第6話2-2:悩み
「まただ‥‥‥」
今朝の分の更新を読み終え私はそうつぶやく。
スマホの画面から顔を上げ思わずぼぉ~っとする。
「ほんとこの学校ってうちの学校にそっくりだよね?」
誰に問いかける訳でも無いのに思わずそう口から言葉が漏れる。
それほどこのWeb小説に出て来る学校はよく似ていた。
うーん、一体どう言う事だろう?
作者さんの「近況ノート」を見てみるけど更新はされていない。
何となく引っ掛かりを感じながら私は学校へと登校する。
* * * * *
「今日はどうしたってのよ?」
「ん? 何が?」
休み時間に七海が私の席まで来て聞いてくる。
「何がも何も、授業も何もずっと上の空じゃない? 何か有ったのかと思うわよ。って、やっぱり男!?」
「何それ、まるで私が欲求不満みたいじゃない! そうじゃないってば、ちょっと気になる事が有るのよ?」
そう言ってカバンを見る私。
学校ではスマホ禁止なのだけど、こうした休憩時間には見ることが出来る。
私はカバンからスマホを取り出しWeb小説サイトにアクセスする。
「実は春先に見つけたWeb小説にはまっているんだけど‥‥‥」
「はぁ? Web小説??」
今まで七海にはこの事は話していなかった。
七海はあまり小説とか読まない方だったから特に教えてもいなかったし、私が今この小説にはまっている事も知らなかった。
「で、何が有ったのよ?」
「うん、実はこの小説とうちの学校があまりにも似ているんでね‥‥‥」
そこまで言ったら七海は噴き出した。
「ぷっ! まさか真菜ってそんな事で悩んでたの!?」
「なによ、悪い?」
「いや、悪くはないけどさ。たまたまじゃ無いの?」
「それがね‥‥‥」
そう言いながらこの小説を開いて見せるけど最初から読んでいない七海にはちんぷんかんぷんだった。
だから似ている所を表示してあれやこれやと説明を始める。
「偶然じゃ無いの?」
「そうかなぁ、ここの表現なんかものすごく似ているんだけどなぁ」
文面だけでは分からないと七海は言う。
確かにそうかもしれないけど、小説のその節を想像するとまさしくうちの学校になってしまう。
「どうしたの?」
「ああ、咲。聞いて聞いて真菜がさぁ」
私と七海が話をしていると友人の坂田咲が話に入って来る。
そう言えば咲は時間があるとよく小説を読んでいたっけ?
私は咲に向かって今までの事を話し始めるのだった。
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