第53話 わし 不安的中
わし 私室
アリア「ララ〜考えてくれる〜ラララ〜♬」
カレン「アリアは、やけに機嫌がよろしいですわね」
わし「ほっとけ…そうだカレン、今回の潜入調査はご苦労、このサムライソードを褒美として下賜しよう」
カレン「ありがたき幸せ、コレは素晴らしい一品ですわ…」うっとり…
アリア「…はぅ……!!」 羨望の眼差し
わし「美人にサムライソードは映えるな!!」
アリア「…ちっ……!!」 嫉妬の眼差し
カレン「うふふふ、惚れますか?」
アリア「マルス様はババアに興味ありませんから」
わし「いや…美しいな…」
アリア「…イラッ……!!」 殺意の眼差し
コンコン
アキナ「アキナです」
わし「入れ」
アキナ「みみ…皆さま初めまして!!アキナと申します、よよよよろしくお願いします!!」
わし「まぁ固くなるな、今日から学生をしながら秘書見習い兼カシムの書記官のアキナだよろしく頼む」
アリア「アキナさんは、おいくつ?」
アキナ「17歳です」
アリア「…フフン…。」 勝ち誇った眼差し
カレン「あら可愛らしい子ね、私と言う愛人がいながら、英雄色を好むかしら?」
わし「からかうでない、むむ?アキナよ忠誠の指輪はどうした?」
アリア「…ゆ…ゆびわ!?」 不安な眼差し
アキナ「まだ仮なので…もっと修行して着けたいと思います」
アリア「…………………。」 絶望の眼差し
アリア(…指輪…まだ仮…修行=花嫁修行)
アリア「……いやーーーーーーーー!!!」
バン!!
バタン!!!
わし「はぁ…」
アキナに渡した指輪はシグネットリングと言い封蝋に用いられ、リング上部の紋章を押し付け、「この手紙は間違いなく自分が書いて、封をした」証として使う、国の高官になれば、命令書を送ったりするので必要
アキナ「アリアさん、大丈夫ですか?呼んで来ましょうか?」
わし「やめとけ、たぶん殺される」
アキナ「え…?」
カレン「うふふふふふw」
ドタドタドタドタ!!
わし「お?帰って来たか」
カシム「はぁはぁ…失礼します、どうしたんですか?アリアさんが、この世の終わりみたいな顔をして出て行きましたが…」
わし「勘違いだ色々と、それよりなんだ急いで」
カシム「それがウゴン王国が大変な事になってます」
わし「どう言う事だ?」
カシム「金貨や銀貨が国外に流出し国民経済は疲弊、情勢不安で物価高騰の時に、ばら撒き政策を実施し、さらに物価が高騰して大混乱…さらに軍需産業の支出を増やしインフレ率がとてつも無い事になり、奴隷を中心に国民の不満も爆発し各地で反乱蜂起、タカ派がクーデターを起こす可能性もあるとの報告が」
市場に見合うだけの貨幣量が無ければ通貨不足が発生し、人々は物品の購入やサービスに使う金を節約するようになり景気が落ち込む、国民経済の疲弊、また、貨幣の不足は高金利を、そして高金利は投資不足と失業をもたらす
そこで改鋳と言う方法がある、市場の貨幣を回収して悪貨を大量に作る方法がある、たぶんウゴン王国はかなり質の悪い改鋳をして貨幣としての信用を失ったか、良貨をばら撒いたかとかかな、グレシャムの法則で悪貨は良貨を駆逐すると言うのがある、額面が同じの通貨があれば良貨はしまって、悪貨を使うって事だ、結局良貨は流通しなくなる
例 元禄金銀(元禄小判・元禄一分判・元禄二朱判・元禄丁銀・元禄豆板銀)が鋳造された。しかし、その質の悪さのため物価は高騰し、良質な慶長金銀の退蔵(グレシャムの法則)により新旧貨幣の交換も滞り、通貨制度は混乱した
わし「アホなのかウゴン王国は」
カシム「どうやらヨミの入れ知恵のようです」
わし「はぁ…頭痛いわ…ウゴン王国が極東の傀儡国家になった場合、困るよね?国境を接してるし」
カシム「どうしますか?」
わし「助けてやりたいが、こちらのダメージも大きそうだ、もしクーデターが成功したら国境付近を奪ってウゴン亡命政府を作って緩衝地帯にするか、ウゴン国民同士で殺し合ってくれれば良い」
カシム「悪魔の様な考えですが…それが良いですね」
わし「国家安全保障計画と言えwww」
カシム「あと雪崩れ込む様に難民が我が国に押し寄せています」
わし「どれくらい許容出来そうだ?」
カシム「すいません…今手元に資料が無く、早速調べ…」
