センスを狂わせる無責任な“アドバイス”
蒼風
0.はじめに
まず最初に断っておきます。多分一部の人にとって本稿は凄く気分の悪いものになると思うんです。
その理由も先に書いておきます。それは、本稿で自分が説明するにあたって作った用語「センス」なんですけど、これが著者である自分にはあるという前提で話が進みます。
これに関してはもう、実際に自分のなすことを見ていない人には絶対伝わらない部分なので、どうか「そういうもの」としてご理解の上でお読みいただけると幸いです。
ぶっちゃけ自慢でも何でもないんです。なんなら、この「センス」が自分にとって悩みの種になっていたというお話なんです、要は。
さて、前置きをしたところで、本題に入っていきましょう。皆さんはスポーツはしますでしょうか?
野球、サッカー、バスケットボール、バレーボール……なんでも構いません。団体競技から個人競技。スポーツという冠が付くもの(eスポーツは自分の知識が足りないので今回は除外させてください。すみません)なら大丈夫です。
これらをやる人は最近の記憶。そして、やらない人は体育の授業かなにかの記憶を引き出してみてください。
多分きっと多くの人は技術書を読むなり、指導を受けるなり、経験者に話を聞くなりして、様々な「アドバイス」に耳を傾けてきたと思うんです。
傾けてきましたよね。きたことにさせてください。体育の授業で聞き流していただけでも結構です。
そんなアドバイスが参考になったでしょうか。ならなかったでしょうか。多分数多くのアドバイスを聞いてきた人の中には「まったく役に立たないアドバイス」をされた経験もあるんじゃないかと思うんです。かくいう自分もその一人です。
もちろん、アドバイスとはいっても所詮は感覚です。人によって違うものなので、役に立つ、役に立たないということはあると思うんです。
だけど、自分の場合、その比率が明らかに偏っていた。要は「役に立たないな(立たなかったな)」と思うアドバイスが圧倒的に多かった。
これは最初、自分のセンスがないからアドバイスを活かしきれないのではないかという感じに理解していたんです。
ところが「そうでもないんじゃないか」ということが発覚します。それは何かというと、自分の(ほぼほぼ未経験の)ライト守備の動きは、経験者の友人曰く「センスが無ければ出来ない」というのです。
どういうことでしょうか。アドバイスを受けて、上達していかないのに、センスがあるということになります。
この一見矛盾しているような関係性ですが、そこにもう一つヒントが加わります。
先日から自分は筋トレに今まではあまり重視していなかった種目を加えています。
そこは正直かなり弱いのが丸わかりな感じで、既定のメニューをこなすのにも一苦労なレベルなのですが、それをやっていると、フォームの類が安定してきたのです。
ここに、一つの仮説が出来上がります。今回はスポーツを題材にして説明をしていきますが、要は「実際のプレー」といった出力に関わっている要素は所謂「アドバイス」で言及される部分以外のウエイトもかなり大きいのではないか、ということです。
そこで、自分は「センス」「半センス」「非センス」の3つ分割して考えてみました。
勝手に作ったいわゆる造語なので解説をしていくと、「センス」というのは所謂感覚みたいなもので良く「アドバイス」される部分です。
こういうイメージで投げたらいいよとか、こういうイメージで打ったらいいよとか、そういうのが全てここに当たります。
「半センス」というのは前述の「センス」を使ってやる実戦です。要は「経験」みたいなものだと思ってください。
いくらセンスがあっても、最初から野球の守備を完璧にこなせる人間はそうそういません。
色んな動きを含めて大体この「経験の積み重ね」が必要になってきます。積み重ねですから当然時間が必要ですし、その回数は「センス」では補えません。
ただ、ほら、いますよね?成長が早い人。あれ、「センス」があるんです。
同じ回数の守備練習をしているのにあっさり上手くなる人。あれは「一回一回での経験値」がたまりやすいんです。そこは恐らく「センス」に起因しているのではないかと思うんです。
そして最後の「非センス」ですけど、これは前述の「筋トレ」が当たります。要は「センス」だけではどうにもならない部分のことです。
コンディショニングや、体の稼働域もある程度ここに入ってきます。
もちろん、持ち前の体もありますが、それが明らかに狭ければ、広くするトレーニングをすることでプレイが良くなる可能性がある。この部分は「センス」では絶対に埋めきれません。
今、「アドバイス」というと基本的に「センス」の部分がほとんどだと思います。
ですが、先に結論から言います。「センス」を伸ばすのは一番難しいです。
そして、「センス」が上の人間にとっては「センス」が下の人間の「アドバイス」を聞くより、実際に数をこなして「習うより慣れろ」で覚えていった方がいいのです。
この理論、自分の「センス」が高い前提なのが何ともいかんともしがたいアキレス腱なんですけど、どうかご容赦ください。そこ以外はきっといろんな人にとって役に立つ理論だと思いますので。
しっくりこないという人は昔ながらの職人気質を思い出してみてもらえるといいかなと思います。ほら、ああいう人って「技術は盗むもんだ」っていって教えないじゃないですか。
もちろん、全てを盗むのは無理だと思います。だからといって、「全てを言語化、体系化しよう」なんてのは多分、どだい無理なんだと自分は思っています。
とまあ、ここまで、ざっくりと大枠について語ってきましたが、ここからは各用語についての具体的な解説を交えつつ、じゃあどうしたらいいのかということについて語って以降かなと思っています。
少し長いものになるとは思いますけど、お付き合いいただけたら幸いです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。