第38話 わし 風雲急を告げられる
マルクス王国 謁見の間
カシム「マルス様聖カトレイア国の使者が来ました」
わし「あいよー」
捕虜の身代金はサイマール砦で捕虜の引き渡しの時に貰い、今回は戦争賠償の話しだ
デモクリト枢機卿「我が国の侵略行為に対してのお詫びに来ました」
わし「怖かったよー詫びて詫びてー」
デモクリト枢機卿「賠償金を払いたいのですが、女王が、なるべく捕虜を助けなさいと言う命令で捕虜の身代金に、かなり国のお金を使い…そこで領地を割譲するという案は如何ですか?」
デモクリト枢機卿…なるべく無価値な領地割譲に持って行かねば…
わし「どうしよっかな?僕ちん分かんないなぁ?」
デモクリト枢機卿「もう、阿呆のフリは意味ないですぞ…聡明な王子なのは、国中に知れ渡ってます」
わし「……やっぱダメか(笑)…そうだな領地はいらんし、金もいらん」
デモクリト枢機卿「なに!?何も要らぬと!!あ……し…失礼しました」
わし「何も要らぬとは言ってない、この国は森林が少なく平野が広がる土地でな、木材が不足してる、聖カトレイア国は森豊かな国だ、そこで木材の輸出税率を0にしてくれ」
デモクリト枢機卿「税率0ですか…それは可能です」
わし「後は港を2つほど作らせてくれ、関税率はマルクス王国と聖カトレイアの両国で決める事、国としての要求は以上だ」
聖カトレイアは異国とは鎖国してるので、大きな港湾施設は無い
…何だ?何を考えてる…こちらとしては願ってもない要求だが…交渉は一任されてるが、この場で決めてしまって良いのか…
デモクリト枢機卿「女王の意見や大臣の意見を聞いてからでも…」
わし「では、森林一帯を寄越せ、賠償金は100億金貨だ、デモクリト枢機卿よ、お前は女王代行だろう、この件に関して一任されてるはずだ、なんだ?意見交換しか出来ない三下を寄越すとは舐めてんのか?」
デモクリト枢機卿「ぐぅぅ…では前者の案を飲みます」
わし「うむ…ではすぐ戦争賠償に関する和解の書面を作成する」
相手に無理難題を押し付けてから、譲歩案を出す交渉術もあるが、今回はこちらが有利なので、最初から本音をぶつけた方が早い
カシム「マ…マルス様!!ウゴン王国から使者が来ました、危急との事ですが、如何しましょう」
わし「聖カトレイア国との交渉は終わった、通せ」
カシム「はは!!」
わし「ではデモクリト枢機卿よ、ゆるりと我が国の観光でも楽しまられよ」
デモクリト枢機卿「ぐぬぅぅ…ははっ!!」
デモクリト枢機卿…禍根どころでは済まなくなったぞ…ウゴン王国の危急の使者とやらも気になる…
カシム「では、デモクリト枢機卿、書類を作成しますので別室に移動をお願いします」
デモクリト枢機卿「ああ…」とぼとぼ…
カシム「使者をお呼びしてよろしいですか?」
わし「ああ、頼む」
何か嫌な予感がするわー
ウゴン王国使者「マルス王子、急な謁見にも、お目通り叶いありがたし」
わし「うん…どちたの?僕バカだから分かんないけど」
ウゴン王国使者「はは!!ここ3年ほど前から極東から船が来航する様になって、珍しい交易品もあり、我が国も黙認しておりました、しかしペストが蔓延して、国力が落ちた所で、急に高圧的な態度になり、軍船数隻で港を封鎖し、なし崩し的に不平等な条約を結ばされ、我が国では意見が割れ極東の国と戦も辞さないタカ派と平和に不平等条約を是正したいハト派で一色触発、そこでマルクス王国やレガシィ大帝国と軍事同盟か、それが無理なら国内のタカ派とハト派の調停役を誠に勝手ですが…どうかご一考してくださればと」
わし「ちょとまっちくり」
あれ?カゼハヤの報告と食い違いがあるぞ、ウゴン王国は平和だとか言ってたな、極東は何ヵ国かじゃ無くて一国なのか?やってる事がまんま江戸幕府末期みたいだな…そして、レガシィ大帝国と軍事同盟か…平和ならもっと内政に力を注ぎたいからな…
わし「部下のね、お話しではね〜ウゴン王国はペストから立ち直って〜へいわって聞いたよ〜」
ウゴン王国使者「それは…他国に弱みを見せない様に戒厳令を引いていたのと、恥ずかしながら我が国は圧政でして…それが原因かと」
わし「ふ〜ん…」
超有能なカゼハヤが見抜けぬとは思えんが…
ダダダダダダ!!!!
カイン「マルス様!!大変ですレガシィ大帝国が我が領土に侵攻との事!!」
わし「なにぃ!?え?はぁ??」
ウゴン王国使者「そんなバカな!?」
わし「ウゴン王国使者よ、この話はまた今度の機会だ」
ウゴン王国使者「しかし、それでは我が国は」
わし「とりあえず調停役は快諾してやる、軍事同盟は保留だ、レガシィ大帝国が攻めて来てるしな、カイン軍議を開く、諸将を呼び集めろ」
カイン「ははっ!!」
何なんだ今日は…もう!!
次回に続く…
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