アキナ「怖れながら、私から申し上げます、8万人が限界です、奴隷解放で6万人を公務員として雇用しましたので、物価が上昇しています、コレに加えて難民が8万人以上増えて生活保護を与えると物価急上昇しますね、試算ではインフレ率は8%ほどになるかと」
わし「それは確かか?」
アキナ「はい、人口や就業率、今後の公共事業や民間投資も含め計算しました、幸いなのが今年は豊作で食料不足による食料インフレは起こりません、最低限の生活保護費にすると、難民は仕事を求めるので、今度は失業者が増えるかと…」
わし「ふむ…ウゴン王国との国境を閉鎖しろ、ただし弱者はなるべく目こぼししてやれ、ウゴン王国の王に使者を出し、危うくなれば我が国を頼れと使いを出せ、さっそく証券会社を使い民間から金を出させて株式会社を作り東部開発区を中心に生活必需品工場を作れ、足りなければ、補正予算で国も支出する、雇用創出と供給力を上げる」
カシム「はは!!」
奴隷中心に反乱蜂起か…
古代ローマでは人口の中で奴隷の占める割合は、平均すると15~20%、我が国も同じくらいの割合だ
しかし古代ローマの特に農村部の奴隷は鎖につながれ鞭打たれ、休む間もなく役畜のように酷使される奴隷が大勢いた、こうした非人間的な扱いがしばしば奴隷の反乱蜂起に繋がっている
我が国は人権を重視し、奴隷でも労働時間を決め、労働時間を守らない貴族や地主を厳しく取り締まってる、さらに奴隷には毎日1000マルクス支給してるので反乱蜂起は滅多に起きない、これも国家安全保障に繋がる
わし「アキナと、もっと早く出会ってれば良かった」
(ぼそ…
アキナ「………。」ドキドキドキドキ
ヨミのバカの代わりにウゴン王国の使者に出してれば、こんな事にならんかったのに!!
ガシャン!!
アリア「…そんな…いやーーーーー!!!」
わし「あ……」( いたのね…
わし「カレンよ…カインを呼んでくれ」
カレン「アリアちゃんでは無く?」
わし「後でわしからなだめとく…」
カレン「御意」
〜〜〜15分後〜〜〜
コンコン
カイン「カインです」
わし「入れ」
カイン「失礼します、えっと…さっき廊下でアリアとすれ違いましたが、懲役300年見たいな顔してましたが、何かあったんですか?」
わし「もう…ほっとけ…」
わし「ウゴン王国の国境警備を増やせ、あとレガシィ大帝国側とウゴン王国側に巨大関所兼防衛要塞を作れ城壁の長さは100kmは欲しいかな、防衛と言う意味もあるが雇用創出の公共事業みたいなもんだ、築城も得意なホウトクとやってくれ、100km城壁に関しては、急いでない、失業者対策だからな」
カイン「はは!!」
わし「あとすぐ動かせる軍はどれくらいだ兵装も教えてくれ」
カイン「戦争ですか?」
わし「いや現状の把握だ」
カイン「騎馬部隊3000、歩兵10000、最新銃歩兵1000砲兵160大砲40門です、旧式銃や大砲は各地方砦に順次配備されて行ってます」
わし「極東の国の軍事力が把握出来ないから、我が軍が強いのか弱いのか計りかねるな…」
カイン「我が軍の練度はかなり高いと思いますが」
わし「まぁとりあえず軍備は現状のままのペースで増強して行く、海軍増強は急務だ…優秀な将校は育ってるか?」
カイン「ええ…陸軍局は粒揃いと言った感じですが、海軍局はまだまだと言った所です」
わし「ふむー…アリアよ!!」
ビクゥ!!
アリア「………」( ふらふら…
アリア「ふ…ふふふ…短い夢でした…えーえー…いいんです、元奴隷が王子様と結婚なんて…一瞬でも夢見て幸せ者ですよ、えーえー想像妊娠レベルで頭おかしいのは私ですから、剣の時代も終わりましたし、用済みです、便所映え(バエ)です、えーえー」
だいぶキテるな…
わし「ほれ…お前にもサムライソードを下賜してやる」
アリア「これで死ねば良いんですね…便所映え(バエ)ですから、わかりますえーえー」
わし「その剣でこれからも、わしに仕えろ!!お前はわしの剣であり盾であろう」
アリア「…ほほほホントですか?側に居ても良いんですか?」
わし「わしがいつ護衛の任を解いた」
アリア「そうですよね!!護衛で情婦で将来も約束されてますもんね♡」
わし「もう好きにしてくれ…」
次回に続く…
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