第三章『友結《ゆい》』

1、『あの』日の記憶 ※閲覧注意(全年齢対象ですが、悲しい描写があります。)

 さて、困ったぞ。。


 信じる信じないの話では無い。


 常 軌 を 逸 し て る ! ! !


 …ただ、あまりにも直向ひたむきなので根負こんまけした…。


 「…わかった。 信じるかどうかは置いといて、俺の事も話すよ」


 本当は語りたくないが『あの』話をすれば、このもふざけた事は言わなくなるだろう。


 俺は、部屋のすみに目を向けた。そこには、幼い子供の写真と、描きかけの絵のコピー(原本は実家)が飾ってある…。


******


 …俺は、両親と妹の四人家族


 両親は夫婦仲も良く子煩悩。妹は俺になついていたし、俺も妹を可愛がった。


 楽しい想い出は沢山たくさんあったが、悲しい記憶は無かった。


 …『あの』日までは…。


 俺が小学四年生、妹が幼稚園の年長さんの時だ。


 学校から帰ると、いつもなら、お絵描きの手を止めて


 「お帰りなちゃい!」


 …と笑顔で迎えてくれる妹の姿が無い…。


 妹に何かが起きたのを雰囲気で察した。



 …白血病だった。


 幼稚園で急に倒れ、病院で検査してわかったのだ。


 その日から何ヶ月も入院して、腕や足が内出血で青くなるほど採血や点滴を受けた。


 『右腕』を除いて…。

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