第52話 わし 国営証券会社を作る

私はアキナ…母子家庭で一所懸命に勉強してマルクス大学校に入り、日々勉強してます


そんな普通の私に昨日、早馬で明朝に城に登上しろとの事


マルス様は、貧しかった国を数年で豊かにし、国民や奴隷にも絶大な人気を誇ってる、母は経済的に大学校は諦めてたけどマルス様が作った特待生制度で大学校に行け母も私も感謝してる


実際にちゃんと会うのは初めてでドキドキしてます


マルス王子はレガシィ大帝国の出兵の時に遠くからと、最近ケーキ屋で困ってる奴隷の少年に私がケーキを買おうしたら偶然、居合せました…その時のマルス様のやり取りが素敵で私の憧れです



マルクス衛士「アキナ様ですか?」


アキナ「はい」


マルクス王国衛士「こちらの馬車にお乗り下さい」


アキナ「は…はい」


母よ…なぜ拝んでる…恥ずかしい…近所の方が見てる!!



  〜〜〜マルクス王国 謁見室〜〜〜



カシム「アキナ様がお見えです」


わし「通せ」


カシム「はは!!」


アキナ「お…お呼ばれしました?アキナです」


わし「ははははwまぁ固くなるな」


アキナ「すす…すいません」


わし「マルクス大学校でピカイチらしいな、何かマルクス王国で必要な政策はあるか?何でも良い、やりたい事や直した方が良い所があれば忌憚の無い意見を申せ」


アキナ「……怖れながら、まず、人口流入の件です、人口の流入が多く、土着民と入植者で仕事の取り合いが起きてます」


わし「それは手を打った入植者に助成金を出し、開発区域に移住させてる」


アキナ「さ…さすがです、あと大学の論文で書いたベーシックインカムについてです、全員に毎月2万マルクス支給してはどうかと」


わし「カシム、導入予定の生活保護に国民年金に就業保証プログラム案を見せろ」


カシム「はっ!!どうぞ…」


アキナ「……!!確かに…これだけ社会保障が充実してれば…」


わし「ベーシックインカムは悪くないが、金持ちには関係ない、所得制限かけるなら良いがな、それより生活保護と就業保証プログラムは弱者保護だ、この方が国民にとって良い、国民年金の導入は見送り続けるかな、歳や怪我などの理由で資産が無く、働けなければ即日で生活保護支給の方が効率が良いだろう」


アキナ「た…確かにそうですね」


ちなみに日本の国民年金は太平洋戦争の戦争資金調達のため始まった、支払うのは数十年後だからだ



ふむ…こんなもんか…この時代としてはかなり光る物があるが左大臣ポストほどの叡智や閃きは無いな…



アキナ「あと…物品税の導入はどうですか?」


でた消費税的な奴だ


わし「それも金持ち有利だな、人頭税と一緒で貧しい人には不利な税制だ」


アキナ「いえ…物価上昇(インフレ)させたい時に使うんです」


わし「ほう…」


アキナ「物品税をまず3%導入すると言います、強制的な物価上昇(インフレ)なので、駆け込み需要で皆んな物を買うので短期的に物価上昇インフレしますが、実際に導入するのは負の物品税でマイナス3%にします、コレでさらに消費を促せます、物価上昇(インフレ)させたい時に使えるかと」


わし「なるほど…それは面白いな…負の物品税か、つまり100万マルクス使うと3万マルクス戻ってくるって事か、消費を促すには良いな」


アキナ「あと…個人的な意見ですが、私は母子家庭だったので、弱者を守る母子手当や学徒奨励金(奨学金)などを導入して欲しいです」


わし「ふむ…即採用する、学徒奨励金の金利は0にするか、ゆくゆくは教育は全てタダにする」


アキナ「あ…ありがとうございます!!」


アキナ「後は減価貨幣か使用期限貨幣とかですかね?お金は使われなければ意味が無いので、使わなければ貨幣価値が下がる様な貨幣とか良いかも知れません、例えば100万マルクス配っても貯金されると意味が無いので、毎年5%減るか今年中に使わないと紙切れになるとか、それだと、損するので使い切ります」



