第18話 わし 戦争準備をする
これから本格的な戦争か…
コンコン
カイン「失礼します、すいません、デモクリト枢機卿を取り逃がしました」
わし「気にするな、汚れ役を任せてすまん、わしの監視が甘かっただけだ、その尻拭いを部下に押し付けて、失敗した所で、わしの責任だ、終わった事を嘆いても仕方ない」
カイン「そう言って貰えれば救われます、次こそは」
わし「もう良い、それで詳細な我が国の戦力はどうじゃ」
カイン「はっ!!地方の守備隊もギリギリまで集め騎馬2000、歩兵3500、神聖隊重装歩兵300、銃歩兵100、砲兵部隊50 大砲10門、カシムの金策により、1.5倍まで増やせるかと」
わし「分かった、しかし、今ある部隊で戦う、今後増えた兵は国境守備隊に回す」
カイン「6000ほどで勝てますかね?」
わし「まぁ何とかなる」
カイン「籠城ですか?」
わし「いや、工場群が破壊されれば、たちまち物不足だ、いくら紙幣を持ってても物に換えれなければ、それは紙切れだ、時間をかけて信用を築いたのだ無駄にはせん、こちらも打って出て、国境付近で戦う、なるべく野戦にしたいが…」
カイン「了解しました」
わし「野戦に対して、反論や意見は無いのか?」
カイン「何かしらのお考えがあるのでしょう」
わし「うーーん、まぁね…。」
わしも自信は無い、はぁ…ウラン濃縮して爆縮レンズ作ってボンバーイェーしたいわ…そんな技術は今は無いけど
化学兵器は亜硫酸ガス(二酸化硫黄)
生物兵器は炭疽菌
うーん…まぁいけるか、聖カトレイア国の兵力数で決めるが、使いたくは無い、後世で何言われるか分かったもんじゃ無いし(笑)
わし「野戦で寡兵なら斜線陣で行く左翼に主力を集め包囲殲滅するしかない、戦争までこれだけを訓練してくれ、それに漸進斉射戦術を組み込む」
カイン「斜線陣は分かりますが、漸進斉射戦術は全く分かりません…」
まぁそうだろう、軍人なら斜線陣は知ってるだろう、しかし漸進斉射戦術は銃が誕生して、試行錯誤の上に出来た戦術である(マスケット銃の時代)
わし「まず、漸進斉射戦術の説明をする、前列の兵が一斉射撃する。その後、前列の兵は最後尾に移動せず、その場で装填を行う、後列の兵は前列の兵の前に進み出て一斉射撃をする、これを繰り返すことによって、敵に接近しながら一斉射撃を加える」
カイン「銃は詳しく無いですが、何となく良い作戦の様な気がします」
わし「左翼に騎馬&神聖隊(遊撃)歩兵でガチガチで固め、左翼から攻めて行く、右翼はゆっくり進むのが斜線陣だ、右翼側に銃の長射程で漸進斉射戦術ならどうだ、主力が左翼を突破して右翼側に回り込むまで、右翼はゆっくり銃の長射程と銃声で牽制し、左翼が回り込んだら右翼の歩兵が突撃だ」
カイン「なるほど!!これは希望が持てますね」
わし「ただ…銃が足りない、右翼側は歩兵100左右に銃歩兵10、後列に左右に銃歩兵10で右翼を固めたい、この戦略では300挺の銃は最低でも必要だ、そこでカシムに金策のほとんどを銃と大砲の生産に回せと下知した」
理想を言えば3000挺あれば、ただの虐殺で簡単なお仕事なんだがな
わし「あと戒厳令を敷け、国民にいらん混乱や心配をせたくないのと、マルクス紙幣を金貨に替える騒動も怖いからな」
カイン「分かりました!!…マルス様、一つ質問してもよろしいですか?」
わし「なんじゃ?何でも答えるぞ」
カイン「あなたは誰ですか?」
わし「ドキッ!!、どどどどどうした?いつもニッコリ現金払いのマルスだが」
カイン「…マルス様は、あまりにも先が見え過ぎてる様に思います、もちろん尊敬もしております…マルカス様…いえ…すいません」
マルカス?
実は転生しましたとか言えんしな、転生前に部下に似たような事言われたので、同じ様に返すしか無いか…
わし「まぁ答えよう、全て勉強だよ、過去に学び、最新の知識を大量に蓄えて行けば知識層が出来る、この知識層がわしを合理的に論理的に現実的な答えに自ずと導いてくれる」
だからわしは、中卒だが一代で資本主義社会でのし上がれた、先見の明ってヤツはこうして生まれる、そもそも社会人の平均学習時間は6分だしな、もっと勉強しろと…
カイン「なるほど、論理的で合理的で現実的な答えです、カインは、これからもマルス様に忠誠を尽くします」
わし「ありがとう、そうだ、戦の時は、アベルは神聖隊に組み込んでおけ、100倍の働きをするぞ」
カイン「間違いないかと」(笑)
わっははっはっは!!
重い雰囲気を吹き飛ばす笑い声が、わしの私室から放たれる
カインには裏切られて殺されても良いかなと思った今日この頃…
次回に続く…
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