2、至福

 この公園は、俺が通る時間にはすでに誰も居ない。


 ……なぜここが『お気に入りの場所』なのか。それは俺のアパートは壁が薄く『至福の時間』に集中出来ないからだ。


 俺の『至福の時間』……それは、俺が一目惚れした女性の動画をる事だ。


 彼女の名前は『鷹音ようおん 野華ひろか』……しかし、人は彼女を『タカネノハナ』と読む。……出来過ぎだね。


 俺みたいなカースト底辺の平社員


 ……因みに俺は『たいら 盆人はちひと』なんだけど、人は俺を『ヘイボンジン』と読む。 ……こっちも出来すぎだ。 ←自虐


 …には、手の届かない存在だ。


 そんな彼女が、俺を見て笑いかけたり話しかけたりしてくれる動画……これをながめ、彼女とのデートを思い浮かべている時だけが、俺の『至福の時間』なんだ。

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