第19話4-3:朝


 朝になり私は何度も読み返したWeb小説の画面を閉じた。



 いつもと同じく早めに家を出る。

 そして駅に着き更新の有無を確認する。


 そしてやはり更新されていない事を知る。



 電車が来て乗り込みすぐにいつも宮本君がいるシートを見る。

 しかし今朝は宮本君はそこにいなかった。


 

 咲は宮本君が私の事が好きだと言っていた。

 そして私が大好きだったWeb小説を書いていた作者のみやむーさんは宮本君だったようだ。




 「なんでこんな小説みたいなことが!」



 

 一人そうぼやいても答えてくれる人はいなかった‥‥‥



 * * * * *



 憂鬱な気持ちで教室に来ると咲が真っ先に私の所へ来た。



 「おはよう真菜」


 「咲‥‥‥」


 「なぁ~に暗い顔しているのよ! 私は大丈夫。むしろ真菜はどうなの?」



 にっこりと笑う咲の目元が少し腫れている。

 きっとかなり泣いたのだろう。



 「私は‥‥‥ 分からない。宮本君がみやむーさんだったなんて。でもだからと言って宮本君の事は‥‥‥」


 「真菜、あのWeb小説ってきっと真菜に向けたラブレターだったんだよ。多分宮本君は真菜があの小説読んでいるの知っていたんだよ。だから宮本君って何時も真菜の事見てたんだよ‥‥‥」



 咲はそう言って小声ではっきりと言う。



 「私は大丈夫。真菜こそ宮本君にはっきりと言ってあげて‥‥‥」



 そう言って自分の席に行ってしまった。

 私は何も言えず宮本君の机を見るとまだ来ていない。



 「はよー、真菜どうしたの、変な顔して?」


 「おはよう。あら、咲はもう席に着いてるの?」



 七海と優子がいつものように挨拶してくる。

 



 私は大きくため息をつくのだった。

  

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