第4話 わし 領地経営に乗り出す
国王にあっさり領地経営を任されたわし、粛々と計画を立てる
そんなある日
カイン「今日集まってくれたのは信用出来る奴だけだ、単刀直入に言うがマルス王太子様についてだ」
アベル「どうしましたか?亡くなられた王妃に似て優しい感じだと思います、乱世にはお世辞にも向いては無いと思いますが…」
アベルは、現国王直属騎士団の団長でカインの元部下、男爵家の三男坊
カイン「口を慎め、おまえはマルス様に忠誠を誓えるか?」
アベル「それは勿論、騎士道に誓って」
カイン「ここ最近のマルス様の様子がおかしい、少し前と違い、明るくなり、異常とも言える自信に満ち溢れてる」
アベル「明るく自信に満ち溢れてるのは良い事では無いですか?…大きな声では言えませんが、私には泣き虫で気弱な王子と言う印象でしたが」
カイン「私も似た様な印象だったが、最近は、これからは飛び道具の時代だとか言って、剣術はやる気無し、かと言って弓にも興味無い、やる気が無いかと思えば、領地の民や産業や税などに関心を持ち、重々しく深刻な顔で地図を見てると思えば、急にニヤケだす…まるで別人だ」
アベル「飛び道具とか!!聞き捨てありません、卑怯者であります!!騎士道の風上にもおけない」
カイン「まぁまぁ、話し方も目上かと錯覚する様な物言い、やる気があるのか…無いのか…とにかく、我々はあの大臣や大国からマルス様を守るしか無いし見守るしか無い」
アベル「そんな悠長な事…マルカス様を亡き者にした、あの大臣の思う壺ですよ!!」
カイン「アベルよ…最近はマルス様にマルカス様以上の才気を感じてる!!」
アベル「まさか…」
そんな家臣達の心配を他所に
わしは領内検地を実行しようと計画
我が国は麦を生産してるが、綿作もしようと思う
そして農法は輪作を採用している、まぁ合理的だが
ぶっちゃけ水田で米の方が圧倒的に効率良いんだよね、麦って1粒蒔いて3〜4粒しか実らず、米は1粒撒けば30粒…圧倒的じゃ、しかも連作出来るしな
日本の国土が狭く平野も無いのに億を超える人口を支えてるのは米パワーじゃ
しかし無いものはしょうがない、食料自給力を上げたいので、ドイツで流行したノーフォーク式輪作にしよう
六圃輪栽式農法の型式で、国が活発な資本投下して土地集積と土壌改良を推し進めて行こう、食料増産増益だ、失業者(浮浪者)対策にもなる
クローバーや大麦を綿に替えて…綿の生産(供給)が高くなるまで無税にしよう
今ある手織機より足踏織機の方が生産性が高いのでこれを導入しよう原型は記憶してる
ちなみに中世時代の衣服はかなり高額だ
農夫用のリネンシャツ––24000円
農夫用のチュニック––11万円
貴族用のガウン(流行品)––720万円
工業化出来たら、ボロ儲けだ…
後は海産物を加熱処理して真空で瓶詰めだな
まだまだ缶詰は技術的に難しいが
瓶詰めの大量生産化が実現出来れば兵站にも応用出来て一石二鳥
素人は軍略を語りプロは兵站を語る…ニヤリ
あとは…内燃機関と外燃機関の開発だな…これは急がねば
人物金が往来する街道整備もしないとだし…
手始めに公務員増やして、城下町の清潔化だな、汚水や汚物やゴミを回収する業者を作ろう、病気とか怖いし、一応薬とかも作っておくか…
やる事多過ぎだわ…
三国が睨み合ってる状況の内に供給力を高め無ければ、あっという間に併呑されてしまう
あまり有能過ぎると目立ってしまうから、無能な君主のふりをしなければな…
あぁチート能力欲しいわぁ
次回に続く…
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