第12話 わし ガチホモ部隊を作る
前回の戦から1ヶ月、戦後処理や論功行賞も終わり、やっと政務を執り行う日常になった
前々回でホモサピエンスの300人(ダンバー数)の認知限界を広げる事が重要と語っていたが
この認知限界の最小単位300人が最大限に力を発揮した例がある
それを軍事に利用しようと思う
コンコン
わし「入れ」
カイン「失礼します、マルス様、ご用件とは」
わし「ああ…ひとまず、此度の戦、ご苦労であった」
カイン「ありがとうございます、しかし我々は、ほとんど何もしてません、本当に狐に摘まれたみたいで…」
わし「まぁ良いでは無いか、部隊の損失もほとんど無く、敵は壊滅、ところで今日呼んだのは、ある相談があってだな」
カイン「私に出来る事があれば…何なりと…あ!、そう言えば、あのアリア、体も成長し、剣の才能がありますね、物凄く熱心ですし、元々の身体能力も高いですし、良い拾い物でしたね」
わし「そうか、それはアリア自身の才能もあるがカインの教育による物でもある、奴隷でもちゃんと教育すれば、使えるのだ、人間だからな、教育格差が偏見を生み社会的損失を作ってる、わしは奴隷身分でも、人として扱い、教育を受けさせたいと思ってる」
カイン「私もマルス様のご見識に賛同します」
わし「そこでだ…話は戻すが、ガチホモとか知らない?」
カイン「へ…へぁ??」
カイン「ま…まさか、マルス様にはそう言ったご趣味がお有りですか?」
カイン「はっ!!あの城下町でのナンパ行為も…実は男漁り…しかし…流石に家臣と言えど、す…すいませんが…」
頭が混乱したのか矢継ぎ早に喋るカイン…
わし「早まるな馬鹿者、文献で見たのよ、300人からなるガチホモ軍団で、150組300名の男性の恋人同士によって編成されてる部隊じゃ、男同士のカップルなので愛する相手に惨めな姿を見せようとせず、かつ恋人を守って戦う、そして殆どが顔見知りの部隊だ!つまり愛は世界を救うだ」
カイン「…初めて聞きますけど、そんな部隊」
まぁこの世界軸では無い歴史だしな、古代ギリシャで最強と謳われた神聖隊とか知らんだろう
わし「とりあえず、先の戦で攻撃は良いとして守りも固めた方が良いと思ってな、という事で兵学校を作りスパルタ教育を受けさせる」
カイン「スパルタ?ですか?」
わし「あ…そうか、あれだ、超絶厳しい教育をスパルタと言うのだ、文献にそう書いてた…とりあえず、国中に御布令を出し、ガチホモを300人集めよ、国費で雇う月に1人15万マルクスだ、学校に関しては、色々と兵科も加えたいから追って沙汰する」
この時代の平均月給は7〜8万マルクス
カイン「ははぁ…」
カインの気の抜けた返事を聞き、ガチホモ部隊の清廉で獰猛な姿を早く見せたいと思ったのである
他にも学校を新設したいな…教育は物凄く大事だ…
その数日後
〜〜〜大臣室〜〜〜
ヨミ「あの小倅とカインめ!!彼奴らも腹が立つが、ウゴン国の腰抜け共と聖カトレイア国の鈍足にも腹が立つ、わしが2国同時併合の策が頓挫しおったわぁ!…ぐぬぬぬ」
ヨミ側近「ヨミ様…抑えてくだされ、しかし、あの小倅の神の神通力とは本当でしょうか?」
ヨミ「そんな物あってたまるか!!カレンよ!酒だ酒を持って来い!!」
カレン「ヨミ様、飲み過ぎでありますよ」
ヨミ「カレンよぉぉ、わしがこの国の第一の人間だとは思わんか…わしこそが、この国の盟主たる…」
カレン「分かりますヨミ様、カレンはヨミ様こそがこの国の盟主たる器だと思っております」
ヨミ「分かってくれるかぁカレン…」
カレン「ヨミ様は不憫でありますヨシヨシ」
ヨミ側近「それはそうと、あの小倅は国費で散財ばかりしてるカスですが、今度は、男色部隊をつくるとか、有力貴族も先の戦でマルス様はと色気立ってたが、ドン引きですぞ、あの阿呆は何を考えているのやら」
