3、ぶ っ 飛 ん で る !

 以下は、少女が語った身の上話の要約である。



 少女の名前は『……? ……』

 

 ↑不思議な言語で聞き取れなかったので、今後も『少女』と呼ぶ。


 少女は別次元の軍『衛鬼兵団えいきへいだん』の司令官。


 『衛鬼兵えいきへい

(巨大な怪物や、ジョ○ョのス○ンド的な異形いぎょうの者)

は、もとは『皇帝』の近衛兵だった。


 皇帝に逆らう者は、彼らの非情な作戦と強大な戦力で、総て殲滅せんめつされた。 …いつしか彼らは『いくさおに』と恐れられ、やがて『衛鬼兵団えいきへいだん』と名を変えて現在に至るそうだ。


 ところが皮肉な事に、規格外に強すぎた『衛鬼兵団えいきへいだん』の活躍で、皇帝に逆らう者は根絶ねだやしにされ、平和が訪れた。


 いくさが無ければ兵士は無用。彼らは居場所が無くなり、流浪の兵団となった。


 そんな彼らの転戦先てんせんさきを探す為、兵団で唯一ゆいいつ、細胞の配列を変えてあらゆる生物に変身する能力を持つ少女が、先遣せんけんとして次元を超えてやって来た…と言うわけだ。

 

 因みに、彼女の次元では、光や空気がエネルギーなので食事は必要無いはずだが、今回は人体を完コピしたから、食事が必要になっちゃったんだろう…だとさ。


 信じるか信じないかはあなた次第です!…っと。……かなり、ぶっ飛んでるよね。


 与太話よたばなしも、ここまでつくまれていると、いっそ清々すがすがしい。


 俺の脳は、今の話で一時的に機能を停止した…。


「あっ! …そうだ!」の、少女の声で我に返り、「どうした!」と聞き返す。


 「一人だけ、いつでも『腹減った~』って言ってる役立たずの兵士がいた! 初めてあいつの気持ちが理解出来た!」


 …そ ん な 情 報 、ど ~ で も 良 い ! 

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