第2話
俺は女神に連れられて、水晶玉が置いてある部屋に来た。
「はい、じゃあ、いくわよ。今からスキルを与えます。その水晶玉に手を置いてください。」
俺は水晶玉に手を置いた。
「我が名は女神サフィア。我が天界に迷いし魂にこの世の理である力をその身に宿す。」
あ、そういや初めて女神の名前を知ったな。
「はい、これで終わり。」
「早、もっと長い詠唱かと…」
「え?あんなの長いだけで実際、異世界人には役に立たないよ?」
「じゃあ、なんで今詠唱を?」
「それが天界のルールだから。」
「なるほど」
正直、めんどくせぇな。
「そうね、あなたの転生先どうしましょう?あ、丁度いい死体が!」
死体!?
「あそこに転生させるからじっとしててね。」
「あ…はい」
本当に死体なんだなぁ。
俺は死体を見ながら少しづつ透けて逝った。
「じゃあね。渚くん」
「はい。女神様。」
俺は転生した。
俺は転生したはずだ。
なのに何故。
魔物が居るんだよぉぉぉ!!
俺は転生してから俺は洞窟に居た。
俺は大きな魔物から逃げて、逃げて、逃げまくった。
「「グォォォォォ!!」」
「ヒィぃ!」
何か打開策を…そうだ!スキルがあるじゃないか!
こう言う時は。
「ステータスオープン!!」
そう唱えると目の前に青く光る板のようなものが出てきた。
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名前:須田渚
種族:人族【転生者】
LV:1
体力:12
魔力:8
攻撃:9
防御:5
スキル一覧
〈支援スキル〉
【神託】ランクS
熟練度:F
【鑑定】ランクA
熟練度:F
【傀儡術】ランクF
熟練度:F
〈魔法スキル〉
【強化魔法】ランクE
熟練度:F
——————————————
「へ?何これ、攻撃できるスキル少な!どうなってんの!?」
《神託を受信しました。》
頭に直接響く声が届いた。
「はい。須田です。」
「ごめぇん。渚くぅ〜ん!また、間違えちゃったぁぁ〜。」
やってるよこの女神。
「今度は何をしたんですか?」
「実はね。君の他に4人転生させるつもりだったの。でね、君に与えるはずのスキルを別の子にあげちゃったのぉ。ごめぇ〜ん。」
あ、あぁ、あぁぁぁぁぁ!!
俺の転生LIFEもここで終わりかぁぁぁぁ!!
「あ、でも咄嗟に【神託】と【鑑定】はあげたから。それで頑張ってねぇ。」
「え!?今からでも貰えないんですか!?スキル!」
「もう、転生しちゃったら私、ほとんど干渉できないんだよねぇ。」
「嘘ぉ。」
「本当ぉ。」
もうだめだ。
本当に生きて行けない。
この時、俺は自分自身の強さを誤認していた。
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