第20話 わし インフレに悩む

順調に戦争準備も整った


戒厳令のおかげか、国民の混乱も大して無かった


ある問題が起きてるので、それを解決するには衛星都市計画を早急に進めねばならない


ある問題とは物価上昇(インフレ)だ、国の支出を増やしまくった結果、受け取る側の国民経済が豊かになり空前の好景気だ、その上で戦争準備が重なって物不足が目立ってきた、ほとんどの物価が10%は上がってる、建設関係に至っては20%超えだ


例えば10人いて、ご飯を毎日3食、食べるとして30杯以上生産してれば物価は安定するが、30杯以下だと供給量が足りないので値段が上がる、これがインフレだ


これで銀行がガンガン民間に金を貸して、供給されない物(土地や株や金融商品)を買えばバブル経済になるが、銀行はまだ無い


経済成長してるので国民の所得は毎年3%は上がってるが、物価上昇率の方が高いので、給料が上がっても、買える物が相対的に減るので貧しくなる


国民の不満が大きくなったので、アホは減税とかするが、これはダメだ、減税すれば国民の使えるお金が増えるので、より物やサービスを買う=さらに物やサービス不足になる、消費を抑制したいので、するなら増税か国の支出を減らすだが、戦争前だから、国の支出は減らせないし、増税は兵士や国民の士気大事なので躊躇してる


手っ取り早く輸入が良いが、ウゴン王国はペストで疲弊、聖カトレイア国とは戦争中、仕方なくレガシィ大帝国の輸入量を増やした


後は自国の供給量を高めるしかない、高い需要に対して供給力が勝てば物価は下がる


ヨミから奪った金貨と銀貨分のマルクス紙幣を刷って、衛星都市にバンバン工場を建てて行く、本当は軍需工場建てたいけど、食料や衣料品やインフラ中心に供給力を高める


上下水道完備に、いづれ来るだろう車社会も想定して区画整理して突貫工事だ


居住区 商業区 工業区


と言う様に居住区と工業区を離して整備すると、公害問題は、ある程度緩和出来るだろう


ヨミも受け取ったマルクス紙幣でバンバン投資してる、3年後に資産課税あるから勢い半端無い(笑)


コイツは地方の役人と組んで、賄賂や斡旋など悪さしてたので、人脈もあるし、人の使い方は上手い、利益によって人は操れる良い例だ、後は鉄道を引いてガンガン資材を運ぶ、人手不足は流入した奴隷達だ、衛星都市にも学校を作り建築科や商業科や畜産科や農業科も作り人材育成にも力を入れる


国が本気を出せば、大概の事は成せる


膨張では無く、成長が必要な時だ


衛星都市が大きく成長すれば遷都も考えよう


田舎では農家に助成金を増して開墾開拓を推し進めて行く


出来れば豚や牛の品種改良や種や苗の開発を国費でやりたいが、人材がまだ育ってないのがな…


金は唸るほどあるが、もどかしい現実だな


そんな状況に頭を抱えているが、もう一つ問題が


わし私室


バン!!


キュリア「お兄様〜!!」


わし「ノックくらいしなさい」


キュリアはヨミの軟禁状態から解放した


キュリア「もっと贅沢したーい」


わし「はぁ…今は物不足だから消費は控えた方がよい」


キュリア「ヨミの所の方が、贅沢出来たもん!!」


わし「もう少しまて、需要に対して供給が勝てば物価安デフレになる、そうなれば、めちゃくちゃ贅沢して良いから」


キュリア「難しい話しはわかんないー」


わし「まぁ無理も無いか…この前10歳になったばっかだし、なら港湾都市のリゾートはどうだ、あそこなら王都ほどの深刻なインフレでは無いから、多少の贅沢は許すぞ」


キュリア「海ってやつ?行きたーい」


わし「ああ、お供を100人くらい連れて、お金をいっぱい落として来なさい」


キュリア「やったー!!お兄様大好き」


わし「はぁ…くれぐれも、王族として恥ずかしい行動は取るなよ」


キュリア「はーーーい」


バタン


わし「カレンよ」


カレン「はい」


わし「めちゃくちゃ不安だから、付き添いお願いできるか?」


カレン「分かりました」


わし「あと、蚕やゴムの木、食糧の増産になる様な品も貿易商から調べて来てくれ、特に米だ、よろしく頼む」


カレン「御意」


はぁ〜聖カトレイアが片付いたら、醤油と味噌でも作るか…食文化がマジで終わってる


そんな束の間の平和を楽しむのであった


次回に続く…

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