第37話 わし 近代化を推し進める

わし 私室



今は鯨油やロウソク(植物性油)を夜の明かりに使ってるが火災の原因や爆発事故に繋がるので、夜は工場を稼働させてない


建設関係のインフレを抑える為に、夜も生産活動すれば、さらに供給能力が上がる


そこでだ…外燃機関も随分と技術が上がった、そこでわしは、電気を作ろうと思う、石炭で汽力発電だな、汽力発電はボイラーなどで発生した蒸気によって蒸気タービンを回して発電する方式、火力発電のなかで、もっともポピュラーとなっている発電方式だ


発電機に必要な永久磁石の作り方は知ってる


まず鉄にニッケルを加えたニッケル鋼を作り、この合金にアルミニウムを加えることにより強大な永久磁石となる


悩みは所はオルタネーターを開発するか(交流)仕組みが簡単な超大出力ダイナモを作るか(直流)


現在の技術的に直流(ダイナモ)だよなぁ…


あとは白熱電球だな、竹製のフィラメントよりタングステンの方が寿命も明るさも桁違い


タングステンは我が国でも少量産出される



コンコン


ジアンビ「ジアンビです」


わし「入れ」


ジアンビ「何か御用ですか?」


わし「武器の開発製造も一段落してヒマだろう、そこでだ、電力事業を創業する」


ジアンビ「でんりょく?ですか?」


わし「カミナリがあるだろう、あれを自由自在に発生させる事が出来る」


ジアンビ「!!!!!凄まじい兵器ですね…。」


わし「兵器利用では無い、産業として利用する」


ジアンビ「産業ですか?皆目見当もつきませんね」


わし「まぁ、わしの設計図通りに作ってくれ、外燃機関技術に発電機と電球を組み合わせれば作れる」


ジアンビ「分かりました」


わし「あとは娯楽と新聞(マスコミ)だな…パンとサーカスで愚民化させる」


ジアンビ「さらっと恐ろしい事を言いましたね」



パンとサーカスは、詩人ユウェナリスが古代ローマ社会の世相を揶揄して詩篇中で使用した表現。権力者から無償で与えられる「パン(=食糧)」と「サーカス(=娯楽)」によって、ローマ市民が政治的盲目に置かれていることを指摘した。パンと見世物ともいう愚民政策の例えとしてしばしば用いられる名言であり警句である



わし「愚民化政策は重要だぞ、国家が一丸となって立ち上がれるし、権威主義に傾倒するから、良き指導者なら富国強兵を邁進できるじゃ無いか、わしの場合の愚民化政策は蒙昧主義では無く啓蒙主義だしな、悲しい現実だが、愚民化政策の明確な対義語が無いのが証拠だ」


啓蒙主義を超簡単に説明する


ヨーロッパでルネッサンス後期から十八世紀後半にかけて起こった、革新的思想運動の立場。合理主義に立ち、因襲・迷信の打破、人間の解放を目ざした



転生前の日本も愚民化政策で民衆は政治に無関心になり、権威主義に傾倒している


超有名な博士「ネコのウ○コは、癌に効く」(ドヤァ


とか言えば、食うレベルで愚民化と権威主義が進んでる、良いのか悪いのかは、また別の次元なのだが


ジアンビ「確かに…国家運営に理想郷は無いかもですね」


わし「わしは作れるけど、国としては弱体化するかもな、非常事態の時に国家一丸となって…とはならんから」


ジアンビ「難しい問題ですね」


わし「後世では愚民化政策の対義語で、わし主義政策が生まれてるかもな」(笑)


ジアンビ「結局の所、皆が平等で幸せな世界が良いですね」


でた社会主義思想…人が機械なら可能だ、もう一つ方法があるが…また語るか


わし「まぁ、なるべくそうなる様に努力するしかないな、では、神聖隊にサーカスをやらせるのじゃ、身体能力も向上するしな、マルクス王国新聞を刊行させ、このゴムを使ってサッカーを国技にする、あと、わしの好きなボードゲームの将棋も国民に普及させるよう頼む」


ジアンビ「さっかー?しょうぎ?ですか?」


わし「サッカーはボールさえあればプレイ出来る、ルールもより簡単にするしな、将棋もルールは簡単じゃ、また説明する、新聞では、わしを神格化レベルで書きなさいwww」


正直わしはサッカーより野球のが好きだがな…


ジアンビ「はは!!」


後は、交易品で手に入れた品種改良が上手く行ってるかだな…そろそろ家畜の品種改良にも着手しなければ


そう言えば…品種改良の果てに、人類が近代化後、狂気に走った事例がある


フランシス・ゴルドンの優生学


作物や家畜の品種改良を合理的に進めてると


あれ?人間にも適用出来るんじゃね?


まぁそう思うわな…


ゴルドンの考えは、アメリカに渡り、意外にも人種優生政策で有名なドイツよりも、アメリカの方が優生学的な政策を開始した時期が早く、また実施していた期間も長い、アメリカの優生政策は劣った家系は結婚禁止令に6万5千人に断種(本人の合意無しで不妊手術)


その後にマディソン・グラントが


人種には優劣がある

人間の知性は人種によって決まる

劣った人種と優れた人種の間には劣った人種が生まれる


こう言った内容の本を出版し爆発的に売れた


これを見たヒトラーが、これは我が聖書と言うほど傾倒して行き


ナチスドイツがホロコーストの様な組織的殺戮をして行く


現在では当たり前の常識とされてる、環境や学習によって人間の能力は左右される、そして種の存続を目的とするのであれば、遺伝的多様性は重要だしね


それでも優生学が常識だった時代は確かに存在する


宗教や文化や常識といった認知は時に恐ろしい物だ


この辺りは時代によって大きく変わるが、人権を遵守して啓蒙主義なら打破出来るだろう


わしも、人間なので間違える、なるべく間違えを起こさない様にするには歴史に学ぶしか無い、これからも深い見識を養わねば




次回に続く…


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