第36話 わし 王都に戻る

レガシィ大帝国


ジホン・ロン「おのれ蛮族共め、あの蒸気船って奴は何だ、忌々しい」


レガシィ大帝国大臣「蒸気機関と言う奴です、マルクス王国も開発に成功し、マルクス王国では地上を走ってます、あの蛮族共は海ですね」


ジホン・ロン「マルクス王国の急激な発展はその蒸気機関って奴か?」


レガシィ大帝国大臣「それも理由の一つかと」


ジホン・ロン「他に何か?」


レガシィ大帝国大臣「マルクス王国では、紙幣と言う通貨が流通しています」


ジホン・ロン「しへい?何だそれは?」


レガシィ大帝国大臣「紙が通貨になってます」


ジホン・ロン「そんなバカな事が起きるか?ただの紙を受け取る者とかいるのか?」


レガシィ大帝国大臣「それが、通貨として流通してるんです、私も調査員から聞いた時は耳を疑いました」


ジホン・ロン「どんな魔法だそれは…つまり紙が兵や武器や食料に変わるって事か?」


レガシィ大帝国大臣「私めもサッパリ分かりませんが、紙が色々な物に変わるから急激な発展をしてる可能性があるかと」


ジホン・ロン「そんな事が…もっと詳しく仕組みを調査して来い」


レガシィ大帝国大臣「ははっ!!」





マルクス王国王都 わし私室


視察も、あっという間だったな、やっぱりテクノロジー万歳だわ、転生前の現代人の生活は古代ローマの貴族並みってのは分かる


食生活は豊かで、指一本で風呂沸くしな、あんなん奴隷が5人いないと無理だもんな、井戸から水汲みスタートだぜ、しかしそのテクノロジーのおかげで、運動不足で痛風で糖尿とか、マジ笑えんがな(笑)


とりあえず内政が落ち着いたら、今度こそ食文化大革命を起こそう




コンコン



カゼハヤ「カゼハヤです」


わし「入れ」


カゼハヤ「お久しぶりですマルス様」


わし「おう、どうだ、他国の様子は」


カゼハヤ「はっ!!ウゴン王国はペストから回復し、平和になっております、国力回復に努め、特にこれと言った動きは無いです」


わし「聖カトレイア国は?」


カゼハヤ「聖カトレイアも前回の戦争で大きな痛手を追い、カンビ将軍もまだ傷が癒てません、来月には戦争の賠償金問題で聖カトレイアの使者が来るでしょう」


わし「楽しみじゃなwレガシィ大帝国は?」


カゼハヤ「レガシィ大帝国はマルクス王国に興味があり、この国で諜報活動をしています、極東の蛮族とイザコザが絶えない模様です」


わし「極東の蛮族?」


カゼハヤ「はい、極東からくる船があり、レガシィ大帝国は交易拒否や高圧的な態度を取っており、各港で揉めております」


わし「極東は高圧的な態度なのか?」


カゼハヤ「高圧的な者も友好的な者もいます」


極東には何ヵ国かあるのか…


わし「分かった、ご苦労である、ところで、お前の兄に会ったぞ、性格が真反対過ぎないか?」


カゼハヤ「兄ですか…何か失礼な事をしましたか?」


わし「あ〜良い良いお咎め無しだ、わしは能力至上主義だしな」


カゼハヤ「兄をよろしくお願いします。」


わし「分かった、では、次は東西の国内情勢を探ってくれ」


カゼハヤ「御意!!」



コンコン



カシム「カシムとジアンビです」


わし「入れ」


ジアンビ「ついに雷管式の弾とライフリングが完成しました、マルス様の注文通り後装式でボルトアクションで装填出来ます」


わし「試射実験はどうだった?」


ジアンビ「ホウトク様が小便と大便を同時に漏らすくらい大喜びでした」


わし「うむ…それだけで十分伝わる、ご苦労」


ジアンビ「ははっ!」


雷管式が出来たなら次はガトリング作ろwww


わし「カシム、報告書を頼む」


カシム「はっ!今月中にはリバティ港湾都市と王都まで線路が開通します、マルス自由都市の失業率と治安は改善、完成した内燃機関で、さらに生産性が向上しインフレ率も3%まで落ちました」


わし「うむ…良い感じじゃな」


カシム「ただ駅都市が5つ同時進行してますので建設関係のインフレ率は7%と依然高いままです、しかし他の物価に関しては生産性が上がり過ぎて、来年には建設関係以外デフレになる試算が出てます」



わし「ふーむ…じゃあ来年は人頭税を年1人辺り20万マルクスを10万マルクスにしよう、あと、奴隷に最低日当1000マルクス支給しろ」


カシム「デフレ対策の減税ですね」


わし「先に手を打っておく、あと今回の南に伸びる駅都市の入札で漏れた貴族には、来年からの資産課税免除と東西の鉄道都市計画は優先すると伝えるのじゃ、これで奴隷も平民も貴族も不満は出ないだろう、それでもデフレ試算なら、人頭税を廃止して、就業保護プログラムを組み込むか奴隷の待遇をさらに改善じゃ」


減税と国の支出をやり過ぎて、また高インフレしたら困るしな…


カシム「マルス様の手腕は凄いですね、国民の所得がここ3年で10%も増えましたね」


わし「インフレさせれば経済成長するから当たり前だ、インフレすれば、だいたい実質所得が3.5%は上がるからな、同時に物価も上がるから、めちゃくちゃ豊かになるって訳にはならんが、やっとインフレ率が正常値まで落ちたから、国民はやっと豊かさを少し感じるくらいかな、今までインフレ率が高かったから」


カシム「なるほど、だからインフレ率2%〜3%を目標にしてるんですね、実質所得上昇率と物価上昇率がほぼ同じだからですね」


わし「実際は実質所得の方が若干上回るけどな」


カシム「あ…あと蒸気船ですが、3ヶ月後には用意できるとの事、最新式では無いですが3年前に建造された中型船です」


わし「まぁ良かろう、内部構造知りたいだけだしな、魔改造するし、あと、蒸気機関が小型化してるからトラクターを作ってくれ」


カシム「トラクター?ですか?」


わし「まぁ第三次農業革命を起こすのに必要じゃ、設計図を作って送る」


カシム「かしこまりました」


ヨシヨシ…順調じゃ無いか…後は掘削技術を磨いて、あのタール池から石油を掘りまくってやる…

デカい油田だといいな…


楽しみすぎる…ぐふふwwwぐふふwww


カシム「マ…マルス様がまた妄想に耽ってる…」


ジアンビ「そっとしておきましょう…口元が緩みまくってる…何が見えてるんでしょうね?」


カシム「想像もつかないな…」




次回に続く…

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