お前が期待してる事は起きんかったな」


ホウトク「そうなのアリアちゃん?」


アリア「わおーーん!!」


ホウトク「何それ?」


アリア「オオカミになれば、マルス様に愛されます」


ホウトク「…なるほど…マニアック過ぎるぜ旦那…」


わし「アホか…」



ホウトク「オオカミで思い出したが、今朝オオカミの子供を捕まえましてな」


わし「何!?殺して無いだろうな!!」


ホウトク「殺しては無いけど、弱ってるし親無しだろうし、いずれ死ぬよ」


わし「わしが飼う」キラキラ(目)


ホウトク「え?飼うの?旦那も物好きだね」


わし「オオカミちゃんの所に連れてってくれ」


ホウトク「俺のカストラ(野営兵舎)に繋いでますよ」



     〜〜〜カストラ〜〜〜



わし「おおお!!イッヌよ!!」


オオカミの子供「ウウウゥゥゥゥ!!」


わし「いいじゃん、いいじゃん!!その孤高な感じ、よし虎太狼と名付けよう」


わし「まずは信頼関係と上下関係の構築だな、わしが先に飯食って、その後にわしが噛み砕いて飯を与える」


アリア「そうなんですか?」


わし「オオカミの群れは上位者から飯を食うからな、コレを繰り返して信頼関係と上位関係を築く」



     ドドドドド!!



カイン「マルス様!!ここでしたか」


わし「おおカインか、着いたのか」


カイン「はい只今、来る途中にホウトクに色々と聞きましたが、レガシィ大帝国が迫って来てます」


わし「それな!!まぁ軍議を開くか幹部達呼んでて」


カイン「はは!!」



     〜〜〜ウゴン王国領海〜〜〜



カザハヤ「いやー早いね、ヤマトと改修海賊船は」


アリー「帆船が追い付いて来ませんね」


カザハヤ「高速のクリッパー船なら14ノットくらい出るけど、アレは漁用の大型船だからな…まぁ大丈夫でしょ、優秀な船乗りばっかだから、それに攻撃仕掛けられたらたまったモンじゃ無いし」


アリー「まぁ確かに」


カザハヤ「海賊船はゲオルグ達や、みっちり訓練した1期生だけど、ヤマトは1期生と2期生の混合だし、乗組員も動かせるギリギリの300人だからね、まぁ攻撃要員は必要ないっても怖いよね…普通に」


アリー「そこはカザハヤ大将の腕の見せ所でしょう」


カザハヤ「なんか凄い不安になって来た…」


アリー「またまた」(汗)





次回に続く…

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