ヨミ「良いでは無いか、有力貴族の人心も離れ、聖カトレイア国の言う通りに、さっさと破綻させてしまえば、わしらの株も上がる」
ヨミ&ヨミ側近「そうですなwうははははwww酒じゃ酒じゃ」
カレンからの一連の報告書を読む
まぁ、腹立つが無能と思ってくれてる様だ
この時代の人間は信心深い、一応、神通力的な印象を持たせておくのも悪く無いって思ったが、裏目に出ず良かった
そしてウゴン王国は、あれからペスト菌保持の帰還兵で、国中が大混乱みたいだ、しばらく武力行使は出来ないだろう、南無南無
ほっと一息も束の間
コンコン
ジアンビ「ジアンビです」
わし「入れ」
ジアンビ「失礼します」
わし「おおカシムから聞いてる首尾はどうじゃ」
ジアンビはカシムの側近、小国と言えど、カシムには色々と任せて流石に人手不足の為、優秀な人材を募り、集まった中でも飛び切り優秀との事、ジアンビには秘密兵器の開発と生産を一任してる
ジアンビ「鍛治職人のエッジと共に開発も上手く行っておりますが、しかし量産体制となるとまだ先かと」
わし「そうか、なるべく急がせろ、いくらでも国費を使って良い、研究開発に金の糸目は付けない、あと、生産途中で出来る純度の低いサルファ剤があるだろう、それをウゴン王国に売れ」
ジアンビ「純度が低いサルファ剤ですか、それは何故ですか?」
わし「ウゴン王国は、今流行病に悩まされてるみたいだ、(犯人はワシだが)、あのサルファ剤は流行病に効く、そこでだ…微妙に効くってのが良いのだ」
ジアンビ「何故ですか?治せた方が良いでしょう」
わし「病気ってのは治してしまうと、そこで終わりだ、有病率はそこそこで推移させると、ずっと売れるだろう、まずは少しだけ輸出して品薄を煽り、需要が激高になれば、ボッタクリ値で売れ、それでも飛ぶ様に売れる、人は恐怖で操れる」
ジアンビ「し…失礼ながらマルス様は…鬼か…悪魔ですか?」
わし「アホ、商売上手と言え」(笑)
ジアンビ「た…確かに」
もっと工業力があればマスクを大量生産して、マスクで予防が出来るとか噂を流し、阿呆な民衆を釣りまくって外貨獲得出来るんだがな…
ちなみにペスト流行時のマスクは、長さ15センチのクチバシのような形で、中に香料を入れていた。穴は鼻孔近くの左右に1箇所ずつの2つで、クチバシに仕込んだハーブの香りを、吸い込む
これが安全だと信じれられてた、当然だが、全く医学的根拠の無いアホ丸出しのマスクだ、ま…転生前も似た様な事があったな…
ジアンビ「あとカシム様からの報告があります」
わし「ふむ申せ」
ジアンビ「では、工業化で生産性が上がり我が国の輸出が増え、輸入が減り国内で賄える物も増えました」
わし「ふむふむ」
ジアンビ「国費での食料増産計画で農地開拓に積極的に人民を雇用し支出も増えました、その分、国民経済もある程度豊かになり、税収も増えましたが、やはり、まだまだ国の経済状況は苦しいとの事であります」
わし「まぁ予定通りだ、わしの言う通りカシムに頼むと言っておいてくれ」
ジアンビ「はは!!」
ジアンビの説明は分かりにくい
要は簡単だ、国費で国が支出すれば、受け取るのは国民だ、国費で何か作れば、その業者や雇われてる国民の資産が増える
資産の増えた国民はまた国民の誰かが生産した物やサービスを買う事になる、こうして経済成長していくのだ(国が市中にお金を出すので新規通貨が増えるから当たり前なんだが)
問題が一つある、この国は銀本位制で、金や銀は有限であり、採掘量も現在の技術では限界がある、この限界とやらで我が国はこのまま行けば数年で破綻する
ここを理論上は無限に出来る、まぁ実際は供給量との兼ね合いで無限には出来ないのだが、今は、まだ時期尚早
人間の認知を根本に変えないとね…
次回に続く…
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