2カ所目 この世界にスキルはない



 やぁ。


 前のエピソードでは途中で中断してしまってすまなかった。別に文字数制限のある地球の有名なツブヤキSNSサイトではないのだから(文字数)を気にすることなく最後まで書きつづければ良かったのだが、どうやらこの世界を挫刹が公開しているらしいカクヨムという小説投稿サイトでは、概ね一話を二千文字ぐらいで収めないと魔力PVが増えないものらしい。なので概ね三千文字を越えないように調整しなければならず。やむをえず今も俺の隣にいる創造主の挫刹が(文字数)という強制的な中断魔法を使って中断してしまった。誠に遺憾だ。これは他人事で言っている。

 ところで七行前の「やぁ」という出だしは、この異世界ファンタジー世界を創りだした挫刹が、昔見たとある懐かしい動画作品を最近また目にしてしまう機会があったらしく。その時の動画の出だしを自分もやってみたいと思い立ったのでやってみたのだそうだ。「やぁ」という単語一つだけなら著作権違反にはならないと思う。思うが、氷河期世代という単語が気に入らないというカクヨム読者がいれば目くじらを立てて通報するかもしれない。最近の挫刹は通報というモノを逆恨みしており更に怯えてもいるのでお手柔らかに願いたい。もはやどう足掻いても取り返しのつかない同じ氷河期世代同士だ。仲良くしよう。こっちは魔法の使える異世界ファンタジーの住人なのは忘れてくれて構わない。煽っているつもりはない。ちなみに無闇矢鱈に気に入らないからという理由だけでカクヨム運営に通報すると多分、運営から睨まれると思うのでほどほどにしたほうがいい。これは作家側に隷属している登場人物でしかない俺の手前勝手な希望的観測に過ぎないことを言っているだけだが。

 まあ、俺からすれば利用規約違反になるような作品を書き続けていた挫刹の自業自得だと思っているのだが、挫刹のほうはそうも思っていないようで逆恨みして顔面赤鬼になっている。泣きっ面にハチである。この世界にも蜂はいる。まったくこまった創造主で造物主だと思う。


 さて、前のエピソードでの俺は海の上で肉を焼いていた。今はどうかというと海面から青い空を見上げたら、青い空があったので、高い空中へと瞬間移動して空中に座り込みさっそく肉を焼いている。

 現在の高度は約5千メートルだ。メートルという長さの単位は地球と同様、この世界でも同じ意味として使っている。繰り返すと今の俺は高度五千メートルの空に浮かんで座って肉を焼いている摩訶不思議な状態だ。下を見下ろすと青い海が広がっている。高い。気を抜くと落ちる。肉を回して焼いているまま自由落下フリーフォールすることもできるが今は落ちない。落ちる状況を想像すると非常にシュールだから一心不乱に座ったまま空中に浮いて肉を焼き続ける。

 目の前や遠くには発達した夏特有の入道雲や白い積乱雲が見える。もう夏だな。眩しい。あと似たような単語を連続して使うのは時々だけだが気持ちがいい。常にそうだとは限らない。人の心とはうつろうものだ。


 高度五千メートルで肉を焼くのは非常にどうでもいい。なぜならただ単にやることがなくて手持ち無沙汰に肉を焼いているだけだからだ。

もちろん魔法を使えば肉を永遠に焼きつづけることもできる。焼いている肉は今も生肉だ。魔法を使えば、永遠に生肉のまま焼きつづけることも簡単にできる。これは、ただ肉を焼くという行為がしたいだけだった。非常に都合がいい。一人キャンプで焚き火をじっと眺めるようなものだ。現実逃避ができるので俺はこの瞬間が結構、好きだ。この場合は現実逃避では無く異世界ファンタジー頭皮だがな。おっと逃避という字を書こうとしたら頭皮が出てきたらしい。うむ。こういうところで無駄文字を使うのはいいことだ。作者的な意味でだ。無駄文字魔法というヤツだな。


 そんな事を考えながら、俺は肉をぐるぐる回してボーっと遠くの空の景色を眺めつづける。白い雲、青い空、青い海、薄い空気。……気のせいだろうか。最後の単語で一気に雰囲気がぶち壊しになった気もするが、それはひとまず置いておこう。


 現在の文字数は約千三百文字まで書くことができたと隣の挫刹が喜んでいる。それは何よりだが、そろそろ本題に入らないとまた途中で文字数魔法が火を噴くことになると思うと先を急ぎたい気がしないでもない。うおっと。吹くという感じを間違えた。ここでもまた文字数を無駄に使う。ヤバい。漢字を感じにも間違えてるじゃないかこれはもう取り返しがつかない。年の為に言っておくが挫刹はワザとやっている訳ではない。また念の字を間違えている。いったい挫刹はちゃんと文章を書くことができるのか?


 どうやら挫刹がちゃんと文字を書くことができるようになったみたいなので話を続ける。

 俺は、地球のカクヨムに対してこの世界の出来事を字で表現する事ができない。なのでこれを書いているのは俺では無く間違いなく挫刹だ。だから文句があるのなら挫刹に言ってくれ。

 と、今はそんな事が言いたいのではない。


 前回のエピソードの最後で言いかけていたが、この世界にはスキルやレベルなどという便利なシステムは無い。甘えるな。厳しい地球の現実を見ただろう? それはこの世界でも同じだ。甘えるな。二度目だ。あるのは魔法が使えるというあまり厳しくない生温い現実だけだ。チートは知らない。俺は苦労してこの魔法を手に入れたわけではないから、これをチートと言ってもいいかもしれないが俺は言いたくない。しかしいい齢したカクヨムの読者の大半を占めるオッサンどもがチートなんて夢はを抱くのもうそろそろ卒業したほうがいい、と55歳の異世界氷河期世代の無職おっさんは思う。


 そう言えば俺は氷河期世代を名乗っているが、この世界にも氷河期世代と呼ばれてさげすまされている可哀そうな世代が存在する。地球の日本の氷河期世代と似た様なものだ。もはや取り返しはつかない。こっちの世界では既にどうあがいても挽回の余地がない地獄の55歳になってしまっているのだが。それは次のエピソードに後回しにしよう。





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