第11話 わし ピンチ脱出

夜襲からちょうど1週間だ


ペストは感染から1〜7日で症状が出る


撒いたペストは肺ペストだ


飛沫感染する、ええ感じの憎い奴だ


そして炊事の煙が日に日に少なくなってるし


離散兵が相次いでると言う報告も多数


頃合いか…


カインとアベルを呼び、3日後に今度は守備隊500残して2000の兵を率いて、また夜襲をかけさせる作戦にした


カイン「マルス様…どんな魔法を使ったのですか?5000の敵兵が3000まで減って、気力も無く戦意も無いと報告が…」


わし「最強魔法ペースト オブ ベストって魔法じゃ、神通力じゃのwそれ以上でもそれ以下でも無い」


カイン「はぁ…そうですか…」


あ…呆れられたw


わし「敵兵には触れるな、逃げる敵兵は追うな、捕縛もするな略奪も禁止だ、敵方の金品や物資は3日以上野ざらしにして、回収しろ、これは厳命だ」


菌やウィルス全般に言える事だが、熱や紫外線で簡単に不活化する



     〜〜〜3日後〜〜〜


わし「敵兵は何故か知らんがヘロヘロじゃ、思う存分暴れてこい」


マルクス王国兵「おおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


ふむ…我が軍の士気は高いな


予定通り夜襲をかける、敵兵は虚ろな表情で戦意も無く、こちらに気付けば我先に逃げて行く、どうやら指揮官もペストに感染してるか帰国したんだろう、前回の夜襲の時と違い敵兵は精彩を欠く


1時間ほど敵を蹂躙し、撤退の合図を送る


圧倒的な戦果に皆で勝ち鬨を上げ、翌朝を迎えた


敵兵は綺麗さっぱり消えて無くなり


残ったのは死体と物資だ


3日は放置して死体は焼いて埋葬し、物資もその後に回収しろと命令


もし、敵兵と似た症状が出た時の対症療法とサルファ剤も渡す


そして兵を休ませたいが、嫌な予感がするので急いで王都に踵(きびす)を返す


わし「悪いが、すぐ王都に帰る、嫌な予感がする、杞憂であれば良いがな」


カイン「はっ!分かりました」


どうも、侵略目的では無く、時間稼ぎを戦略目的にしたとしか思えない、普通は部隊の1/3に問題が起きれば撤退を考えるからである


砦を出て5日後には王都に着く


   ワーーーーーーー!!


     ワーーーーーーー!!


凱旋なのと、最近の好景気で住民から祝福を受ける


良いでは無いか…ニヤニヤ


すぐさま城に戻り、父親に戦果報告


父王は相変わらず弱っておいでだ


私室に戻る廊下で慌ててるヨミに会う


わし「どうしました?ヨミ様?随分と慌ててますね?」


ヨミ「こ…これはこれはマルス様…大戦果ではありませんか…ヨミは痛恨の…いや感嘆の極み」


どう間違えんだよ…


わし「あ…ありがとうございます、ぼ…僕はボンヤリしてただけで、カインの勇猛な活躍のおかげです」


気弱な雑魚を演出する、アカデミー賞主演男優賞も狙えるほどの演者っぷりだ


ヨミ「ちっ!!カインですか…流石ですね」(余計な事を…)


舌打ちとか、分かりやすい奴めwww


わしは私室に入り、カレンからの報告所に目を通す、やはり、今回の騒動はヨミ絡みだ、聖カトレイア国とウゴン王国に内通して、挟み撃ちにし


双方の国で我が国の穀倉地帯を奪おうとしていたみたいだ、急いで帰って来て良かったのと、やはり大国同士の連携は弱いな、同時進行だとやられてた


国が安定したら、ヨミには人類が考え出した最高の極刑に処してやろう…ニヤニヤ



コンコン



カシム「カシムです」


わし「入れ」


カシム「失礼します、この度の戦勝おめでとうございます、しかし、どうやってこの短期間で大軍を撃退出来たんですか!?」


わし「神の神通力でじゃな…」


カシム「マルス様…失礼ながら、神と言う存在を信じてるんですか?」


いや…全く信じてないけど、ペスト菌は説明が面倒だし、たぶん引かれる(笑)


わし「し…信じてるとも!!」


カシム「そうですか…人間ぽい所もあるんだなと安心しました…あっ失礼しました」


えーーやっぱり残虐非道と思われてたのね…


わし「まぁ良い良い、では今月の報告書を見せてくれ」


カシム「はっこちらに」


ふむふむ、まずは、綿製品の工業化と穀物の加工の工業化か、製粉かな?、次は瓶詰めと食糧生産の増産化計画か、良い感じだ、外燃機関も月産で10台は行けそうだ、そして改良型の設計図を渡す


カシム「次から次へと、源泉の様に湧き出る知識、マルス様は一体…、はっ!そうです、マルス様、こちらをご納め下さい」


!!!!!!!!!!!!


コレは!!!綿製品パンツでは無いか(感涙)


では早速!!


わし「カシム……わしは今、過去最高に感動してる」


カシム「恐悦至極でございます」


わし「しかし、紐で結ぶのか…」


ゴムの木ってこの国にあったっけ?


今度調べてみよう…ぶつぶつ…


カシム「如何しましたか?」


わし「いや…何でも無い、これは極秘資料だ、至急作らせよ」


カシム「はは!これは…パンティー?ブラジャー?」


わし「そうだ、婦人用の下着だ、ロマンが詰まってる」


カシム「ロマンですか…ゴクリ…ロマンとは?」


あ…そうかロマンって語源はローマから来てたか…


わし「まぁ何だ、悠久の時を経た天使の雫みたいな感じだ、ロマンチックと言う製品名にせよ」


カシム「かしこまりました!!」


蚕も探さないとな、やっぱり女性の下着はシルクでしょ…


わし「そうそう、明日、カインを私室に呼んでくれ」


カシム「分かりました、では早速悠久の時を経た天使の雫ロマンチックを作ります」


わし「…よ…よろしく…」(自分で命名はしたが恥ずかしいな)


次回に続く…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る