わし「ふむ物価上昇(インフレ)させたい時に使えるな」


アキナ「そうです」


わし「カシム、例の物を見せてみろ」


カシム「はは!!」


アキナ「人口140万人で国の収入が840億マルクス、国の支出が1620億マルクスですね」


わし「国の収入より支出が2倍だがどうだ?」


アキナ「都市開発と工業化を同時に進めてるので問題ありませんね、国の支出が多いので物価上昇(インフレ)には注意ですが」


わし「今後は国の負債が増えて行くがどうか?」


アキナ「問題ありません、国の負債はマルクス王国の貨幣制度だと気にする必要がありません、私も調べててビックリしましたが、そもそもマルス様は気にしてるんですか?紙幣や通貨発行権を持ってますのに」


わし「よし、合格だ…左大臣に任命する!!」


アキナ「えと?左大寺に2名ですか?」


わし「左大臣にする!!」


アキナ「左大寺にする?ですか?何処に行けば良いでしょうか?」


わし「左大臣に!!任命する!!」


アキナ「え?えぇぇぇ!!無理無理無理です!!」


わし「ヨミより賢いから無理では無い、とりあえず、わしの秘書、カシムの書記官として仕えよ、左大臣にドヤ顔で就任出来るよう実績は作ってやる、可愛いは作れると一緒だ」


アキナ「………。」放心状態…


わし「では、大臣任命書と忠誠の指輪を渡す、まだ仮免だがな」


アキナ「………。」放心状態…



わし「さて次だが、通信インフラを作ろうと思う」


カシム「つうしん?ですか?」


わし「声を電波に乗せて送る新技術だ」


カシム「そ…そんな事可能なのですか!!」




       テッテレー♫


       でーんーわー




わし「まだ試作品だがな、音速は秒速340キロ、電気だと秒速30万キロじゃ」


カシム「それは…でも、何に使えるんですか?便利な気はしますが」


わし「情報を制する者は世界を制す」


by わし


カシム「はぁ…」


わし「あと債権や株券を作るかどうかで迷ってる」


カシム「もう全く意味が分かりません」


わし「株券は、株式という大元締めを作って株券を発行して小口の資金を集約し、大きな投資を可能にする便利なシステムじゃ」


カシム「なるほど」


株式は1602年、オランダで設立された東インド会社によって本格的に活用され、合理的な資金調達方法としてヨーロッパ、アメリカ、そして全世界に広まる


わし「債権は例えば戦費調達に金貸してくれたら金利を上乗せして返しますよ的な感じじゃ」


カシム「…?戦費調達入りますか?我が国は、お金を作れますが」


わし「鋭い指摘じゃな、我が国は政府自らお金を発行してるからシステム的には必要ない、しかし今後、他国の戦費調達も我が国ですればどうじゃ…」


カシム「!!!!た…確かに…」


わし「マルクス王国に全世界が逆らえなくなるし…どちらにも金を貸せば、倍儲かるただし、世界が金貨ではなく紙幣になればだが」


カシム「コレは凄いかも知れませんね」


わし「当分は株券市場になるだろうが、経済発展には必要じゃ」


転生前は、国債と言う債権は、国が国債を発行して民間銀行や保険会社が国債を買って、国は資金調達してる、当然日本も通貨発行権と日本銀行を持ってるので、マルクス王国と同じ事が出来る


例えば100兆円の国債を発行して、政府子会社の日本銀行や民間の金融機関が買い、政府は日本円として資金調達出来る、マルクス王国と違うのは、マルクス王国は政府が直接お金を発行してるが、日本の場合、民間銀行が国債を買った場合は金利分民間銀行が儲かる、日本銀行だと子会社なので、払った金利は日本政府に返ってくる



アキナ「………。」放心状態…


わし「まさか気絶してる?」


カシム「そのようです…。」



次回に続く…

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