第21話 わし 戦争に行く
聖カトレイア国
デモクリト枢機卿「奴隷共がマルクス王国に戦奴も農奴も流れてる、マルスめ…いまいましい」
聖カトレイア高官「しかも潤沢な資金を背景に都市開発も進んでいるとの事…あのど貧乏国家が、どんな魔法を使ったのやら」
デモクリト枢機卿「ヨミの貯めまくった不正金を使ってるのだろう、マルクス国は今の内に叩いておかないと、必ず禍根を残す、ところでカンビ将軍はまだか!!」
ほどなくして会議室に立派な甲冑を着た大男が現れる
カンビ将軍「お待たせました…」
デモクリト枢機卿「おお来たか、どうだ戦力の方は」
カンビ将軍「戦闘奴隷の一部は逃げましたが、我々には最強の聖職兵と最強の長弓兵ロングボウがいます、戦で死んだらヘブンズに行けると皆士気は高い、兵力はざっと3万、戦力差から見て籠城でしょう、あんな小国捻り潰してくれる」
聖カトレイア高官「おお頼もしい」
デモクリト枢機卿「油断めされるな、マルス王子は、相当の知恵者、ウゴン王国軍を10日ほどで壊滅させた実績もある」
カンビ将軍「あれは流行病のせいでしょう、運が良いだけです」
聖カトレイア高官「マルス王子の神通力との噂もありますぞ」
カンビ将軍「神の御加護があるのは、この聖カトレイア国のみ、それにマルス王子は重鎮達に良い様にされてる阿呆だと聞いてるぞ」
聖カトレイア高官「確かに…」
カンビ将軍「では明朝に出発、1ヶ月も掛からず戦勝報告が出来るでしょう」
デモクリト枢機卿「待て、カンビ将軍、マルス王子を決して侮ってはならぬ!!」
カンビ将軍「うはははは、歳を召されましたな、デモクリト枢機卿」
デモクリト枢機卿「うぬぬぬ…。」
一方 マルクス王国
カゼハヤ「マルス様…ご報告があります、聖カトレイア国が軍を動かし出しました、10日ほどで国境付近まで来るかと」
わし「うむ…ご苦労」
カイン「いよいよ、聖カトレイア国が動き出しましたね」
わし「うむ、兵力はどうじゃ」
カイン「はっ!奴隷の志願兵が増えましたので騎馬2000、歩兵4000、神聖隊重装歩兵300、銃歩兵500、砲兵部隊100 大砲20門、歩兵はまだ増やせますが…」
わし「良い、建設や農業や生産にも人手がいる、あと無いとは思うがヨミのクーデターの可能性もある、王都や各地方の守備隊に1000は必要だ」
計算上は聖カトレイア国の動員兵数は3万〜最大で5万
計算上は野戦でも充分戦える、銃歩兵も大砲も間に合った
贅沢を言えば
無煙火薬、通称B火薬は製造失敗
ダイナマイトの製造も試みたが
製造過程で酸が適切に洗い流せれなかったのと
硝化度が不均一で窒素量が一定していないから断念…
マジで爆破事故や火災事故起こるしね
まぁこれ以上はホント贅沢と言えるだろう
さぁ西方にあるサイマール砦に向けて出発だ
王都出発
戒厳令を敷いているので、今回は大規模軍事演習と言う事になってるが、実は戦争があるとも噂になってる
国民達「マルス様〜マルス王子!!カッコいい!!カイン様ー!!」
おお〜人気あるな、わし
国民達「おおおおお!!神聖隊シルビア様!!にアベル様」
シルビア「皆んな元気〜待っててね〜♡」
アベル「………。」
ご愁傷様…
サイマール砦まで160キロ…この行軍スピードだと1週間ほどかかるな
馬の並足は時速5〜10kmで1日で最大50キロほど進める
ホウトク「マルスの旦那、道中退屈でしょう、古今東西色々な兵法書を持ってきましたぜ、何かのヒントになればと…」
わし「おお、ありがとう」
ホウトクはマルクス神聖学校に通ったが、数ヶ月で先生になってしまった…まぁ超難問を100点近く取るしね、生徒に教えられる先生てヤバいもんな、有事の際は軍師になってもらう契約だ、素性が怪しいと問題になったが、わしが能力至上主義で反対意見を捻じ伏せる
わし「今回の戦を、どう見るホウトク」
ホウトク「能(あたい)ますな、しかし向こうの兵数が5万超えてたら、野戦は諦め大人しく籠城がいいんじゃない?」
良い読みだな…
ホウトク「最初から籠城でも良いかもな、2軍に分けて王都に侵攻してくれれば各個撃破しやすい、まぁ兵数次第ですな」
わし「ふーむ…完膚なきまで倒したい」
ホウトク「なら野戦だな、しかし銃や大砲は素晴らしい、新しい戦術が湧きでる湧きでる、それに漸進斉射戦術が最も効率良い、さすが発明者だけあるぜ」
本当の発明者は、わしちゃうんだけどね…
アリア「ホウトク!!マルス様に対して旦那とは不敬であります!!」
わし「まぁまぁ…気にしてない」
アリア「マルス様、馬車の居心地は如何ですか?」
わし「うーんガタガタ揺れるね、サスペンション作って魔改造したいわ…」
アリアはカインに修行させた後に神聖学校の騎士科に通わせたら、ブッチギリのトップ…身体能力が高く剣術も槍術もトップレベルまで成長した
いるんだよねホウトクと同じ天才って…奴隷から自由市民にし、戦争に際して、本人の強い希望と言うか脅しに近いな…アレは、わしの側近に大抜擢した、今じゃ奴隷達の憧れの的だ、容姿端麗ってのもあるが、奴隷も自分達も頑張れば自由市民になれるし出世出来ると思うしな
アリア「サスペンション?魔改造?ですか…。すいません学が足りず、分かりません、もっと励みます」
わし「いや造語だ造語、そんなのに励まなくて良い」(汗)
マジメ過ぎるのが玉に瑕なのよね
アリア「マルス様に拾って頂き、私は感謝しても仕切れません!!、マルス様の為なら死ねます!!」
そうそう、こんな感じで脅された、わしの一大事に近くに居れないなら、生きてく希望も無いから死ぬと…
わし「お…おう…まぁ道中は長いし、気を張りすぎても、疲れるだけだぞ、リラックスして良いぞ」
アリア「私の役割はマルス様の盾で剣にございます!!、気を張り過ぎくらいでちょうど良いです、ウゴン王国の侵攻の時に、マルス様のお役に立ちたくても立てない自分にどれだけ腹が立ったか!!」
わし「お……おう……」
わしが逆に疲れるわ!!!ずっとこのノリか?ノリなのか??
不安と期待が錯綜する、人生2度目の戦争である
次回に続く…
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