第15話3-6:それでも


 作者のみやむーさんに何か有ったのはうかがえた。



 七海の言う通りそれって失恋?

 それとも‥‥‥



 「どちらにせよ、小説は書き続ける気は有るって事ね。それだけは良かったわ」


 「優子にしては寛大ね? また何か文句の一つでも言うかと思ったのに」


 お弁当を広げながら私たちは作者みやむーさんについてあれやこれやと話す。

 勿論憶測なのだけど。



 「でもまたしばらく続き読めないって事なのかなぁ~」



 私がポツリとそう言うとみんなも動きを止める。


 

 「まあ、そのうち始まるって!」


 「一応はひと月くらいなら待ってあげても良いけどね」


 「うーん、私は他の作者さんのも読んでみようかなぁ?」



 七海は私を元気づける為にそう言うけど優子は期限宣告、咲に至っては浮気しようとか!



 「み、みやむーさんきっとすぐに戻って来るよ!」


 

 子供じみた事は分かっていても応援しているWeb小説がみんなから見放されそうになるのは寂しい。



 思わずそう言ってしまう私だった。



 * * *



 「あ、あのさ、真菜って本当に宮本君の事何とも思っていないの?」



 放課後に咲がすいっと私のそばまでやって来た。



 「え? 宮本君?」



 思わず聞き返す私。

 すると咲はちょっと視線を外してちらりちらりと帰り支度している宮本君を見る。



 「今彼って私が以前読んでいた小説と同じの読んでいるみたいなんだよね‥‥‥」


 私も宮本君の帰り支度をちらっと盗み見ると咲が読んでいるような単行本をカバンにしまっていた。

 首を傾げ咲に聞く。



 「咲と同じねぇ。読書仲間って感じなの?」


 「う、うん。私もそういった意味で一緒に本読み合いしたいかな~って」



 しばし沈黙。



 こ、こいつらこちらから話題を出さないと喋らないのか!?



 「ね、ねえ真菜、ちょっと付き合ってくれる?」


 咲のお願いに私はしばし彼女の顔をまじまじと見てしまうのだった。 


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